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セーフティーネットは、ゲームの中にあった

高校生のとき、家に家族がいなくなり、私は一人になりました。

高校生が家に一人は、問題になるのでは?

私はその頃持っていたスマホで、調べました
「児童相談所」という言葉が出てきます。

自分は児童なのだろうかと思ってよく見ると、18歳未満と書いてあります。
当時17歳だった私は、対象になることがわかりました。

そこには、里親や児童養護施設についての説明もあり、ドキッとしました。
知らない人の家や施設に入るのは怖い。
そう思って、すぐに見るのをやめました。

朝起きて学校に行き、授業が終わったら帰宅して家で過ごしました。

食事はお弁当を買えばいいし、掃除と洗濯はほとんど機械がやってくれます。
友達にも先生にも、自分が一人で暮らしていることを話しませんでした。
なんとなく話すのがいやだったし、話せば何か問題になるかもしれないと思っていたからです。

でも私は、完全にひとりぼっちだったわけではありません。

通話アプリは、最初はゲームの攻略のために始めたものでした。
その目的はすぐに終わったのに、私は毎日そのアプリを開きます。

同じゲームをしている人と繋がっているのが、楽しかったのです。

年齢も性別もバラバラな人たちが、そこにいました。
私は殆ど話さなかったけれど、会話で盛り上がっている人の声を聞いているだけで、画面の向こうにちゃんと人がいて、私はひとりぼっちじゃないと思えました。

今思えば、それが私にとってのセーフティーネットでした。

それは、社会が用意したセーフティーネットではありません。
けれど、私はオンラインの繋がりがあったから寂しくなかった。

あのとき誰かに相談していたら、どうなっていたのかはわかりません。

私は助けを求めなかった。
それでも、なんとかなった。

けれど、それが誰にでも当てはまるわけではありません。
寂しさから人とのつながりを求めて外へ出て、その先で危険な目に遭う子どももいると聞きます。

制度は作って終わりではありません。
制度を知っていても、選ばない人、選べない人もいます。
そこには誤解や不安があるかもしれません。

助けを求めていないから大丈夫とは限らない。
制度の入り口まで来ても、そこから先へ進めない人もいます。

あのときの私には、支えが必要でした。
ただ、それは制度とは別の場所にあっただけでした。

支えを必要としている人は、声の届かないところにもいるのかもしれません。



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