羽田にて。「君生きアンコールを振り返る。」
終わったばかりで振り返る。

まだ湯気が上がっている。どのライブも宝物だった。実験的なセトリ、ポップ時代の8ビート曲を何曲かチョイス。これらは思った以上に強敵で苦戦した。体の細胞がジャズになっててジャズが最初に来ちゃうと自分の中でビートが混乱しちゃうのだ。しかし中盤戦でトリオライブがあってぐっとNYのバイブに引き戻されたことによって自分の現在点がハッキリ見えるようになりやり易くなった。アメリカでの「抜け」を思い出し、音符の洪水の途中での休憩のとり場所が自由になった。勘のいいお客さんは、そのささやかな変化をいち早く察知し、それをも楽しんでらっしゃるようだった。


名古屋、今思えばミスタッチや緊張で反省点ばかりだったが、こうして熊本を終えてみると自分が思うよりも名古屋はうんといいライブだった。筆おろし的なフレッシュさはいつだってとっておきの強さとたおやかさを持つ。

のなかでも左側にいたらしいじゃない?


神奈川、盛り上がり的にはいつもピカイチ。ここでのライブは確率的に100%いいものができている。兵庫、ここは毎回苦戦する。というか関西はいつも僕は苦戦する場所だ。今回も静寂との対峙の中で、淡々とQuolityを保ちプロの演奏に徹することで乗り越えたライブだった。






仙台、Emotionに牽引されPureで一線を一緒に超えたライブだったと言える。本当に待たせたね。札幌、天気の影響で会場のムードは必ずしもリラックスしたものではなかったが、いい落とし所がつけられたライブとなった。





このあと、芦屋ルナからBNTでの6公演を足して7公演トリオで。
ここタイミングでトリオはドキドキしたがルナが大成功だったのでグッと自信がついた。僕は日本人なので日本というとわかっちゃう部分があって、しかし自分が外タレとして演奏すると普段通りのアメリカ人の中での演奏を思い出す。これがよかった。




ブルックリンのシスターが「あなた、これ着なくてどうする?」と言った
紫プリンス的ジャケット



こうしてトリオで自信をつけて(とはいいつつも急にまたひとりになるとちゃんとできるか心配もあったけれど)高崎では冷静に淡々といい演奏ができた。長野もよかった。この2公演はこのツアーの中でも印象的な公演だったと言える。緻密というか細かい音楽的なところが客席と繋がってるパイプが特に太かった。



鍵があくまで受付近辺でワイワイ

善光寺参りの後のみんなの会話(妄想)

大宮は横浜と同じく100%の盛り上がり。でも実は心的にも体調的にもこの日がツアーの中でいちばんしんどかった。でもやれたと思う。


少しあってからの高松。非常に高松は高崎や長野に続き文化的な偏差値が高いというか、演奏しててお客さんからの学びがいっぱいあった。そういう意味でも楽しかった。


熊本は横浜や大宮と近い感じかな。千秋楽でもあり、ものすごい盛り上がりだった。30年ぶりとかのお客さんもたくさんいらしてそのポップのノリ中心でいるかんじのリズムがものすごくグルーブしてて、いいの。僕はむしろ押され気味だった(笑)ラストなので高松DAISO中央店でマニキュアを買って入念に塗って出たので、これが指を守ってくれて大きなヘルプだった。

めちゃくちゃうまいレモンサラダ





でも打ち上げの席でパリパリマニュキュア脱皮しちゃったけどね。ライブの間はしっかり指を守ってくれたわけだ。
あ、忘れちゃいけない。博多。博多はここまで(最近のすごいのり)まで来るのに苦労した場所だ。お客さんとの絆はこうして生まれた大切なものだ。


ファンの皆さん
に気を遣ってもらって
ありがたい
洗いざらいドライに書くとざっとこんな感じだが、もっともっとそれぞれの場所でいっぱいの物語があった。そして比較できないほど、どこも一期一会の素晴らしいライブ、だった。

これはひとえに会場に足を運んでくださったみんなのおかげだし、一緒にステージを作ってくれたイベンターさんやスタッフの皆さん、照明、音響、楽屋周り、影アナさんのおかげだ。バイトのみんなもそうだし合唱団のみんなもものすごくいいバイブをくれた。

きっとポップをきちんと変えずにポップでやろうとしてるのがお客さんにも伝わったと思うし、ポップとジャズを両方知ってる僕がやるからこその面白みが随所に感じられたと思う。16ビートの曲、アップビートの曲、そしてポリリズムの曲など、これからも自由形でどんどん曲を作ると思うので、僕はこのお客さんたちにもっと積極的にリズムに関しても腹を割って話していこうとこのツアーを通して、決心できた。



なによりも信頼できる世界1の僕のお客さんへ向けて、誠意を込めて。一緒に楽しい思い出をこれからももっともっと作りたいから。
追記:小児がんの子どもたちを支援するためのゴールドリボンの人とさっき空港の馬刺コーナーで会ったら「大江千里さんのライブではお客さんがほんとうにあたたかく支援をして応援してくださるのでありがたい。感謝です。」とおっしゃってました。僕の誇りです。
文・写真 大江千里 (c) Senri Oe, PND Records 2026
