見出し画像

ワールドカップ2026観戦記59/104【イングランド×メキシコ】トゥヘル采配的中。10人のイングランドが守り切る

ナイーブさは欠片も見られなかった。グループステージの初戦のクロアチア戦でも触れたように、今大会のイングランドには一体感がある。だから、目標が定まれば、同じ方向を向いて戦うことができる。ようやく個と組織が融合したチームになった。

エゴの強い集団をまとめあげたトゥヘル監督の手腕は、スタメン起用でも発揮された。4₋3₋3の右ウイングにコンディションが整わなかったサカ、左ウイングにベスト32でDRコンゴの立役者となったゴードンを配した。

これが見事に的中する。ベリンガムの先制弾は、サカの右足からのクロスをダイビングヘディングで決めたものだった。自陣からライスが持ち上がった意表を突くプレーに、メキシコは後手に回った。ロングカウンターからの一発は効果的だった。

先制からわずか2分で、再びベリンガム。失点後にパニックに陥ったメキシコに襲い掛かり、高い位置でのボール奪取に成功したのはゴードン。ケインを経由したボールはベリンガムのもとへと届けられた。電光石火の加点でリードを2点に広げる。

さらに決勝点となるケインのPKを奪ったのも、ゴードンの鋭い出足だった。GKピックフォードのロングキックをケインが競り、こぼれ球に素早く反応。相手GKランヘルのファウルを誘った。

サカ、ゴードンの起用がハマったイングラインドだが、2‐0とした直後にFKからクリアボールをキニョーネスに叩き込まれ2‐1と追いすがられた。3₋1としたのはいいものの、その直前にクアンサーが危険なスライディングで退場。

数的不利に陥り、さらにケインが今後はメキシコにPKを献上。ラウル・ヒメネスが決めた時点で、残り時間はロスタイムを含めて30分以上あった。リードしているものの、置かれた状況はかなり厳しいものだったが、守り切ればいいというタスクが明確になったことで、むしろ割り切ってプレーできた。

メキシコが左右からクロスの雨を降らせて来ても、中で体を張って跳ね返し続けた。上背のある選手の投入も奏功している。この日のトゥヘル采配は、打つ手打つ手が当たった。

エスタディオ・アステカ・メキシコシティで無類の強さを誇る、共同開催国メキシコ相手に、なんとか3‐2で逃げ切りに成功。序盤からハイテンポのサッカーを仕掛けられながらも失点せずに耐えきり、また長い時間を10人で凌ぎ切った経験は、怪物ハーランドが待ち受けるノルウェーに向けた、大きな弾みとなる成功体験となった。

得点王レースで7ゴールのハーランドを追う、6ゴールのケインの対決は、メキシコ戦同様に白熱必死。プレミアリーグのマンチェスターシティでプレーするハーランドの特長を知る、イングランドの選手たちの対応に注目したい。ノルウェーは知り尽くしても止められないハーランドをどう活かすか。強力な武器を持つ両国の対戦が、今から楽しみでしかたがない。

思いのままに。続けます。今日も呼吸ができた。ありがとう!


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集