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なぜ、テニスをする子は成績が伸びやすいのか?親が知っておきたい「スポーツと学力」の意外な関係


「テニスをやっている子って、勉強もできる子が多くない?」

受験指導をしていると、そんな印象を持つことがあります。

もちろん、

「テニスをすれば成績が上がる」

という単純な話ではありません。

でも、テニスという競技には、実は勉強にも活かせる能力を使う場面が非常に多い。

ここが面白いところです。


テニスは「頭を使うスポーツ」

テニスでは、ただボールを打っているわけではありません。

相手を見る。

ボールの速度や方向を予測する。

次のプレーを考える。

自分の動きを決める。

結果を見る。

次のプレーを修正する。

これを短時間で何度も繰り返します。

つまり、

「見る→考える→判断する→実行する→修正する」

というサイクルを延々と回している。

これは、実は勉強とかなり似ています。


特に重要なのが「実行機能」

子どもの学習を考えるうえで注目されているのが「実行機能」です。

簡単に言えば、

  • 情報を一時的に覚えておく

  • 注意をコントロールする

  • 状況に応じて考え方を切り替える

  • 衝動的な行動を抑える

  • 目標に向かって行動する

といった能力です。

テニスでは、これらを使う場面がたくさんあります。

例えば、

「さっき相手はバック側に打ってきた」

という情報を覚えておき、

「次も同じパターンかもしれない」

と予測する。

ところが相手が逆方向に打ってくる。

そこで瞬時に判断を変える。

この、

「予測→外れる→修正」

の繰り返しが、テニスの特徴です。

実際、子どもを対象とした研究では、テニス経験とワーキングメモリや認知の柔軟性などの認知機能との関連が報告されています。

ただし、ここは注意が必要です。

「テニスをしたから認知機能が高くなった」とまで断定できる研究結果ではありません。


そして、テニスには「自分で考える」場面が多い

団体競技では、チームメイトや監督から指示を受けることがあります。

一方、テニスでは試合中に、

「今、どうする?」

を自分で決めなければならない場面が多い。

相手が強い。

ではどうする?

相手のバックハンドが苦手そう。

そこを狙う?

自分のショットが入らない。

強く打つのをやめる?

こうした判断を自分で積み重ねます。

これは受験でも非常に重要です。


成績が伸びる子は「間違えない子」ではない

ここは、保護者の方にぜひ知ってほしいところです。

成績が伸びる子は、

「最初から正解する子」ではありません。

むしろ、

「間違えたあとに、なぜ間違えたかを考えられる子」

です。

数学で間違えた。

「計算ミスだった」

で終わるのか。

それとも、

「途中式を省略したからミスした」

「条件を読み落とした」

「公式の使い方を間違えた」

と原因まで考えるのか。

この差が、半年後、1年後に大きな差になります。

テニスでは、

「アウトした」

「なぜ?」

「打点が遅かった」

「次は少し早く準備する」

という修正が自然に行われます。

この「失敗を情報に変える習慣」は、受験でも強力です。


だから「スポーツか勉強か」で考えない

受験が近づくと、

「勉強時間を増やすために、スポーツを辞めさせたほうがいいですか?」

という相談があります。

もちろん、受験直前には学習量とのバランスを考える必要があります。

しかし、

「スポーツ=勉強の邪魔」

と単純に考えるのはもったいない。

運動には身体面だけでなく、認知面・心理面でのメリットもあります。

特に大切なのは、

スポーツで得た能力を勉強に転用すること。

例えばテニスをしている子なら、

「試合では相手をどう分析している?」

「自分のミスをどう修正している?」

「相手によって戦い方を変えるよね?」

と聞いてみる。

そして、

「勉強も同じだよ」

とつなげる。


「勉強しなさい」より、強い言葉がある

子どもに、

「もっと勉強しなさい」

と言う。

これは簡単です。

でも、

「この前のテニスの試合、最初は相手のバックを狙っていたよね。勉強も同じで、まず相手……じゃなくて、問題の特徴を分析してみよう」

と言ったらどうでしょう。

子どもがすでに持っている経験を、勉強に転用できます。

これが教育では非常に重要です。

新しい能力をゼロから作るのではなく、すでに持っている能力を別の場所で使えるようにする。


親が見るべきなのは「何のスポーツか」だけではない

「テニスだから頭が良くなる」

という話ではありません。

サッカーでも、バスケットボールでも、卓球でも、将棋でも、ゲームでも、

考える→判断する→実行する→振り返る

という経験は作れます。

大切なのは、

「その活動をしているか」

だけではなく、

「その経験から何を学んでいるか」

です。


最後に

子どもの教育を考えるとき、

「勉強時間をあと30分増やす」

ことばかり考えてしまいがちです。

でも、もっと重要なのは、

「どう考える子に育てるか」

なのかもしれません。

テニスの試合で、

「なぜ負けた?」

と考える。

勉強で、

「なぜ間違えた?」

と考える。

そして、

「次はどうする?」

と考える。

この習慣は、受験が終わっても消えません。

スポーツは、勉強の敵ではない。

うまく活用すれば、

「考える力」を育てる最高の教材にもなります。

子どもに「勉強しなさい」と言う前に、

「そのスポーツで、何を考えている?」

と聞いてみる。

そこから、意外な学びが始まるかもしれません。

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