80 年長さんになって感じ始めたこと
療育センターを休みたいと言った
加配も療育も変わらず続いていて、幼稚園は週4日、療育センターは週1日という通い方をそのまま続けていた。
年長さんになっても、その生活リズムは大きく変わることなく、日々が淡々と積み重なっていった。
幼稚園にも慣れ、行事や日々の活動にも自然に参加できる場面が増えていた頃だった。
ある日、息子が「療育センターを休んで、その日に幼稚園に行きたい」と言い出した。
どうしてそう思ったのか聞いてみると、クラスの子に「なんでお休みしてるの?」と聞かれたことが気になっていたようだった。
自分の中でうまく説明できなかったことが、少し引っかかっていたのかもしれない。
年長さんになり、周りとの違いや、自分だけ予定が違うことにも少しずつ気づき始めていたように感じた。
療育センターは、行きたくない週は休むこともできる場所だった。
ただ、幼稚園は週4日通うことが前提で決まっており、加配もその日数に合わせてつくため、療育を休んだからといって幼稚園の日数を増やすことはできなかった。
そのことをできるだけ分かりやすく伝えると、息子は少しだけ黙り込み、寂しそうな表情を浮かべたあと、「わかった」と小さくうなずいた。
無理に駄々をこねるわけでもなく、静かに受け入れようとしている姿が、逆に切なく見えた。
その頃には、息子の中でも「みんなと同じ」という感覚が少しずつ強くなってきていたのかもしれない。
周りと違う予定で動いていることや、自分だけ休む日があることを、なんとなく気にするようになっていたようにも感じた。
もちろん、療育センターに通っていた時間が無駄だったとは思っていない。
実際に支えられてきたこともたくさんあった。
集団の中で過ごすことや、気持ちの切り替え、人との関わり方。
少しずつ積み重ねてこられたのは、療育センターで過ごした時間があったからこそだと思っている。
それでも、そのときの私は、「できるなら幼稚園だけ行かせてあげたい」と思っていた。
周りと同じように通わせてあげたい。
息子の寂しそうな表情を見ながら、そんなことを考えていた。
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