【読書記録#22】「色彩を持たない」と感じた人へ「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
村上春樹さんの作品は、以前愛読していた時期があり、その時(だいぶ昔?)に読んでいたので久々の再読でした。
初読から年齢を重ね、また村上春樹作品を読んだら感じることが変わるかなと少し期待して本を手に取ってみました。
結果、読了後なんとも言えない静かな余韻が残りました。
特に感じたのが、村上作品によくある、結果「読者に想像の余地を残す部分」が多用されているのに対し、モヤモヤ感よりも想像する楽しみに少し変わったかなと。
この作品は「なぜ自分は切り離されたのか」という問いを抱え続ける主人公の喪失から再生の物語となっています。
大学時代、理由も告げられないまま親しかった友人グループから突然関係を断絶され主人公の多崎たつくるくん。
その出来事は彼を大いに傷つけ、大人になってからも拭いきれない違和感として残り続けることになります。
物語は、過去と向き合うために彼が一歩踏み出すところから動き始めます。
失われた関係の理由を知ろうとする旅(巡礼)は、単なる事実確認ではなく、自分自身を見つめ直す時間として進んでいきます。
主人公つくるくんを通して「人とのつながりがどれほど繊細で、人生に大きな影響を与える」ということを改めてしっかり教えてもらいました。
そして、「色彩を持たない」という表現で「個性や役割を見失った」状態でもどう受け入れていくかを問いかけられます。
派手な展開はありませんが、淡々とした語りの中に深い感情が流れており、それが読み終わった後の静かな余韻となっていたようです。
村上作品には、「刺さる名言」が散りばめられてますが、今回刺さったのは
「限定された目的は人生を簡潔にする」
そうかも!
カティーサークが飲みたくなる一冊でした。


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