HAKUGEI Midnight 午夜 実機レビュー:老舗ケーブルメーカーが放つ、明晰さと情緒を兼ね備えた4BA+1DDハイブリッド #PR
HAKUGEI Midnight 午夜 実機レビュー #PR
古くからの中華オーディオファンにとって「HAKUGEI」は、その名が示す通り「白鯨」のように存在感のあるケーブルメーカーとして知られています。中国・江蘇省蘇州市(こうそしょうそしゅうし)発のブランドとして2010年から16年の歴史を持ち、SeeAudioをはじめとする著名ブランドへのケーブル供給実績もある、信頼できるメーカーです。
自社に工場も持っており、イヤホン、ケーブル、DACなど、様々なオーディオ製品を製造していますが、日本では主にケーブルメーカーとして知られています。2014年までは主にメーカー向けに銅合金線材を販売、2014年以降はHi-Fi業界に進出し、ユーザー向けにHi-Fiイヤホンのアップグレード用ケーブルや一部のオーディオケーブルのOEM製造を手掛けています。また、2024年には初めて自社開発イヤホン「NightFireElf」を開発。その後も継続して魅力的なイヤホンやケーブルを開発しています。
1万円から5万円程度の単体ケーブルを数多く発売しており、特にハイエンドケーブルの分野で名を馳せています。ちなみに、2025年現在、日本での代理店は、「ミミソラ株式会社」が担っているようです。
今回はそんなHAKUGEIさんからの視聴機の貸し出し提供で、「Midnight」という機種をレビューできることになりました。 #PR
今回レビューする「Midnight」は、そんなハイエンドケーブルメーカーが世に送り出したIEM(イヤホン)で、4BA+1DDのハイブリッド構成を採用しています。実勢価格はおおよそ5万円前後という、ミドルハイクラスの製品です(AliExpressの公式では7万円との値付けも見られますが、概ね5万円程度が市場の実勢価格のようです)。
私自身のインプレッションを交えながら、その詳細を紐解いていきます。

HAKUGEI Midnight 開封体験:五感を刺激する演出
パッケージを開けてまず驚かされるのは、製品が収められた木箱から漂う香りです。木箱には桃のような甘く心地よい香りが着香されており、非常に心地よい香りがします。単なるオーディオ機器の開封を超えた、工芸品を手に取るような高揚感を与えてくれます。
また、説明書は英語・中国語・日本語が併記されており、日本市場への配慮とメーカーとしての成熟度が伺えます。


HAKUGEI Midnight スペック
製品名: Midnight(午夜)
ブランド: Hakugei
装着方式: 入耳式(カナル型)
ドライバー構成: 4BA(バランスド・アーマチュア)+1DD(ダイナミック)ハイブリッド型
インピーダンス:11Ω±20%
感度: 107dB
周波数帯域: 20Hz – 30kHz
定格出力: 3mW
最大出力: 5mW
全高調波歪み(THD): 3%未満
ケーブル:Litz 7N Occ copper 3.5mm / 4.4mm 金メッキストレートプラグ
イヤホンのリケーブル用レセクタブル部:CIEM 2PIN (Reccesed 2PIN)
ケーブル長: 1.2m
製造地: 中国 江蘇省

意匠と構造:機能美が光る設計
筐体と2段ノズル構造
本体の筐体はその質感から、恐らくアルミ系かアルミ系の合金素材と見られます。しっかりとした造り込みを感じさせます。
特筆すべき設計の一つに、イヤーチップ装着部の「2段の返し(ステム)」があります。これにより、深く装着することと浅く装着することが可能となっています。例えば、少し小さめのイヤーピースをあえて浅いところで固定しておくと、ステムが長くなったのと同じ効果が得られます。耳の奥の方にイヤーピースが来るように装着できるなど、装着性の向上だけでなく耳道内部での共鳴ポイントをずらすといった、音響的な調整もユーザー側で行える仕組みです。

妥協のない付属ケーブル「Mahaaliya」
付属するケーブルは「Mahaaliya(マハーリア)」と書かれており、CIEM 2PIN (Reccesed 2PIN)の品物です。単品でも非常に良さそうな質感を備えています。プラグ部には「Copper titanium alloy(銅チタン合金)」の刻印があり、素材へのこだわりが伺えます。Litz 7N Occ copperを使用したとされるこのケーブルの完成度は非常に高いため、アップグレードとしてのリケーブルは必要なく、「味変」をしたい人が行うものになりそうです。

