29 比べてしまう
同じ年のお友達と遊ぶと、息子の言葉の少なさがよく分かるようになった。
一緒に遊んでいるようで、どこか違うような感覚があった。
体の動きなのか、関わり方なのか、うまく言えない違和感だった。
コミュニケーションが取れているのか、取れていないのかもよく分からなかった。
それでも、本人は楽しそうに遊んでいて、刺激になっているのは分かった。
ただ、その分不安も増えていった。
言葉が少ないことをママ友に相談すると、「そのうち一気に話すよ」と言われた。
そうだといいなと思った。
どうしたら言葉が増えるのかばかりを考えていた。
療育やプレに通うようになってから、少しずつ「周りの子」が見えるようになった。
同じ年齢の子たちは、言葉がはっきりしていたり、先生の話を座って聞いていたりする。
できることが違う。
そう思うと、どうしても比べてしまった。
うちの子はまだ落ち着きがない。
じっと座っていることも難しい。
頭では「比べても仕方ない」と分かっているのに、心が追いつかない。
帰ってからも、そのことばかり考えてしまう。
あの子はできていたのに。
どうしてうちはできないんだろう。
そんな思いがぐるぐるして、気持ちが沈んでいった。
比べたくないのに、比べてしまう。
そしてそのたびに、自分がどんどん苦しくなっていく。
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