2026年度(令和8年度)広島大学入試 国語第3問(漢文)【解答・解説】
※この解答は、大学公表、河合塾の解答を参考に作成しています。
※ヘッダーの画像はChatGPTにより作成されました。
解答
問1
a、すでに
b、ついに【つひに】
c、けだし
d、ひそかに
e、ついに【つひに】
問2
A
(書き下し文)復た尋ぬべからず
(日本語)二度と妻を探し出すことはできなかった
B
(書き下し文)尚ほ敢へて銭を言はんや
(日本語)その上どうして金銭のことを言うだろうか、いや決して言わない
問3
出されたスッポンが、行方不明である妻が作ってくれたように、旨い肉の部分を用い、黒い皮をすべて取り、肉を真四角に切ったものであったために、妻のことを思い出したから。
問4
ウ
問5
ア
問6
b→g→a→f→e→c→d
問7
宰は、側室が王従事の妻だと知ると、こっそりと会わせ、身元を調べなかったことを自分の過失とし、金銭を受け取らなかったこと。(60字以内)
解説
問2ーA

Aは、この2つの句形を組み合わせた形となる。

「可」〈べし〉は、古文の助動詞と同様、終止形に接続する。
したがって、「尋」〈たづヌ〉は終止形にする。
「尋」は「探す」という意味として日本語にする。
【解答】
(書き下し文)復た尋ぬべからず
(日本語)二度とは妻を探し出すことはできなかった
問2ーB
・「尚」:その上、さらに
・「敢」:~しようとする、(疑問の場合)どうして
※「不敢」は「決して~しない」となる。
「乎」があるので疑問・反語・詠嘆が頭に浮かぶかもしれない。
今回は、文脈上、反語とした(問5を解くと分かりやすいかも)。
したがって、書き下し文の文末は「~んや」となる。
反語の場合、「いや~」の後は否定文となるため、模範解答では「不敢」のような訳し方をしている。
【解答】
(書き下し文)尚ほ敢へて銭を言はんや
(日本語)その上どうして金銭のことを言うだろうか、いや決して言わない
問3
傍線部①の様子を見た「宰」が、「問故」(=理由を問う)ている。
したがって、その後の括弧内が解答となる。

括弧内の内容をまとめると、上のようになる。
したがって、解答は次の要素がほしい。
①出されたスッポン料理が、妻の作ってくれていたものに似ていた
②(似ていた点)
・旨い肉を用いている
・黒い皮をすべて取り除いている
・肉は四方にきれいに切られている
③(①だったから)妻のことを思い出した
【解答】
出されたスッポンが、行方不明である妻が作ってくれたように、旨い肉の部分を用い、黒い皮をすべて取り、肉を真四角に切ったものであったために、妻のことを思い出したから。
問4
問3の「王従事」の発言の後、「宰」がどのような行動をとったかを整理する。
「宰亦~入宅」
(着替えるといって中に入る)
↓
「(宰)既出、即罷酒」
(出てきて、酒を飲むのを止める)
↓
傍線部②の発言
↓
「客皆去」
(出席者が全員退出する)
↓
「宰~喚一婦人出、乃其妻也」
(「王従事」の前に「一婦人」=妻が現れる)
以上の流れをふまえると、傍線部②の発言をしたのは、
「客皆去」ためであり、
「一婦人」つまり「妻」を「王従事」に会わせるためである。
【解答】 ウ
問5
・「~んを願ふ」は、「願はくは~ん」と同じ:「どうか~させてください」
・「償」:「代償」「賠償」など、自分が支払うときに使う語
・「直」=「値」
→「元直」=「元値」、「姦人」が「宰」に売ったときの「三十万」を指すと思われる
「宰」が「銭三十万」を払って側室にしていたのである。
元々、「王従事」の妻であったとはいえ、自分の元に返ってくるならば、
その「銭三十万」は「宰」に払うべきだと考え、傍線部③のような発言をしているのである。
なお、傍線部Bの発言は、この申し出を断るものである。
【解答】 ア
問7
「宰之賢」とあることから、「宰」の行動の内、どのような点が「賢」たるか、善行であるかを考える。
①問4に見られる行動
・「客皆去」らせ、
・「王従事」と「妻」を会わせる
②傍線部Bの発言
③(②の理由):
傍線部Bの一文前「不能審詳、其過大也」(つまびらかに詳しく調べなかった、その過失は大きい)
以上の内容をできる限り含めて、解答を作成する。
【解答】
宰は、側室が王従事の妻だと知ると、こっそりと会わせ、身元を調べなかったことを自分の過失とし、金銭を受け取らなかったこと。(60字以内)
補足
・問1・2のように、よく問われる読み、句形を覚えておくのは重要です。
・例えば、「償」(問5)や「審」(問7)を用いた熟語、その熟語での意味(≒漢字の意味)が分かると、より読みやすくなります。
→漢文は漢字の勉強もふまえていると思って、読んでみるようにしましょう
最後に
この解答は、
・都市部の私立高校ほど教育機会が充実していない人
・なかなか詳しい解説を聞ける環境にない人
の力になれるよう、作成し公開することにしました。
・都市部かそうでないか
・私立か公立か
・進学校としてのレベル
など、環境面での差で、進路の可能性を狭めてほしくないという思いもあります。
ですので、自分が可能な限りでこれからも貢献できる形を探り、実践していきたいと思っています。
