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レシートに、税務デザインをみる。

■ベトナム財務省は、『税務白書』を初発行。
・最新のニュース、「ベトナム財務省は、『税務白書』を初発行、デジタル化推進で税収管理の効率化の実現を目指す」。
・財政省は「5月12日、ベトナムの税制の全体像や2021~2025年期の税収の結果、2030年までの改革の方向性をまとめた『ベトナム税務白書』を初めて発行した」。同白書では「従来の管理モデルからデータやリスク分析に基づく管理へと大きく移行していることが強調されている」。
・また「直接税、間接税、特定税を含む現行のベトナム税制を包括的に概説している。税制は国家予算の財源を確保し、マクロ経済を調整する重要な金融ツールと位置付けられている」。

■税務機関が管理する税収総額。
・2021~2025年期において「税務機関が管理する税収総額は約59兆円に達し、国会の目標を約20%上回った。このうち、国内収入は約51兆円で、国家予算歳入総額の86.4%を占めている」。また「税務機関がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、納税者管理や査察、取引監視においてビッグデータを活用していることを評価している」。
・2025年の税務調査および査察の件数は「2021年に比べて減少したものの、リスクデータ管理の適用により処理効率が大幅に向上し、調査・査察を通じた税収は2021年比で2倍以上に増加した」。
・2030年に向けて「税務分野では、制度整備、行政手続きの簡素化・DX、納税者を中心としたサービス提供、データに基づく税務管理の質の向上という4つの重点分野に注力する」。また「2026年の税収目標は約15兆6000億円に設定されており、税務機関は今後も電子商取引(eコマース=EC)や越境取引などへの課税基盤の拡大を継続していく方針だ」。

■税収から読み解くベトナム経済10年の実り。
・余談、ベトナム財務省による初の『税務白書』発行、日本語訳があるならば私は是非この白書に触れて、ベトナムの税務を深く読んでみたいものだ。そんな税収からベトナム経済の10年の実りを整理してみる。
【税収から読み解くベトナム経済10年の実り】
過去10年の税収推移を、法的・経済的背景と共に三つのフェーズで紐解いていく。
 -2014年〜2018年/成長の基盤構築期:
 GDP成長率6%超を背景に、税収も堅調に推移。通達78号により、CIT(法人所得税)の優遇税制が具体化。外資を呼び込むための免税・減税措置が「アメ」として機能し、製造業を中心とした直接投資(FDI)が税基盤を押し上げた。外資への門戸を広げつつ、徴税システムを整え始めた、いわゆる「国家予算の種まき」の時代。
 -2019年〜2023年/管理の近代化とパンデミックの試練:
 混乱期にありながら、目標比20%増の驚異的な達成。税務管理法38号の施行。電子請求書の義務化により、ブラックボックスだった取引が可視化された。効率的な管理が「漏れ」を防ぎ、DXが単なる効率化ではなく「税収増」の直接的なツールとなった。
 -2024年〜現在/グローバル基準への同調と深化:
 2026年税収目標は約15兆6000億円。ECや越境取引への課税強化。デジタル経済の拡大に伴い、従来の拠点ベースの課税から、データ・リスク分析に基づく「ピンポイント査察」へ移行。
・国内完結型ビジネスと、グローバル輸出型ビジネスでは、見るべき景色が全く異なり、グローバル企業にとって「税務デザイン」の組立ては必須だろう。たとえば、ベトナムで製造し他国へ輸出する企業(EPE/輸出加工企業)にとって、関税やVATの還付はキャッシュフローの生命線となり、また、投資法や輸出入関税法に基づき、保税措置やVAT0%維持には、厳格な在庫管理と法令遵守が求められる。
・この白書は、単に過去の数字をまとめた報告書ではない。ベトナム政府が世界中の企業や投資家に対し、『我が国はもう、ルールが不透明で予測できない古い体制ではない。デジタル化を極めた、クリーンで公明正大な先進的税務国家に生まれ変わったのだ』と、自信を持って突きつけた強烈なメッセージ(宣言)である、と私は捉えている。
・こうした背景を鑑みると、『税務白書』はベトナム税務のガイドラインという役割以上に、グローバル化が待ったなしの状態で加速している現実と、優良な外資を戦略的に呼び込むための「高度な手引書」としての証左なのだーーーこの国の税務デザイン、その景色は留まることを知らずに、ベトナムは変化をし続ける。私は仲間とのコーヒー代を支払い、レシートの消費税を確認した。その移り変わりを肌身に感じながら。

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