インド映画に恋してます ⑩ アツイ友情と恋するハート Tune Maari Entriyaan——縫い付けたハートと前夜のテンション
🎵 今日の一曲:『Tune Maari Entriyaan (Gundayより)』
2014年公開『Gunday』の中の一曲。
ランビール・シン、アルジュン・カプール、プリヤンカ・チョープラが演じた男女3人の三角関係を、コミカルに描いたダンスナンバー。
ならず者がのし上がり、警察と対峙するストーリーの中で、
恋模様が絶妙に絡み合う秀逸な作品。
勢いとユーモアで観客を一気に引き込む一曲だ。
年間500本近く映画を観る私の世界が、ある日 “Dard-E-Disco” でひっくり返った。
それからというもの、映画は観るものではなく——踊るものになった。
——映画に恋して、踊り出した。
シャー・ルク・カーンに惚れて、世界が回り始めた—
発表会をいくつか経験していた頃。
先生が言った。
「次のレッスンからは新しい曲だよ。Tune Maari Entriyaan」
「あ、はい。頑張りますっ!」
……え、なんて?**中年マリー?**そんな感じ?
打ち上げで「中年マリーみたいな曲名」って言った私の一言で、
この曲はクラス内で『中年マリー』と呼ばれることになった。
動画を見て驚いた。
「やばいテンション」どころじゃない。
主演の二人、完全に振り切れてる。
——この曲から私のボリウッド人生は軌道修正された。
キラキラ可憐から、クセ強め・勢いマックス路線へ。
子どもの頃に習っていた日本舞踊で、私は立役(男役)を徹底的に叩き込まれた。
女形よりもまず、男を踊れ。
その方が後で自然に“女らしさ”が出る、と師匠は言っていた。
立役を学んでいたおかげで、男らしい踊りには抵抗がない。
だから『Tune Maari Entriyaan』のガツガツした動きが気持ちいい。
ボリウッドダンスは、曲に合わせるものじゃない。
映画を演じることそのもの。
ストーリーを理解して踊らなきゃ映画への冒涜だ、と個人的には思っている。
イベント出演が決まり、私は衣装を考えた。
動画を見直すうちに、ある疑問が浮かぶ。
「……なんか違う。」
そう、足りない。あの象徴的な真っ赤なハートがない。
——作ろう。
夜。100円ショップ。
白いワイシャツ、赤いフェルト、赤い糸、茶色のフェルト。
帰宅して作業、気づけば0時。
型紙も何もない。思いつきだけで針を動かす。
——終わらない。

思いつきのわりには頑張った気がする
そうだ、もう一人の男役の子にも着せたい。
……2着、作ろう。
許可?取ってない。
「明日これ着ようと思う」写真を送信。
「え???」当然の反応。
「2枚作ったから大丈夫〜!」(全然大丈夫じゃない)
当日早く来て、楽屋で縫い続けた。
断れるわけがない。ほんと、ごめん。
でも、思い返せば。
この「暴走」は、私のエネルギーそのものだった。
南インドの王様で髭面暴走した時と同じ。
これからは、ちゃんと「燃料点火します!」って宣言してから暴走しよう。
映画を観て、踊って、ワクワクして。
そのワクワクを、少しでも観る人に伝えたい。
——それが、私の燃料。
みなさんが思わず暴走してしまったことって、なんですか?
(⑪ インドの女の子の結婚の儀式『Cutiepie』(Ae Dil Hai Mushkilより)秋になると腕にメヘンディしたくなる)
