88 下校
帰りは、先生が途中まで子どもたちを連れてきてくれて、保護者は決められた場所まで迎えに行く形だった。
最初の頃は、「ちゃんと歩いて帰ってこられるかな」と心配していたけれど、毎日迎えに行くうちに、少しずつその流れにも慣れていった。
私は、息子が幼稚園の頃から仲良くしていたお友達のママさんと一緒に迎えに行くことが多く、そのまま子どもたちも一緒に帰るようになっていった。
ランドセルを揺らしながら、今日学校であったことを話したり、ふざけ合ったりして歩く姿は、とても楽しそうだった。
「〇〇公園ね」
「何時にする?」
そんなふうに自然に約束をしている姿を見るたびに、ちゃんと学校の中で関係が続いているんだと感じていた。
家に帰ると、おやつを持ってまた公園へ向かう。
公園では、おやつを交換したり、自転車に乗ったり、走り回ったりしながら遊んでいた。
幼稚園の頃と変わらない部分もありながら、少しずつ“小学生の遊び方”になっていっているようにも見えた。
最初は、不安ばかりだった。
学校生活についていけるのか。
友達はできるのか。
考え始めると、不安は尽きなかった。
毎日順調なわけではない。
落ち着かずうまくいかない日もある。
それでも、学校へ行って、友達と笑って、公園で遊ぶ。
そんな普通の日常が少しずつ増えていくことが、当時の私にはとても大きなことだった。
入学したばかりの頃は、先のことなんて何も見えなかった。
それでもあの頃、少しずつ息子なりの“小学校生活”ができ始めていたのかもしれない。
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