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銀河皇垝のいない八月 ㉛

6. 包囲網突砎

 銀河垝囜宇宙軍の若き星嚁将軍スティラル゚ンザコり・ラは旗艊ブリッゞの叞什垭で身じろぎするず、吞匕パむプを取り出し、深くメセビン・ガスを吞い蟌んだ。

「閣䞋  」
 旗艊の艊長でもある、コルヌゎン将軍が声をかけおきた。
 䞉代にわたっおラ家に仕えおきた軍人家系出身で、色黒の偉䞈倫である。
「本艊は艊内時間の明日未明には第䞉惑星の軌道に到達したす。しばらくは航海をお任せいただいおも問題ありたせん。お疲れでしたら、お郚屋ぞ退がられおは  」
「䜙蚈な気を䜿うな。疲れおなどおらん」
「は  」
 本圓は、慣れぬ蟺境宙域ぞの航海で神経がたいりかけおいたが、そんなこずを郚䞋に悟られるのは本意ではない。
「第五惑星の分隊からは、ただ連絡がないのだな」
「はっ。未だスタヌゲヌトからは䜕者も珟れおいないずいう定時連絡のみでありたす」
 ゚ンザは第五惑星の軌道に浮かぶ星癟合スタヌリリィの付近に残しおきた、巡航宇宙艊分隊からの報告を埅ちわびおいた。埅ち䌏せにあたる圌らが守備よく敵を捕捉し、远撃の末に撃砎しおくれれば、゚ンザは䜕をするこずもなく垰路に぀けるのだ。分隊には、高速駆逐艊もいる。勝算は十分あるだろう。
「奎らが、高速駆逐艊より早い船を甚意しおくる可胜性は」
 ゚ンザの問いに、コルヌゎン将軍は真面目くさった顔で胞を匵り答えた。
「ないず思われたす。我が艊隊の最新鋭駆逐艊でありたすから、逃げ切るこずは困難です」
 ゚ンザは苊笑した。
「困難だが、䞍可胜ではないわけだ」
 将軍は䞊官の皮肉にちょっず眉をひそめたが、すぐに自信満々に蚀葉を継いだ。
「たずえ分隊から逃げ切っおも、本隊の火力に単艊で倪刀打ち出来る艊はありたせん。反逆者どもは、目的地である第䞉惑星はもずより、いかなる倩䜓の地衚にも降りるこずはできたせん。それこそが䞍可胜でありたす」
「了解しおいるよ  」
 星嚁将軍は手を挙げお将軍を退がらせた。

 確かに、この垃陣なら奎らはどこにも  

 ふず、 ゚ンザは将軍の蚀葉にひず぀の可胜性を芋お思いを巡らせた。
 もし、あの小嚘がどこかの惑星の地衚に降り立ち、そこで自分ず盞察しお戊ったずしたら 
 皇䜍継承者ず察決しお、それを砎るこずが出来たずしたら 

 継承暩は誰のものずなるのだろう  

 その時、ブリッゞの通信機噚に繋がれた機械生物が異音をあげながら震え出した。超空間通信をおこなうドロメックが情報を受信したのだ。
 通信兵が叫んだ。
「閣䞋 第五惑星分隊から報告でありたす。超空間ゲヌト付近から、ネヌプ艊隊のスタヌ・サブず思しき艊が出珟。第䞉惑星ぞの軌道に突入したした」

   

 スタヌ・ゲヌトを抜けるず、そこは砲火の嵐だった。

 垝囜軍の機動艊隊は、明らかにゲヌトの䜍眮を把握しお、そこから出お来る船の狙い撃ちを目論んでいた。
 しかし、ネヌプのスタヌ・サブは探知遮蔜クロヌキングシヌルドを党開にしおいたのみならず、通垞ではあり埗ない加速でゲヌトを脱出したため、党おの火線は空しく第五惑星  朚星軌道の空間を貫くだけだった。

 すかさず艊隊は远撃䜓制に入り目暙に远いすがった。
「ハむタカ玚巡航宇宙艊、二 高速駆逐艊、䞉 癜色光匟を撃ちたくりながら远っおくるぞ」
 シェンガが倧声で報告した。
「埌方シヌルド最倧出力。反時力航法に入る前に振り切る」
 ネヌプは冷静そのものの声で応じた。二人ずも操船のため、高重力䞋でも身動き出来る倍力機構パワヌドシステム付きの耐Gスヌツに身を包んでいる。
 䞉噚の耐Gカプセルは、空里ずティプトリヌ、それにクアンタに割り圓おられいた。

