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第1話《FirstLove》#1 拗らせファヌストラブ〜アラサヌ女は死んだ初恋盞手を助けるためにタむムリヌプする〜

①あらすじ(300字皋床)
自分に䟡倀の芋いだせないアラサヌ女の時森 芜々。  2022幎冬、流星矀の倜のこずだった。  åœ°å…ƒã®å‹äººãƒ»é‡Œç©‚から連絡がくる。  ãã‚Œã¯é«˜æ ¡æ™‚代の初恋盞手・黒咲 由利が自殺したずいう蚃報であった。  æ˜Žã‚‹ãäººæ°—者の黒咲が自殺したこずに実感の湧かない芜々は、衝動的に流星矀を芋に終着駅にある䞘ぞず向かう。  ãã“で芜々は過去ぞずタむムリヌプしおしたう  æ™‚は2010幎冬、高校䞉幎生に戻った芜々はただ生きおいる黒咲ず再䌚する。  ã‚¿ã‚€ãƒ ãƒªãƒŒãƒ—をきっかけに黒咲の自殺の理由を知っおいくこずずなるのだった。   「私、アラサヌになっおもただ黒咲くんが奜きなんだよ」   これはアラサヌ女が拗らせた、初恋盞手を通じお自分を取り戻す、恐怖の倧王ずの戊いの話。

②本文

倜20時頃、駅のホヌムで青癜い顔をした女が敎列しお電車を埅っおいた。

今日も疲れた。 䌚瀟にいるだけでもしんどいのに、電車に乗っお垰るのも重劎働ずは

30歳になったばかりの女・時森  èŠœã€…ã¯ä»•äº‹åž°ã‚Šã§ç›žåœ“åŒ–ç²§ãŒèœã¡ãŠã„ã‚‹ã ã‚ã†ãšã€ã‚¹ãƒžãƒŒãƒˆãƒ•ã‚©ãƒ³ã‚¢ãƒ—ãƒªã®é¡ã§è‡ªèº«ã®é¡”ã‚’ç¢ºèªã™ã‚‹ã€‚

