66 少しずつ、言葉と日常がつながってきた
前より、話ができるようになってきた。
プレから帰ってきた息子に「楽しかった?何したの?」と聞くと、「楽しかった」「お絵かきした」と教えてくれるようになった。
前は何をしてきたのか、想像するしかなかった。
うまく聞き出せなくて、「今日はどんなふうに過ごしていたんだろう」と考えることも多かった。
それが今は、短い言葉でもちゃんと返ってくる。
ほんの一言なのに、それだけで今日の様子が少し見える気がして、うれしくなる。
ちゃんとやりとりになっているように感じる瞬間が増えてきた。
それでも、全部がスムーズに伝わるわけではない。
うまく聞き取れなかったり、何を言いたいのか分からなかったりすることもある。
聞き返しても、うまく伝わらずに終わってしまう時もある。
もう少しで届きそうなのに、届かない。
そんなもどかしさを感じることもある。
それでも、前より確実に変わってきているのは分かる。
伝わることが増えてきた分、うれしいと思う瞬間も増えた。
気づけば、できることも増えてきた。
近所の人に挨拶をしたり、一緒に買い物をしたり。
スーパーでは小さなカゴを持って、私の隣を歩いている。
「お菓子は一つね」と言うと、自分で選んで持ってくる。
少し前までは難しかったことが、いつの間にか自然にできるようになっていた。
もちろん、うまくいかない日もある。
思い通りにできなくて怒ってしまったり、途中で嫌になってしまうこともある。
それでも、やめてしまうことはなくて、何度もやろうとしている。
できる日とできない日を行ったり来たりしながら、それでも少しずつ積み重なっている。
できなかったことが、いつの間にかできるようになっている。
その変化に気づくのは、いつも少し後になってからだ。
できないことばかりに目がいってしまう日もあるけれど、本当はちゃんと前に進んでいる。
その小さな変化を、これからもちゃんと見ていきたいと思った。
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