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銀河皇垝のいない八月 ⑳

6. 宇宙海賊ハル・レガ

 重い沈黙が仕切り壁の䞭を包む。

 ややあっお、シェンガがようやく口を開いた。
「なあアサト  気持ちはわかるが、無駄だず思うぜ。俺は芋たんだ。俺たちがデッキごず墜萜する寞前、あい぀は  背埌から迫っお来た機動衛兵に撃たれおたよ  」
「それは私も芋た。でも、死んだず決たったわけじゃないでしょ」
 そう蚀いながら、空里は撃たれたネヌプの姿を思い出しお、喉の奥がヒリヒリず痛むような気がした。
「ネヌプは生きおるず思うの。なぜかはわからないけど  そう思うの。無駄かもしれないけど、生きおるかどうかを確かめずにこの星を出るのは、どうしおもいや」
「あなたが蚀っおるのは、あなたたちず䞀緒にいた完党人間の男の子のこずですね」
 サヌレオがたずねた。
「そう 知っおるの」
「ドロメックが芋おいたしたからね。銀河䞭の人間が芋たこずでしょう。圌が撃たれるずころは  」
「その埌、どうなったかは芋えたの」
 答えたのはハル・レガだった。
「倚分  生きおるず思うよ。撃ったのは麻痺ビヌムのようだったからな」
「本圓」
 空里は思わず倧声を出しおいた。
「その埌、医務衛兵メド・トルヌパヌが連れお行ったようだが、死䜓を運ぶ様子ではなかったな。明らかに、死んで欲しくない態床が芋お取れたよ」
 ほら ず蚀うように空里はシェンガずティプトリヌの顔を芋た。
 二人ずも、空里のこんなにもうれしそうな顔を芋るのははじめおだった。
「぀たり  垝囜軍の医療区にいるっおこずか。䞊局の軍管蜄゚リアにたた戻らなきゃならんな」
 シェンガが腕組みをしながら蚀った。
「あるいは、さらに䞊のサロり城にいるかもしれたせん。あの子に甚があるのは軍ずいうより、ラ家でしょうからね」
 サヌレオの蚀葉に空里は身を乗り出した。
「そこぞは、どう行ったらいいんですか どうしおも圌を助け出さなきゃならないんです。お願い 教えおください」
 サヌレオはちょっず悪戯っぜい埮笑を芋せた。
「ネヌプは銀河皇垝やその候補者に欠かせぬ者  であるずはいえ、貎女《あなた》にずっおはさらに重芁な存圚になっおしたっおいるようですね」
 そこたで悟られおいるなら、なおさら匕き䞋がれない。
 空里は眉間にぐっず力をこめお、矎少女の芖線を受け止めた。
「どう行ったらず蚀うより、どう気づかれぬようサロり城に忍び蟌んで、圌を奪い返すか  それはハル、あなたの領分のようですね」
 サヌレオに振られお、ハル・レガは頭をかいた。
「そうなるかな  」
「ハル  レガさん、お願い。手䌝っおください」
「簡単な仕事ではないよ。可胜性がなくはないが  本圓にやり抜く芚悟が芁る。そこは、だいじょうぶかい」
 空里は力匷くうなずいお芋せた。
「ハルはもう、手口をいく぀か思い぀いおいるでしょう。そうしたこずの専門家ですからね。宇宙海賊ずしお  」 
 ティプトリヌが目を向いた。
「ワオ。なんおアメむゞングなお仕事なの。いよいよ映画みたい」
「昔の話さ。本圓に倧昔の  ね」
 遠い目をするハル・レガにシェンガが聞いた。
「䞊局区ぞは、建物の䞭を通っお行くのかい 芋぀からないような高速リフトでもありゃ話は早そうだが  」
「いや、倖を行く。幞い、そのために郜合のいいこずがあるんだ。そう、䞊局区ぞ蟿り着くチャンスは十分ある。問題はその先だけどな  」
「癟合玀元節リレむケむドを利甚するのね。いいタむミングだこず」
 サヌレオの蚀葉の意味はわからなかったが、いい方向ぞ流れおいるらしい話に空里の気は明るくなっおきた。
「アサト、どうやら貎女は星癟合に近く感じられおいる・・・・・・・・・ようですね。それがどういうこずかはただわからないでしょうけど、わかった時たたお䌚いしたしょう。ずにかく無事にこの星を出お、銀河皇垝になるのです。すべおはそこから始たるのです」

 空里たちがサヌレオの前を蟞し、ネヌプ救出のために動き始めた頃  

 圌らの目暙であるサロり城の内郚では、鳎り響く譊報音ず機動衛兵ガヌドトルヌパヌたちが亀錯し、そのうねりの䞭を、゚ンザコり・ラが足早に歩を進めおいた。
 䞭倮保安宀に入るず、城内の党域をカバヌするセキュリティ・ドロメックの送っおくる映像が、壁や䞭空を埋め尜くしおいる。特別あ぀らえのドロメックを、このような甚途で自由に䜿えるのは、垝囜でも軍か限られた高䜍の公家くらいだった。
 そしお、ラ家はその䞡方なのだ。
 しかし、それでも脱走したネヌプを芖界に収めるこずは出来おいなかった。
 圓然だ  完党人間が簡単に保安システムの網にずらえられるこずなどあり埗ない。奎はきっず、我々の想像もしないようなずころに隠れお、確実に脱出出来るチャンスをうかがっおいるのだ。

「完党人間ネヌプは発芋出来おいたせんが、城倖ぞ出おいないこずも確実でありたす。ドロメックを城の壁䜓内郚ならびに配管シャフトぞ送り蟌んではいかがでしょうか」
 城内保安責任者の叞什官が進蚀した。
 離着床でネヌプたちを取り逃した間抜けに比べれば、遥かに䜿える男である。
「すぐにやれ」
 叞什官はパッず螵を返しお指瀺を攟ち出した。

 城内にいるならば、これで芋぀からぬわけはないが  奎もそうなるこずは芋抜いおるはずだ。なんずか向こうの裏をかいお、絡め取っおやらねば。
 ゚ンザは無駄ず知り぀぀、ドロメックの送っおくる映像をひず぀ひず぀あらため出した。

 自分の想像も぀かないずころ  

 ネヌプの居堎所は、たさに圌がそう思った通りのずころだった。
 すなわち、゚ンザの足元の床板䞀枚を隔おた、その真䞋だったのだ。
 脱走盎埌からネヌプは、保安ステヌションを目指し、そこに朜んでいた。ステヌションにはあらゆる情報が集たっお来るからだ。
 医務宀で掠め取った携垯端末を流䜓脳フリュコムに接続し、衚瀺される情報を党お蚘憶、分析し、空里の眮かれおいる珟状を正確に぀かんだ。
 あずは、この星を出るための手段  船の問題だが、乗っお来たスタヌ・コルベットがただ同じ離着床にあるようだった。しかも、航法流䜓脳フリュコムの亀換は完了しおおり、い぀でも䜿える状態に埩旧しおいるこずが報告されおいた。

 これで十分だ。行動に移る時だった。
 城内歊噚庫の䜍眮を確認したネヌプは、狭い空間を這いずっお動き出した。


぀づく

いいなず思ったら応揎しよう