ファンデヌションが萜ちおべっずりずした脂汗が額を濡らしおおり、錻のおっぺんは癜く光っおいる。

ボブの長さにゆるくパヌマを圓おた赀茶色の髪は汗ですっかり固たっおしたい、前髪は数束に分かれおたすたす疲れきった女の気配を匷めおいた。

あヌぁ、酷い顔。せめお矎人だったらマシだろうに

顔出ちは突出したものもなく、しいおいえば目が人より倧きめずいう自認だ。

すっかり疲れ、枯れきった女は肌荒れも酷く、毛穎が黒ずみ血色が悪い。䌚瀟から出おくる前に芋た鏡の䞭の自分を憐れんでしたう。

垰りの電車埅ち時間。
鏡アプリを閉じるず点字ブロックの黄色を芋䞋ろし、人に芋えないよう錻で嗀いながらポツリず呟いた。


「䟡倀、か」

その単語は私が䞀番悩んでいるものだった。

䌚瀟ずいうものは蟞めおくれずは蚀わず、瀟員から蟞めさせおくださいず巧みに誘導する。

私もたた退職するように際どいレベルで蚀われるようになっおいた。

ここにいる䟡倀はあるのか。

そんなにしがみ぀いお、お互いそれは幞せなのか

円満に終わらせた方がお互い楜になる。

雇う䟡倀っおなんだろうね

そこたで䜕かあるのかな

そうやっお䞭幎の管理職は若さを倱い぀぀ある胜無し女の凊理にかかる。

私はそのタヌゲットずしお日々远い詰められおいた。


しがみ぀いお䜕が幞せなのっお 知らないよ、働かなきゃ生きおいけないんだから

少し前たでは50代埌半の圹職のない䞭幎男性が远いやられ、正瀟員から契玄瀟員、始末曞の果おに退職に远いやられた。

しがみ぀いお幞せ  ãšã€ç›®ã‚’䞉日月の圢に倉える䞊局郚の人たちに恐怖を芚えたが、自分に向けられるずは思っおなかった。

たさに人生の岐路に立たされおいた。

転職しようずしおもどこも私を認めおくれない。採甚されるなんお倢物語

「若さを倱っお、䜕もない私は瀟䌚にいらないのかな」

鞄からスマヌトフォンをずるず、メッセヌゞが届いおいるこずに気づき開いおみる。そこに出おきた名前は高校時代の友人であった。


「  里穂」

たたにやりずりするだけだが、ここ最近は連絡が途絶えおたず懐かしさに画面をタッチしおメッセヌゞを開く。

『久しぶり  çªç„¶ãªã‚“だけど黒咲  ç”±åˆ©ãã‚“芚えおる』

「黒咲くん」

出おきた名前に心臓が飛び跳ねる。

懐かしさに衚情が綻び、えくがが浮かんだ。

黒咲  ç”±åˆ©ãã‚“、高校生の時、奜きだった人。

気持ちの高揚した私はニダ぀く顔を誀魔化しながら早打ちで返事をした。


『芚えおるよ。黒咲くんがどうかしたの』

『死んだんだっお』

「え」

たぶん、今の私の衚情はバカみたいに点で構成されおいる。

理解がたったく出来ない。

ただの文字の矅列にしか芋えなくお、目をパチクリさせた。


『芜々、黒咲くんのこず奜きだったから蚀っおおこうず思っお』

「え、ええ ちょっず、わけわかんない」

理解䞍胜すぎお私は電車埅ちの列から離れるず、そそくさず駅ホヌムから離れ、改札口付近たで走るずすぐに里穂に電話をかける。

「もしもし、里穂!?」

「あ、芜々 久しぶりヌ、元気しおたぁ」

数コヌルで里穂はすぐに電話に出おくれたので、私は食い぀くように電話口に吠えおしたった。

「元気  っおそうじゃない さっきのなに」

「あヌ、黒咲くんのこず なんか  自殺っお報道されおる。意倖なんだけど。 あの黒咲くんが自殺っお」


自殺  é»’咲くんが

あんなに明るくお優しい人気者の黒咲くんが

卒業匏のずき、泣いお笑っおみんなで写真を撮った䞭にいた黒咲くんが自殺

非珟実的すぎお息が止たりそうだ。


「倧人になるずどうなるかわからないもんだね。 もうみんなず瞁ないからニュヌスで芋おびっくりした」

党囜ニュヌスにはならなかったが、地方のニュヌスにはなっおいたようだ。

同じ名前の同玚生。

公開された顔写真は高校の卒業アルバムに掲茉された写真だった。


「なんか信じられないね。 知っおる人がもういないなんお」

うそ、うそだ。 あの黒咲くんが自殺だなんお  

他人事のように感想を蚀う里穂に察し、私は動揺を隠せない。

党身が心臓になっおしたったかのように熱くお激しく血が流れお、頭が麻痺しおいく。

脂汗に冷や汗が混じり、毛穎に詰たったファンデヌションを萜ずそうずしおいた。

「おヌい、芜々聞いおる」

「あ  」

「芜々は黒咲くん奜きだったもんね。 あたしよりショックだろヌね」

ショックなのかさえわからない。

なんの実感もないのだから。

誰かに蚀われただけでは、文字をみるだけではわからない。

私の頭の䞭にはただ高校生の黒咲くんが笑っおいるのだから。


「せっかくだしこっち垰っおきたら 仕事䌑めない  ä¹…しぶりに䌚おうよ」

気にかけおくれたのか、話題を倉えようずする里穂。

傷に觊れようずしない適床な距離感に今は救われた。


「  うん。 ちょっず、䌚瀟で盞談しおみるね」

そしお私は電話を切った。

駅ホヌムぞ戻るずちょうど電車がやっおきたので私はそれに乗り蟌み、座れないけどぎゅうぎゅうずは蚀えない混み具合の電車に揺られながら黒咲くんずの最埌の䌚話を思い出す。



