アドバンテージは戻せる|現役2級審判の判定ノート
先日、Instagramでこんなショート動画を投稿しました。 「アドバンテージ、戻せるタイミング知ってる?」
短い動画では言いきれなかった、公式の判断要素・カード処置・他条文への応用について、この記事で深掘りします。
サッカー審判のリョウスケです。審判2級・指導者C級として、現場でアドバンテージ運用を何度も経験してきました。
現場でよくある2つのシーン
審判をしていると、こんな場面によく遭遇します。
シーン① ファウルを受けた攻撃側選手が体勢を崩しながらもボールを前に運び、味方に繋がってシュートまで至った。
シーン② 同じくファウルを受けた選手がボールを前に運ぼうとしたが、すぐにDFに絡まれてボールを失った。
①は流して継続、②は戻して笛を吹く。ここまでは、多くの審判が分かっています。
でも、本当に難しいのはここからです。
例えば、こんな場面に出会ったとき、あなたは正しく判定できますか?
流した直後、カード対象選手の番号を忘れた
「プレーオン!」と叫んだが、実はファウルがない場面だった
SPAを流したが、警告を出すべきか迷った
クイックFKをインターセプトされ「やり直しだろ!」とベンチからクレーム
試合終盤、選手に「続けて!」と何度も声をかけている自分に気づいた
これ、全部「アドバンテージ運用の落とし穴」です。
このジャッジを間違えると、試合は荒れます。
出すべきカードを出し忘れ、試合のコントロールを失う
本来流すべきでない反則を流して、選手の安全を脅かす
条文を知らずに「やり直し」を命じ、攻撃側を不利にする
「あの審判、流すか吹くかも怪しい」と信頼を失う
アドバンテージは「流すか吹くか」の二択ではありません。競技規則には、判断要素・カード処置・他条文への適用まで体系的に明記されています。
この記事では、それを現場目線で整理します。
結論を先に
アドバンテージは「流したら終わり」ではない。 公式の判断要素は「秒数」ではなく「4つの考慮事項」。 DOGSOでは退場が警告に格下げされ、SPAでは警告すら不要になる。 さらに、アドバンテージは第12条のファウル以外でもクイックFKや人数不足の場面で適用される、競技規則を貫く考え方。
ここから先は
¥ 1,480
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
