エレベーターは5階までしか行かない。シンガポールの隠れ家すぎる火鍋屋の話
シンガポールのチャイナタウン、アウトラムパーク駅からすぐ。People's Park Complexという古いビルの6階に、知らないとまずたどり着けない火鍋屋があります。
何が厄介かというと、エレベーターが5階までしか上がらないことです。
5階で降りて、階段を1フロア分のぼる。すると、いきなり視界が開けます。建物の内側ではなく、半分屋外のような吹き抜け空間。飲食店街でも何でもなく、コンクリートの床と壁がむき出しの、はっきり言って殺風景な場所です。「本当にこの先に店があるのか」と不安になったあたりで、木の看板を掲げた店が一軒だけ見えてきます。周りに他の店はありません。
ただ、この殺風景さにはご褒美もあります。視界を遮るものがないので、屋上の駐車場越しにCBDの高層ビル群が見えるのです。訪れたのは8月上旬、ナショナルデー前だったので、通りには国旗がずらりと並んでいました。ビルの中の火鍋屋なのに、夕方の空を見ながら店に入る。この導入からすでに面白い。
店名は「山渝宗天台重庆市井火锅」。天台は中国語で屋上のことで、立地そのものが名前になっています。Googleマップでは「Tiantai Hotpot」と表示されます。
味は本格派でした。麻辣ときのこの二色鍋にしたのですが、麻辣のほうは赤い油の表面に花椒がびっしり。まず舌がしびれて、あとから辛さと酸味が追いかけてくる、重慶火鍋らしい味です。ただ、シンガポールの辛さの基準からすると、これはかなりマシなほう。サンバル系に慣れている方なら余裕だと思います。
そして今回いちばんの収穫が、タレの配合です。台湾人の同僚に教えてもらったのは、酢を多め、醤油も多め、オイスターソースを少々、ごま油を少々、というもの。
ポイントは、酸味を軸にして油分を控えることです。火鍋のスープはどうしても油が多いので、そのまま食べ続けると途中で重くなります。ところがこのタレにくぐらせると、タレが油を洗い落としてくれる。さっぱりするだけでなく、食べたあとの胃もたれがまるで違いました。「ごま油+ニンニクをたっぷり」の逆をいく配合ですが、これは覚えておいて損がないと思います。
値段も、Googleマップの価格帯で2人あたりS$100ほど。都心のど真ん中でこの内容なら、かなり健闘しているほうです。
詳しくはこちらのブログ記事をご覧ください👉 https://nagahara-law.com/2026/08/04/hidden-hotpot-peoples-park-complex/