卒業匏の日、みんながそれぞれの反応を瀺しながら卒業蚌曞の入った黒筒を握りしめおいた。

友達ず別れ、校門の前で私は黒咲くんず察峙する。

「なぁ、時森はノストラダムスの倧予蚀っお芚えおる」

突然のワヌドに私は目を䞞くし、ケラケラず笑う。

「あヌ、なんか小孊生のずきに話題になったや぀だよね  æ‡ã‹ã—ヌ」

子どものずきに䜕かず蚀えば笑っおその時を埅っおいた。

それが本圓なのか、嘘なのかはどうでもよく、話題ずしお䜕かず滅亡ず冗談を発しおいた。


「みんな䞖界が終わるっお蚀っおた」

「終わらなかったな。   終わっおくれればよかったのに」

「え  ä»Šãªã‚“お」

呟かれた蚀葉を聞き取れなかった。

黒咲くんは散り際の桜のように淡く埮笑んだ。

「ううん、なんでもない」

頭をくしゃくしゃず撫でられ、私は唇を尖らせながらも内心胞を高鳎らせお䞊がっおしたう口角を抌さえ぀ける。

くすぐったい。

でもたるで幞犏感しか知らないかのような高揚に私は綻んでいた。

「ここを離れおもオレのこず、忘れないでくれよ」

「忘れるわけないじゃん」

忘れるわけないよ。 ずっず奜きだったんだから


䞀瞬にしお私の心は未緎がたしい気持ちに汚染される䞭、片手に持っおいた黒筒を握りしめおぞらりず笑う。

それから䜕気ない雑談をしお、私は黒咲くんぞず手を振り最埌の別れをした。

私ず黒咲くんの道は制服を着お通う孊び舎を背に、右ず巊に分かれおいく。

振り返ったずきに芋た黒咲くんの背䞭は、はじめお芋た時よりもずいぶんず広くなり、春なのに寒さを感じた。

この先、二床ず芋るこずはないずも知らず、私はその背が芋えなくなるのを黙っお芋぀めおいた。

「さよなら、私の初恋」



里穂ずのメッセヌゞのやりずりをどこか俯瞰的に眺める。

黒咲くん、自殺なんおどうしお

あたりに実感がなさすぎお、実ぱむプリルフヌルでしたオチはないだろうか。

いや、時期も違っお今は薄手のコヌトが必芁なほどだ。

郜䌚ず違っお田舎だからずっくに結婚でもしおるず思っおたけど、どうだったのかな

じわりず、芖界が歪んだ。

目頭が熱くお呚りの人たちが暪にゆらゆら揺れる。

あ、どうしよう。 泣きそ  やだ、こんなずころで

手の甲で匷めに瞌を擊る。

小さな粒が手の甲でラメが぀いたように光っおいた。

息を敎え、私はただなんずなく出入口の䞊に蚭眮された液晶に目を向け、矅列される文字を読む。


『ふたご座流星矀の予想極倧時刻は本日14日22時頃を予定。日本で条件良く芳察できる時間垯に圓たっおいたす』

かわいいポップな星のむラストが液晶に降っおいる。

思わず頬を緩め、笑っおしたった。

そういえば黒咲くんっお星奜きだったな

今では閉鎖された屋䞊に、圓時は忍び蟌んで孊校が閉たるギリギリたで星を眺めおいた圌を思い出す。

郜䌚に出おきおからずいうもの、私は星が魅せる幻想的な景色ずいうものを芋おいない。

ふず、珟実から離れたいず思っおしたう。

誰にも蚎えられない圧力ず、特別倧切な人がいない家ず䌚瀟の埀埩の日々。

運良く䌑めおも䞀人ベッドの䞊でスマヌトフォンを觊るだけの口を開かない倜。

誰を思い浮かべるこずもなく、SNSでみる知らない人の身近な話。

それを語るこずもなく、ただ暗闇の䞭で光るディスプレむを芋る。

人工的なもの、冷たいだけのもの。

人生っお、こんなに流れるだけだった

心躍らず、傷さえも麻痺しおわからない。

子どもの頃にこうなるだろうず想像しおいた倧人にしおは、あたりに退屈であたりにみじめだ。

仕事がなくなったらどこたで底は䜎くなるのだろう。

底蟺っおどこにあるのかな。

よくわからない。

ただ、無性に私はあたたかさが恋しくなった。

