じゃじゃ馬のビストロと格闘す
石窯ドームちゃんはとってもおとなしい子だったらしい。
彼女の特性は、
予熱より低めの温度で『お、おわりましたよー』と言い、放置していると庫内温度はどんどん下がる。つまり、予熱が終わった瞬間の温度こそが最高温度であり、維持すらしてくれないわけだ。
なのでわたしはいつも焼成温度より30度高く設定をして、『あとは生地を入れるだけ』という状態に。その後で予熱開始のボタンを押したものだ。
基本的には、『低め低め』という低空飛行の子。
たいして、ビストロは『終わったわよ』のあとにぐぅーんと庫内温度が上昇。180度で設定していてもすぐ210度付近にいきたがる。
『ちょっと待ってよ!』
と慌ててオーブンの前に張り付き、設定温度を弄る。
こうかな、ああかなと弄りつつ動向を監視。ハイテンションな子のようでぱっと目を離した隙に20度ほど庫内温度が上がる。
なんて暴れん坊なんだろうと苦笑した。
オーブンお迎え序盤は癖を把握しなければいけない。癖があると知ってはいたが、こうも違うとは。
あまりに勝手が違うので、焼き終わった頃にはへとへとになっていた。

そんなこんなで出来上がったのがこちら。
フランボワーズとカシス、ローズ香るパウンドケーキ。
女子力満点のケーキにしてみた。華やかな香りに満ちている。
ちょっと強気な女の子っていうイメージかしら。
少々、暴れた痕跡というのはある。序盤の焼成温度がやや高く、焼き色は気持ちしっかりめに出た。でも、美味しく出来てほっ。
疲れ果てた体にしみわたる甘さ。

酸味強めのカシス&フランボワーズ。カシスもフランボワーズも天然の甘みのみなのでキュッとした酸味のほうが主張してくる。
甘くてしっとりしたパウンド生地との相性は抜群だ。
うっすらかけたホワイトチョコも良いアクセントになっている。
チョコのかかった部分を最後のひとかけにするか、迷いつつ食べ進める。
最後はやっぱり甘いまま終わるかと、一番コーティングの多い一口をたべてごちそうさま。間髪いれずに紅茶を口に含むと素晴らしいマリアージュ。おいし。

ビストロ子は乗りこなすのにすこし、時間を要しそう。だけれど必ずや制御してみませう。10年は良き相棒として働いてもらわなきゃ。
さて、今週末は何を作るかな。
