サロンを開業する前に、一番最初に考えること。SALON TEXTBOOK|Vol.03
17年の経験を、一冊の教科書に。
「いつか自分のサロンを持ちたい。」
美容業界で働いていると、一度はそう考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
開業を考え始めると、多くの人は物件探しや融資、内装のことから調べ始めます。
もちろん、それらは開業するために必要な準備です。
でも、17年間サロンを経営してきた今、私が一番伝えたいことがあります。
サロン経営は、物件を契約する前から始まっています。
開業後に長く続くサロンと、数年で苦しくなるサロン。
その違いは、立地や内装だけではありません。
もっと前の「考え方」で、結果は大きく変わります。
独立する理由は、本当にそれでいいですか?
開業相談で、よくこんなお話を聞きます。
「今のお店で売上があるから、自分でやった方が儲かると思っています。」
「指名のお客様が増えてきたので、独立したいです。」
どちらも自然な考え方です。
私も独立を考えた頃は、同じような気持ちでした。
でも、17年間サロン経営を続ける中で分かったことがあります。
その理由だけで開業すると、経営に苦戦する可能性があります。
なぜなら、
「売れる技術者」と「利益を残せる経営者」は、まったく違う仕事だからです。
今の売上は、本当に自分一人の力ですか?
少し厳しい言い方になるかもしれません。
でも、これは開業前だからこそ考えてほしい質問です。
今のお店で売上がある理由は、本当に自分の技術だけでしょうか。
お店のブランド。
立地。
広告。
Instagram。
予約サイト。
既存のお客様。
そして、オーナーが何年もかけて築いてきた信用。
実は、そのすべてが今の売上を支えています。
独立すると、その環境はゼロになります。
だから私は、
「今売れているから独立する」のではなく、
「ゼロからでも選ばれる理由を作れるか。」
ここを一番大切にしています。
マーケティングとは、集客ではありません。
マーケティングという言葉を聞くと、
Instagram。
広告。
ホームページ。
そんなイメージを持つ方も多いと思います。
でも私は、マーケティングはもっと前の話だと考えています。
一番最初に決めるべきことは、
「誰の、どんな悩みを解決するサロンなのか。」
ここです。
この軸が決まると、
物件選び。
価格設定。
メニュー。
内装。
ホームページ。
Instagram。
広告。
すべてが同じ方向を向き始めます。
逆に、この軸が曖昧なまま開業すると、
集客に悩み、
価格に悩み、
発信に悩み、
何度もコンセプトを作り直すことになります。
売上ではなく、利益を考える。
開業すると、多くの人が「月100万円売りたい」と売上目標を立てます。
もちろん、それも大切です。
でも経営者になった瞬間から、本当に見るべき数字は変わります。
売上ではなく、利益です。
家賃。
材料費。
広告費。
予約システム。
決済手数料。
光熱費。
税金。
毎月かかる固定費を支払い、最後に手元へ残るお金はいくらなのか。
これが経営です。
売上が高くても利益が残らなければ、経営は続きません。
だから私は、
「いくら売るか」よりも、
「いくら利益を残せる仕組みを作るか。」
この視点を、開業前から持ってほしいと思っています。
開業はゴールではありません。
独立すると、仕事は施術だけではなくなります。
集客。
リピート率。
利益管理。
広告。
採用。
教育。
資金繰り。
数字の分析。
経営者は、毎日たくさんの判断をしながらサロンを守っていきます。
だから私は、
技術者として成功することと、経営者として成功することは別の能力だと考えています。
最後に
17年間サロン経営を続けてきて、私が一番伝えたいことがあります。
開業は、夢のゴールではありません。
経営者としての人生が始まるスタートです。
だからこそ、
物件を探す前に。
融資を考える前に。
内装を決める前に。
まず、自分自身に問いかけてみてください。
「私は、誰のどんな悩みを解決したいのだろう。」
そして、
「私は、利益を残しながら、その想いを何年続けられるだろう。」
この二つの答えが、5年後、10年後も選ばれ続けるサロンの土台になります。
次回予告
Vol.04|物件は「家賃」よりも〇〇で選ぶ。
AIやネット検索で、物件選びのポイントを知ることはできます。
でも、「この物件を選ぶべきか」という判断は、実際に経営してきた経験があってこそできるものです。
17年間で約6店舗の出店・運営に携わる中で、成功も失敗も経験してきました。
次回は、その経験からたどり着いた**「長く続くサロンのための物件選びの基準」**をお話しします。
AIは知識を教えてくれます。
でも、経営の判断を支えるのは、現場で積み重ねた経験です。
SALON TEXTBOOKでは、その経験を一冊の教科書として残していきます。
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