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第3話《crossroad》#1 拗らせファヌストラブ〜アラサヌ女は死んだ初恋盞手を助けるためにタむムリヌプする〜

⬛第2話《流星》

⬛第3話《crossroad》#1

子䟛の頃に賌入した朚の勉匷机、小孊生のずきに䜿甚した教科曞は本棚に攟眮。

玙のマンガに、少し汚れたぬいぐるみ。

過去から時を止めた女の子の郚屋で私はぞそを出しお眠っおいた。

小鳥のさえずりが聞こえる。

陜の光が射し蟌んで、䞭孊生のずきに着おいた芋ゞャヌゞをパゞャマにしおおり、すぐにぎょんぎょん跳ねる髪はおさえるように結び、前髪はヘアピンでずめおいた。

いわゆる残念ズボラ生掻だ。
キラキラ女子高生ずは皋遠い痎態である。

「ぐぅ  」

バァンず砎壊力のある音が郚屋に響く。

キラキラしたプラスチックの宝石が぀いたカチュヌシャをしお、鎖骚たでの長さの髪をたずめるキリッずした顔立ちの女がいた。

女は眠る私の垃団を剥ぎ取り、耳が割れるほど倧きな声で怒声をあげる。

「おいコラ起きろ、芜々!!」

「ぎぎゃヌっ!?  äœ•事!?」

「早く起きないず遅刻するよ!!」

その蚀葉にモゟモゟずスマヌトフォンを探す、が芋圓たらないので枕元の目芚たし時蚈を芋る。

時間は時50分を指しおいた。

「えっ!?  ã‚„ばい遅刻する!! えヌ、化粧どうしよっ!?」

「え、普通にすっぎんで行きなさいよ」

「いやいやすっぎんで䌚瀟行くずか無理すぎる!!」

「は」

「  あれ」


私は身䜓を起こし、眉間に深いシワを寄せ険しく怒る姉・時森  ç™Ÿã€…を芋る。

私より顔立ちのはっきりした華やか女子倧生だ。

なんでお姉ちゃんいるの しかもなんか若い!!  é«ªäŒžã³ãŸïŒŸïŒ‰

「金ないず隒いでたくせにヒアルロン酞でも泚入したのか  ãµã–けんなよ」

謎めいた私の暎蚀に癟々は呆れおため息を぀く。

「あんた䜕蚀っおるの 勉匷のしすぎで頭おかしくなった」

勉匷ずいうワヌドが懐かしい。

私は若い姉の癟々を芋ながら少しず぀頭をクリアにしおいった。

「ずにかく早く孊校行きなよ 遅刻しおもしらないからね」

癟々は唇を尖らせお荒々しく郚屋を出おいった。

状況に远い぀くたでのタむムラグ。
ボサボサ頭からヘアゎムを倖し、指に匕っかかる傷んだ髪を毛穎ごずビペンビペン匕っ匵った。

「孊校  」

私は慌おおベッドから飛び降り、党身鏡を芋る。

朚魚を䞉回叩くほどの長さの沈黙のあず、私は倢なのだず思い出す。

寝お起きおをするずはリアルすぎる倢だ。

そしお党身鏡に写るはたさに高校生のずきの自分であった。

「えっ!?  ã†ãã€ç§è‹¥ã„!!」

割りそうな勢いで鏡を叩き、指王をこびり぀ける。

倢じゃなかった

叀兞的にも頬をひっぱっお確認しおみるず――案の定、痛かった。


「ファンタゞヌかよ。 それずも走銬灯」

軜口に冗談を蚀いながらも私は鏡に映る若い自分に倢䞭になった。

っおか私ちょヌ若い。 ほうれい線ないじゃん!! ニキビ  もなんか違うぞ

倧人のあれはもうニキビではない。

吹き出物だ。

頬を觊るずザラザラボコボコ、プチプチ感よりボッコリ感。

地味に䞍快で気にするものだ。

毛穎きれヌい。 ファンデヌション詰たっおない

そしお倧孊生になり色気付き、䞀斉にメむクをはじめる。

だんだんマンネリ化粧ずなり、肌ノリも悪くなり、やがおメむク萜ずしで萜ずしきれなかったファンデヌションが毛穎に詰たり黒くなっおいく。

毛穎パックで䞀時的に喜ぶも結局倉わらない。

そんな悲劇を知らない滑らかな肌。

高校生ずはそれだけで玠晎らしい

私は高校生ずいう生き物であるこずに春を感じおいた。

「ん」

ケヌタむ電話が着信を鳎らす。

たしかこの音楜はメヌル甚だったはず。

着うたず呌ぶものだ。

圓時流行った金髪歌姫の友達を想う歌。

田舎には絶察にいないビゞュアルのお姫様みたいな人だった。

「えヌっずメヌル  」

里穂からだった。

絵文字いっぱいのデコデコメヌルに早く孊校来いず寂しさを蚎えおきおいる。

「っお、遅刻するじゃヌん!!」

私は歯を磚き、顔掗っおヘアピンを倖し前髪だけアむロンで敎えるずそのたた着替えお家を出た。

髪はい぀か結び跡が消えるず信じお、ひたすらに走った。

孊生ずいうものは走る生き物かもしれない。

走っおこそ青春あり。

だから走る描写のあるアニメは奜評䟡なのだろう。

懐かしいガラガラず音を立おる匕き戞を開き、私は぀い陞䞊遞手のゎヌルの瞬間ポヌズをずった。

ギリギリセヌフ!!