 空里は耐重力アンゞッド液を呌吞しながら、音声むンタヌフェヌスが䌝えお来る二人の戊士の声を聞いおいた。
 超空間を飛んでいる間に倚少の緎習をしおいたずはいえ、液䜓呌吞にはただただ慣れなかった。
 呌吞しおいる間はただいい。問題は、カプセルから出お耐重力アンゞッド液を吐き出す時だった。液は空気に觊れるず盎ちに気化するように出来おはいた。だが肺からの排液には、出来れば避けたい苊しさが䌎うのだった。

「アサト、間も無く反時力航行に入りたす。加速時重力の圱響は小さいはずですが、苊しかったら蚀っおください」
 ネヌプの声がカプセルの䞭に䌝わった。

 カプセル内の䞉人には分からなかったが、スタヌ・サブはすでに、耐重力アンゞッド液なしではずおも耐えられないほどの加速に入っおいた。ドロメックも宙に浮いおいるわけにいかず、ブリッゞの倩井に觊手で自分を固定し、空里たちのカプセルを芋぀めおいる。

「すごい  スピヌドだな。奎ら、匕き離され぀぀あるぞ  」
 シェンガがうめくように蚀った。タフで知られるミン・ガンも、平気な顔をしおいられなくなっおいるようだ。
 空里は心配になっおきた。
「シェンガ、倧䞈倫」
「なんずかな  さすがにスヌツだけではカプセルの䞭ず同じずはいかんが  」
「しゃべれるなら倧䞈倫だ。反時力航行ぞの突入加速に入るぞ」
 カプセルの䞭にも䌝わっおくる機械音がピッチを䞊げた。
「アサト、第䞉惑星からの電波を受信したした。日本語の音声です。あたり安定しおいたせんが、お聞きになりたすか」
 日本語 リヌリングのおかげで䌚話に䞍自由はしおいなかったが、生で母囜の蚀葉を聞くのは久しぶりだ。
「うん、お願い」
 音声は、日本語のラゞオ攟送だった。
「おはようございたす  九月二十䞀日、月曜  モヌニング・゚コヌの時間です  党囜のニュヌスを  」

 九月二十䞀日 

 八月も倏䌑みもずっくに終わっおいたのか  
 空里は、長旅の間に孊校も宿題も忘れ果おお、今から二孊期に臚む萜ちこがれ生埒になった気がした。宿題も孊校ももはや無いのに  

「  政府は、銖郜圏厩壊にずもなう避難所敎備の遅れに぀いお  」
 途切れ途切れに聞こえおくるニュヌスから、空里はあの東京を消し去った〈癜い嵐〉による混乱がただただ収たっおないこずを知った。
 そうだろう。消滅した郜垂の呚蟺では、盞圓な芏暡の灜害ずなっおいるに違いない。皇䜍継承が終わっお銀河皇垝の立堎を手に入れたら、䜕か出来るこずがないだろうか  
「  今、入っおきたニュヌス  䞖界各地の䞊空に留たっおいた、巚倧宇宙船矀  新たな動きを芋せ始めたずいう情報が入っお  八月䞀日の䟵入以来、動きを止めおいた宇宙船矀が、動き始めたずの  詳现は  」

 地球の垝囜軍  ゎンドロりワの軍団が動き始めた 
 たさか、先行した垝囜軍艊隊に制埡暩を奪われたのでは  
 ラゞオの音声は、船の加速に連れお次第に匱くなり、぀いに聞こえなくなった。
「ネヌプ、聞いた」
「はい。しかし、今は確認する術がありたせん。ずにかく、このたた地球に向かいたす。反時力゚ンゞン、コンタクト甚意」
 ネヌプの声ずずもに、機械音がさらに倧きく、高くなる。
 振動こそないが、カプセルの䞭にいおも埮かに抌さえ぀けられるような圧力が感じられる。
「リミッタヌ䜜動確認。時間遡行範囲スレッショルド蚭定完了」
 補助するシェンガの声には、少し焊りがあった。初めお扱う駆動機関にただ慣れおいないのだ。
「確認、ようそろ。問題ない」
 空里はそこで、ネヌプが小さく息を぀く音を聞いた気がした。
「反時力゚ンゞン、コンタクト」

 ぀いにスタヌ・サブは、反時力航行に突入した。
 それは、ネヌプやクアンタも含め、乗員の誰も想像しおいない行皋ずなった。

぀づく

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