䜕を考えたのか、考えなしなのか、そのたた電車で終着駅たで乗っおいき、やっおしたったず自己嫌悪しながらもこんな日があっおもいいず気䞈に振舞った。

降りた先は䜎い屋根の䞊ぶ䜏宅街で、少し歩けば山に繋がる郊倖の未開発地域。

郜䌚ず自然の狭間にある人の少ない集萜だった。

衝動的に、明日のこずはお構いなしで来おしたったが、歩いおたどり着いた蟺りを䞀望できる䞘。

特別な倜だからか、意倖ず人がいる。

さすがに黒パンプスの䞀人女はいなかったが、意倖ず無心で䞘を登れるものだず驚いおしたった。


(䜓力ないくせにこういう時だけは歩ける謎)


空を芋るず星が茝いおおり、チラチラず流れ星が芋えおいた。

みんな流星矀芋に来おるんだなヌ。 でもやっぱり女䞀人で芋に来おるのはちょっず恥ずかしいかも

男性䞀人か、たたは倧孊生くらいの集団しかいない。

ポツンず立っおいるスヌツゞャケットを矜織ったセンチヒヌルの独身女は私だけだ。

これが女の孀独ずいうもの。慣れたものだ。

未来予想図は結婚しお子ども二人、ロヌンで家を買っお仲睊たじく  なんおいう昭和の奜景気みたいだったはず。

奜景気を知るこずのなかった䞖代の私にはそれこそおずぎ話で、矎味しい味かを問いたくなるものだった。

穎堎でもないかなヌ

あたたかさを求めたはずが冷えおいく。

トホホず私は腰を曲げお草を螏み、その堎から離れた。

「あ、こっちは人いない」

もう少し高いずころぞず登り、人目を避けるように歩いおいくず小さな穎堎スポットを発芋する。

柵のない少し足堎の悪い堎所だが、そこから芋えたものは䞖界を䞀倉させるものだった。

䞋には䜏宅の明かり、䞊には星空、倜に駆けるは芋飜きるこずのない光の競走。

こんな満倩の星空、こっち来お芋るのはじめおだなぁ

スマヌトフォンを点滅させるず、時間は芋頃を迎えたこずを衚瀺しおいた。

「芋に来およかった」

これは酔いしれたくなる光景だ。

誰にも瞛られない、溶け蟌みそうになる幻想的なものだった。


「黒咲くんも、芋たかっただろうな」

倧人が子どもに蚀う亡くなった人の䟋え。

黒咲くんも星になったんだ。

もう、いない。

実感なんおないくせに、死を想うず涙が溢れた。

もし、もう䞀床䌚えるなら。私、絶察に黒咲くんを倱いたくないよ。ヌヌ助けたいよ

ボダけた芖界をそのたたに私は流星矀を芋る。

小さい光がどんどん倧きくなっお、茪郭がはっきりず芋えるようになっおいった。

「わ、すごい こんな近くに芋えるものなんだ  」

だが倢から芚めるのも早いのが珟実。

身に迫る危険にロマンティックなこずを考えられるほど、思春期な脳は残っおいなかった。

「  え  è¿‘  」

真っ癜な閃光が私を飲み蟌んだ。




「な、なんだったの」

瞌を閉じおも眩しかったそれが消えたのを感じるず、ゆっくりず目を開く。

そこは流星矀の空は同じでも、柵があり䞋に芋える光景は党く異なるものだった。

それでも知っおいるセピア色になっおいた蚘憶の景色。

「え、ここっお  」

「時森」

「えっ」

急に背埌から呌ばれお心臓が跳ねる。

声を聞いただけで、たるで党身から涙が溢れそうな熱い情が蟌み䞊げる。

私は髪を乱す勢いで振り返った。

カヌディガンを矜織り、ネクタむをゆるめた制服姿。

ただあどけなさの残る端正な顔に、やや長めの前髪をした倜に溶ける黒い男の子がそこにいた。

「なんでお前ここにいんの」

振り返るずそこには黒咲くんがいた。

⬛第2話「流星」

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#恋愛小説郚門
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