孊校近い、これ最高。

片道䞀時間かけお通勀する私、本圓に頑匵っおる。

えらい、通勀するだけでえらい。

通勀時間も定時内にしおくれず吐血しお蚀いたい。

「芜々、おはヌ」

声をかけおきたのは、未来でも連絡をずっおいた芝田  é‡Œç©‚。

焊げ茶髪の前長めのボブ頭。

真面目そうな圢の良い瞁どりの目で私を芋おいた。

「里穂、わっっっか!?」

私が若ければ呚りも若くなる。

ここにいるのは若い高校生で理解を埗られないが、い぀か過去の自分を芋おそう思う私の心情がわかる日がくる。

芪戚のおばちゃん心理のようなものだ。

「䜕蚀っおんだ」

「若いっおええのぉ。 なんかそれだけでいいわぁ」

「おじさんみたいなこず蚀わないでよ」

パパ掻するおじさんが蚀いそうだず思っお私は梅を食べたような酞っぱい顔をした。

この時期はただ揎亀呌びのはず。

パパ掻ずはずいぶんずかわいらしい呌び方で、ハヌドルの䜎くなったものだ。

この考えですら早くも老害ぞの道ぞ進んでいる実感。

䟡倀芳が倉わっおいるのがよくわかるものの䞀぀だった。

「時森、おはよう」

「黒咲くん!!」

背埌からひょっこり黒咲くんが珟れる。

陜の光の䞭の黒咲くんは爜やかで、枅く矎しい。

ミステリアスな雰囲気はなく、枅廉朔癜は矎男子であった。

「昚日は倧䞈倫だったか その  怒られなかった」

「あヌはっはっ、倧䞈倫。 うちその蟺ナルいから!!」

垰っお䜕も蚀われなかったから少し笑った。

未来では母からよく電話がきおいたが、仕事で出られないこずが倧半だった。

やはり血色が悪くなり、寝る時間も早くなっおいく母を知っおいるだけにこの頃はただ元気だったのだず痛感した。

家族のゆるさはずおもありがたいものだった。

「そっか、ならよかった」

そこでチャむムが鳎る。

建物の䞭で聞く生チャむムにほんの少し高揚した。

「それだけ  ãŸãŸïŒã€

黒咲くんがヒラヒラず手を振り、自垭に座る。

私も座ろうず思ったが、黙っお聞いおいた里穂が目を茝かせお遮っおきた。

「え、なになに 昚日なにがあったの」

「べ、別になんでもないよ!! 早く座らなきゃ!!」

うぞぇ、里穂っお人のこずめっちゃ知りたがるタむプだったわぁ

盎芖する里穂の性栌が懐かしいようで倉わっおない。

こればかりは安堵した。

「高校生、か」

倉わるもの、倉わらないもの。

こんなに明確なのにその時を生きる私たちにはそれが党くわからないんだ。

ここにいる人は未来を知らない。

芋た目は高校生、䞭身はアラサヌ女の私だけが黒咲くんの結末を知っおいるんだ。



「おはよヌ。 えヌ、みんな䜓調は倧䞈倫かヌ」

教垫の橋堎がオヌルバックの髪を撫でながら教宀内党員を芋枡す。

無反応の私たちに先生は決められた連絡事項を告げる。

「来月にはセンタヌ詊隓もあるから䜓調管理には気を぀けるように」

センタヌ詊隓、懐かしい響き。 今っおなんおいうんだっけ、共通テスト)

蚀葉の倉化には本圓に぀いおいけなくなる。

流行語倧賞にノミネヌトされる蚀葉でさえ、知らないずなるこずも増えおいった。

「そういえば幎末幎始、恒䟋のふたご町星祭りが行われるぞ」

私が䜏み、孊校があるのは地方の片隅にあるふたご町。

ふたごの昔話が由来だろうがよくわからない。

そんなふたご町では幎末幎始にお祭りが行われ、屋台やちょっずした䌝統行事が行われ、プチむベントずなっおいた。

「たヌ、毎幎のこずだけどボランティア募集しおるからよろしくな。 詳しいこずは先生たちか、黒咲に聞いおくれればいいから」

黒咲くんに

劙にその蚀葉が匕っかかった。

黒咲くんは立ち䞊がり、みんなにサヌビススマむルを振りたく。

アむドル玚に眩しく、玠晎らしかった。

「あヌ、みんな今幎もよろしくな なんでも聞いおくれ」

そっか、黒咲くんっお地元の埩興䌚䌚長さんがお父さんなんだっけ

「  地元、か」

ふず私は感傷に浞る。

未来にいた私はもう䜕幎も垰っおきおない。

だけどこれからどんな颚に倉わっおいくかを知っおいる。

この町はどんどん人が過疎化しおいき、商店街は朰れ、やがお隣町の倧型ショッピングモヌルに人は流れおいく。

星祭りっお、い぀たでやるんだったかな

今、盛り䞊がろうず準備をしおいる星祭りの結末も知る身ずしおは切なく悲しいものだった。


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