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「完璧な妻」を演じ続けた20歳の女が、最後に選んだ離婚

妻という職業

――完璧であるべき女が、最後に選んだもの

「私は、完璧であるべきだ」

20歳の私は、そう思っていた。

妻になったのだから、妻らしくしなければならない。
朝は誰よりも早く起きる。
夫が起きる頃には、化粧を終えている。

「妻たる女、素顔を夫に見せるべからず」

今思えば、そんな決まりが本当にあったのかと思う。

朝食を作る前に家じゅうを掃除する。
洗濯を終え、干しておく。
そして夫の朝食を準備する。

テーブルには、その日のメニューまで並べた。

そこへ夫が現れる。

私は、ふと忘れていた。

この家には、夫以外にも「その他大勢」がいた。

4人いた。

茶の間に誰かが来るたび、お茶を入れる。
そして朝の挨拶をする。

三つ指をついて。

「おはようございます」

――いったい、何処の世界の話なのだろう。

マンガの中の話ではない。

これは、20歳の私が実際に生きていた生活だった。

しかも、これが特別厳しい一日だったわけではない。

これ以上のことを、私は毎日のようにしていた。

手は荒れ、あかぎれから血が出ていた。

それでも私は頑張った。

妻なのだから。
できないと言ってはいけない。
疲れたと言ってはいけない。

ところが、返ってきた言葉は、

「それくらい、当たり前だろう」

だった。

その瞬間、何かが私の中で切れた。

私は妻であって、家政婦ではない。
私は女であって、命令通りに動くロボットではない。

どれだけ頑張っても認められない。
痛みを見せても気づいてもらえない。
妻を守るという気持ちすら感じられない。

そこで私は決めた。

絶対に離婚する。

そして、もう二度と再婚しない。

男は信じられない。
男は妻を守らない。

そう思うほど、20歳の私は傷ついていた。

今なら分かる。

あの生活から逃げたかったのではない。

「自分を失うこと」から逃げたかったのだ。

別れた男に、今なら言いたい。

私を、お前の好みにインプットできるロボットだと思わないでほしい。

私は人間だった。

笑うことも、泣くことも、怒ることも、夢を見ることもできる一人の女だった。

言いたいことは、エベレストより高く、最近見つかった深海より深い。

けれど、もうすべてを言う必要はない。

私はあの日、離婚を決めた。

で、男は信じない
夢は一人で見るものだ・・・と


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