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重陽の節句の話

今日は9月9日。

重陽の節句である。

……

いきなり何の話だ?

と思った方。

安心してください。

私も数年前まで、

「重陽って誰?」

くらいの感じだった。

人の名前だと思っていた。

「重陽さん、今日休み?」

みたいな。

違う。

ちゃんと日本の伝統行事である。

しかも「五節句」の一つ。

人日の節句。

桃の節句。

端午の節句。

七夕。

そして重陽。

こうやって並べると、急に格式が高い。

ただ私は、この「重陽」だけ、最近まで完全に知らなかった。



節句を少し大切にするようになった


私は数年前から、節句を少し意識するようになった。

それまでは、

3月3日。

「ひな祭りか」

5月5日。

「こどもの日か」

7月7日。

「七夕か」

以上。

終了。

特に何かをするわけでもない。

毎日を、

起きる。

仕事する。

帰る。

寝る。

そしてまた起きる。

そんな感じで過ごしていた。

ところが40代になってから、

時間が異常に速い。

「今年も早いなぁ」

なんて言っている間に、

春が終わる。

夏が来る。

夏が終わる。

そして、

「え?もう9月?」

となる。

時間の流れが、完全に高速道路である。

だから私は、節句を少し意識するようになった。

季節の変わり目に、

「今日はこういう日なんだな」

と、一度立ち止まる。

これだけでも、なんだかいい。



そもそも節句って何?


節句とは、季節の節目を祝う日。

「節」は季節の変わり目。

つまり、

「はい、ここで一回止まりましょう」

という日だ。

これ、現代人には結構必要なんじゃないだろうか。

仕事。

家事。

スマホ。

メール。

LINE。

通知。

また通知。

通知を消したら、別の通知。

現代人、忙しすぎる。

昔の人は、

「季節が変わったから、ちょっと立ち止まろう」

と、ちゃんと区切りを作っていた。

昔の人、すごい。

私はというと、

「疲れたなぁ」

と思いながら、

とりあえず筋トレしている。

休め。



9月9日は「陽」が重なる


そして重陽の節句。

9月9日。

奇数は「陽」の数字とされ、その中でも一番大きな「9」が重なる。

だから、

重陽。

9と9。

陽と陽。

なんだか縁起がいい。

しかも重陽の節句では、昔から菊が使われてきた。

菊は長寿の象徴。

無病息災や長寿を願う日でもある。

40代になってくると、この話が急に他人事ではなくなる。

若い頃なら、

「長寿ねぇ」

くらいだった。

今は、

「健康でお願いします」

と、かなり真剣である。

走りたい。

筋トレしたい。

元気に動きたい。

家族にも元気でいてほしい。

そう考えると、重陽の節句って結構いい日じゃないかと思う。



そして私は、菊酒に挑む


重陽の節句には、菊の花を浮かべた「菊酒」をいただく風習がある。

ここで一つ、重大な問題がある。

私は……

お酒を飲む習慣がない。

普段は飲まない。

家でもほとんど飲まない。

「今日は仕事終わりに一杯!」

みたいな生活とは無縁である。

そんな私が、

「重陽の節句なので、今日は菊酒をいただきます」

と言い出す。

自分でも思う。

誰だ、お前。

昨日まで飲んでなかったじゃないか。

ところが、こういうのが私は好きなのだ。

せっかくの日本の行事。

普段やらないことだからこそ、

その日だけ特別にやってみる。

これも節句の楽しみ方なんじゃないかと思う。



たぶん人生で一番、理由のある一杯


普段なら、お酒を飲む理由がない。

でも今日は違う。

9月9日。

重陽の節句。

菊を浮かべる。

家族の健康を願う。

長寿を願う。

そして、

普段飲まない私が飲む。

もう完璧である。

これなら堂々と飲める。

「お酒飲みたいから買ってきた」

ではない。

「重陽の節句の文化を体験しております」

である。

言い方を変えるだけで、

急に文化人。

ただし、妻から、

「結局、お酒飲んでるだけじゃない?」

と言われたら、

何も言い返せない。


一杯だけの特別


私にとって大切なのは、

毎年必ずやらなければならない、

ということではない。

今年やってみる。

来年は違うことをする。

それでもいいと思う。

季節を感じる。

昔から続いている文化を知る。

家族の健康を願う。

普段やらないことを、少しだけやってみる。

それだけで、9月9日が、

ただの9月9日ではなくなる。

毎日同じように過ぎていくからこそ、

自分で「今日は特別」と決める。

それって、なかなかいいことなんじゃないだろうか。



昔の人からの贈り物


昔の人は、季節の変化を今よりずっと身近に感じていた。

花が咲く。

風が変わる。

月がきれいになる。

食べ物が変わる。

そして、

「そろそろ季節が変わるな」

と感じる。

一方、現代の私は、

「今日は暑いな」

と言いながら、

エアコンの温度を下げる。

季節を感じる前に、

「20℃!」

である。

便利になった。

でも、その分、季節を感じる機会が減ったのかもしれない。

だからこそ、節句くらいは少し立ち止まってみる。

菊を眺める。

旬のものを食べる。

家族の健康を願う。

そして私は……

普段飲まないお酒を、一杯だけいただく。

これもまた、季節の楽しみ方だ。



9月9日を、ただの9月9日にしない


重陽の節句だからといって、

何か大きなことをする必要はない。

ほんの少し季節を感じる。

ほんの少し立ち止まる。

ほんの少し感謝する。

それで十分だと思う。

そして今年の私は、

菊酒を一杯だけ。

普段お酒を飲まない私にとっては、それだけでも十分に特別なイベントである。

ただし……

一杯飲んだだけで、

「今日は重陽の節句だからなぁ」

と、急に日本文化を語り始めたら、

妻にはそっとしておいてもらいたい。

たぶん私は、

一杯でかなり気分が良くなる。

そして翌朝5時。

いつも通り走る。

ここまでセットである。

季節を楽しむ。

伝統を楽しむ。

そして、健康でいられることに感謝する。

そんな一日も、悪くない。

ということで今日は9月9日。

重陽の節句。

普段お酒を飲まない私が、

この日だけは特別に菊酒をいただこうと思う。

さて……

菊酒を飲んだ翌朝、ちゃんと3時半に起きられるのか。

そこだけが、現在の最大の問題である。

今日はそんな話。

今日も皆さんが健康で過ごせますように♪
いってらっしゃい♪

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