HAKUGEI Midnight 音質インプレッション:タイトかつ立体的で重層的な表現
音の全体像は、タイトかつ立体的で明晰感があり、上から下までの各音域の情報量が高めのタイプです。
チューニングスタイルは昔の中国の自由闊達な音バランスに多少似ていますが、あまり近年では見かけないような帯域バランスかもしれません。
低音域
ほぼ未エージングの状態での印象ですが、力強く鼓膜を震わせてくるものの、低域の質感自体はあっさりとしている感じを受けます。スピーディで音への追従性が高く、音の止まりの残りも少ないものですが、ソリッドな感じであるとと言えません。絶妙なバランスになっています。
各音域の繋がりなどに不自然さは感じません。
DD担当域の量感は控えめですが、質が良く中高域との繋がりは自然で、ベースラインがぼやけずタイトだがソリッドではない、といった印象です。
空間表現と立体感
Midnightには立体的な空間表現があります。音場は耳の周りにやや球体的に広がる感じがあります(TINHIFI T5のような広がり方ですが、Midnightはよりその球体の中の各音が明確で、密度が高く音楽が生き生きと感じられることがある印象です)。
現代的なポップスの楽曲もそれなりに良い感じに聴くことができるのですが、よりオーディオ通の人が好むようなクラシックやジャズセッションなどを聴くと、音の立体感が重層的で、機材方向(横方向)に奥行きが感じられます。奥行きと明瞭感、空間表現の自然さを兼ね備えている印象でした。
響きと質感
全体の質感はサッパリとして明晰な音ですが、女性ボーカルの息遣いや弦の余韻、ピアノの打鍵感などの色気や風合いなどを感じることができて、ここは価格帯なりにコストが掛かっている点を感じるところです。
全般に明瞭で明晰ですが、音に湿度のような感じがあり、もしかすると一定の発音の甘さと引き換えに、温かさや湿度感が感じられるのかも知れません。質感については寒色でも暖色でもないと思いますが、安い製品のいわゆる「暖かい音」というのとはまた違う感触です。響き感も響かせ過ぎにはならず、適度な抜け感がありますが、それもやり過ぎてはおらず、意図を持って良く調整されていると感じます。
2026年の製品らしく、かつての中華イヤホンにありがちだった「高音域が元気になりすぎる」といった書き分けの粗さも、丁寧に整えられています。ボーカルは引っ込みもせず中央に定位していて、男性・女性ボーカル共に適正な奥行きで明瞭でした。
音色の癖
音色にはやや癖があり、1.7KHzあたりに山、2.5KHzあたりに谷、3.5KHzあたりにまた山、4.2KHzを超えたところに谷があり、またいわゆる「ハーマンターゲットカーブ」やMOONDROPのVDSFカーブ、といった考え方とは異なった考え方によってチューニングされているのではないかと思いました。
楽器によっては音色が奇妙に感じることがあり、帯域バランスとしては疑問に思うこともありました。

使用上のアドバイス:イヤーピースの選択
付属のイヤーチップ(イヤーピース)については、正直なところ「音が出れば良いという程度」という印象を拭えません。
手元のKBEAR 07に交換したところ、付属のものより明瞭かつ音色がより立体感のある深い音になりました。個々人でお気に入りのイヤーピースを使うことで、手軽にグレードアップできるポイントです。
HAKUGEI Midnight 総評

HAKUGEI Midnightは、ハイエンドケーブルメーカーとしてのこだわりが随所に感じられる一台です。
感度107dB・インピーダンス11Ωと駆動しやすい点も評価できるポイントでしょう。
同価格帯の1DDモデルであるNICEHCK Himalayaなどと比較すると、あちらのように鋭利に全ての詳細を暴き出してしまうのではなく、適度に情報が一体感をもって出てくるような良さや、ハイブリッドイヤホンとしての良さがあります。あまりエージングが進んでいないため、今後さらに低域が落ち着いたりする可能性はありますが、箱出しでも十分にいい音質でした。
物理的な構造による装着感の工夫、高品質な素材選定は満足感があり、そして現代的な明晰さと独特の情緒を両立させた音作りは、正直人や楽曲は選ぶと思います。
5万円前後の価格帯においては、所有欲を満たした上で深い音楽体験を提供してくれる実力派のハイブリッドイヤホンと言えます。
価格に見合う品質ではありますが、価格帯にはやや疑問もあります。価格が安くても大きな満足度を得られる製品があると言う点では、CVJ Nozomiのような製品に比べてコストパフォーマンスが高いとは言えません。
ただし、細部にわたる調整がしっかりなされているという点と、コストなりの価格帯の意義はあり、独特の個性や独特性をもった製品としては許容出来るかもしれない、という印象でした。
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