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スクリーンの向こうの現実(4)『Nil Battey Sannata』——教育は、いつからでもやり直せる

🎬『Nil Battey Sannata』

貧しい家庭で懸命に働くシングルマザー。
娘の教育を支えるために必死に働くが、成績が伸びず、娘は「どうせ私なんか…」と心を閉ざしてしまう。
ある日、母親は信じられない決意をする——
「私も、あなたと一緒に学校へ行く」。


🎞 年間500本近く映画を観ている。
映画は、世界で起きたこと、起きていること、そして人が目指していることを映す鏡だと思う。
スクリーンの向こうには、いつも“現実”がある。


そもそも教育制度は国によってまったく違う。
昔アメリカの映画やドラマを観ていて「7年生?9年生?なんだそれ?」と思ったのが、制度の違いに初めて気づいた瞬間だった。

では、インドの教育制度はどうだろう。
ざっくり整理するとこうなる。

  • 就学前教育(Pre-primary)

  • 初等教育(Primary):6〜11歳(1〜5学年)

  • 前期中等教育(Middle):11〜14歳(6〜8学年)

  • 後期中等教育(Secondary / High school):14〜18歳(9〜12学年)

映画でよく登場する「9学年」は、日本で言えば中学卒業にあたる。
「そこに進めずに落第する」という台詞がよく出てくる理由がようやくわかった。


娘が良い教育を受け、より良い未来を手に入れてほしい。
そのために母親は必死に働く。
しかし、数学の成績を見て愕然とする。
自分も十分な教育を受けてこなかったため、一緒に教えることができない。

——そして母親は決意する。
「私も、学校に戻ろう」。

大学でも専門学校でもない。中学校に戻るのだ。
やがて彼女は数学に目覚め、娘と“母娘”を超えた“同志”のような関係を築いていく。


教育を受けられないという現実は、どの国にもある。
けれども、強い意思と行動力があれば再び学びの場に戻れる。
この映画はそれを、明るく力強く見せてくれる。


一方で、日本はどうだろう。
一度レールから外れると、戻ることが難しい社会。
「やり直し」や「学び直し」が認められにくい空気がある。

それでも本当は——
恵まれた社会だからこそ、「やり直す人」「別の道に挑戦する人」に優しい国であってほしい。

インドのように、学び直しに希望がある社会であってほしい。
そしてインドでも、どんな境遇の人でも挑戦できる社会であってほしい。


📽️ 『Nil Battey Sannata』は、
「教育=未来を諦めない勇気」
を静かに、でも強く教えてくれる映画だ。


((5) 『 Idli Kadai』ー湯気の向こうの景色)


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