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十数年ぶりにタイのシラチャで説教を聞きながら食べた焼肉はすんげー美味かった!

申し訳ありませんが食レポではありません。単なる雑談です。


タイで初めて焼肉を食べたのは、タイに工場を建設して間もない頃だった。
私は出張で年に4~5回の頻度で訪れるくらいだし、基本的にタイ料理大好きだったので日本食はあまり食べなかった。
そもそも当時のシラチャの日本食ってどこも美味しくなかった。しかも高いと来たもんだ。

しかし当時の駐在員はタイ料理好きなんて人間はほとんどいなくて、飲みに行こうかなどの話になると決まって日本風の居酒屋だった。

そんなある日。
「そう言えば焼肉店がオープンしたみたいよ」
「マジで?そりゃいいや。焼肉なんてしばらく食べてないわ」
「行ってみようぜ!」
ということで特に反対意見もなく行くことになった。

もはや記憶はおぼろげなのだが、場所は確かSoi5だったと思う。
薄暗い照明がどこか物悲しく感じたのを覚えている。

値段はやはり少しお高め。それでも皆、怯むこと無くカルビやらロースやらハラミやらモツやら、そんなに食べれんのか?ってくらいに注文した。
期待値は高まっていくばかりだった。

肉がやってきた。ほとんど会話もなくめいめいに焼き始め、口にする。

「おおー!うめえ!」
「普通にうめえ!」
「マジうめえ!」

皆、そのあまりの美味しさに涙を流さんばかりに感激していた。
その様子を眺めていたら不覚にも落涙しそうになった。

かわいそうに…。
こんな薄っぺらで紙切れみたいな肉を美味しいだなんて。
薄い硬い筋っぽい。一体この焼肉のどこが美味しいのだ。
タイに駐在するということは、こんなにも残酷に味覚が衰えてしまうものなのか。

その時、もうシラチャでは焼肉は食べないと心に誓った。

そんな私が今回、焼肉を食べに行くことになった。
いつもシラチャに行くと安くて美味しいタイレストランを案内してもらう、十年来のタイのお友達がいるのだが、彼女が「焼肉を食べたい」と言い出した。
最初はムーカタのことかと思ったが、そうではなく自身は日本料理が好きなのだが私の希望がいつもタイ料理だったのでなかなか言えなかったらしい。

そういうことならと了承した。長い付き合いだし。
場所はここ。に連れて行かれた。


たぶんチェーン店なんだろう、知らんけど

店構えは普通。なぜか隣には「焼肉虎」が。たしかSoi5にもあったよな?
シラチャってこんな感じで商売敵が近くにあるロケーションをよく見かける気がする。
一時、アタラモールの向かい側にコンビニがすぐ近くにあったりした。しかも同じセブンイレブンが。さすがに共存できずに片方はドラッグストアになってしまったが。

店内には私たちの他には一組の客しかいない。美味しいんだろうか?

お友達のお姉さんは嬉しそうにテキパキとオーダーをする。タイ料理だといつも食べきれないほど頼んで残ったのはテイクアウトするのだが、さすがに焼肉のテイクアウトはしないと見えて控えめなオーダーだった。

生ビールのジョッキはキンキンに冷えていて美味しい

肉が来た。以前食べた肉は凍っていたが、そんなことはなくしかも厚い。

タン塩

美味しかった。普通に美味しいというのはこういうことだとかつての同僚に教えてあげたかった。
以前と違って焼肉店が増えていることは気づいていたが、どこもこのクオリティなら生き残っていても不思議じゃない。

「だからね、それはおかしいと思うの!」

何やらもう一組の客の会話が白熱していた。
見るとけっこうな年配の日本人男性が二人向かい合って座っている。
片方の男性の隣には40代くらいのタイ人女性。

「そんなさ、毎月〇〇ちゃんが田舎にお金送るなんておかしいよ」
「私は家族だいじだからあたりまえ!」
「そんなのさ日本じゃありえないよ、あなたがそんな家族の面倒見るってさ、普通じゃないよ、それはちょっと考えないとさ」
「わたしは日本人じゃない!」

うわ、そのネタで説教する人いるんだ。タイに来たばかりなのかな?
つい箸が止まってしまった。

「じゃあさ、◯◯ちゃんの彼氏はさ、なんで仕事しないわけなの?」
「いなかじゃ仕事ないよ!」
「それでさ困ったときには◯◯に助けてもらってんでしょ?おかしいでしょ、あなたそんなことしてたらね」

タイ人女性はかなり怒ってるのか答えずに席を立ってしまった。

「タム アライ?」
箸を止めてうっすら笑ってる私を見て不思議に思ったらしい。
簡単にまとめて説明すると
「あの人にかんけいないね」
「そうだな」

聞いていても1バーツの得にもならないので焼肉再開。
かなりお腹いっぱいになり、最後に石焼ビビンバが来たときには注文したことを後悔した。根が貧乏性なので結局食べたけど。

美味しかった。以前食べた焼肉とは隔世の感がある。
気になるお値段は端数切り捨てで2700THB。
美味しかったので妥当な金額であろうと思いたい。

いつの間にかタイ人女性は席に戻っていて、説教も諦めたのか普通に会話しているお爺さまたちを横目に店を出た。
また来てみたいと一瞬思ったが、きっと私はタイ料理を選ぶと思う。