93 小さな出来事にも不安になってた頃
しばらくして、先生が途中まで送ってくれていた下校が終わり、子どもたちだけで帰るようになった。
息子も、仲の良い友達と一緒に帰ってくるようになり、少しずつ“自分たちだけで帰る”という流れにも慣れていっているようだった。
ランドセルを揺らしながら友達と話して帰ってくる姿を見ると、「ちゃんと学校生活ができているんだな」と少し安心する気持ちもあった。
そんなある日、息子が、
「今日、別のクラスの子に追いかけられて、友達と走って帰ってきた」
と話した。
その瞬間、一気に不安になった。
もしかして、支援級だから何か言われたんじゃないか。
からかわれたんじゃないか。
そんな考えが頭をよぎった。
小学校生活が始まってから、私は以前よりずっと、こういうことに敏感になっていた。
少しずつ学校に慣れてきたように見えていても、どこかでずっと不安を抱えていたのだと思う。
ただ、実際には詳しい状況は分からなかった。
子ども同士のふざけ合いだったのかもしれないし、ただ走って遊んでいただけだった可能性もある。
息子もそこまで深刻そうに話しているわけではなかった。
それでも、こういう小さな出来事ひとつで、いろいろ考えてしまう自分がいた。
学校生活の中で、息子が傷つくことはないだろうか。
嫌な思いをしていないだろうか。
周りとうまくやれているだろうか。
そんな不安が、常にどこかにあった。
あの頃は、何気ない一言や出来事にも、必要以上に心が揺れてしまう時期だった。
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