経験しただけでは「経験値」にならない。仕事ができる人は「記憶」より「記録」を信じている
仕事が終わった瞬間、
すぐに、
次の仕事へ向かっていないだろうか。
プレゼンが終わる。
「よし、次」
商談が終わる。
「メール返さないと」
会議が終わる。
「次の打ち合わせだ」
昔の私もそうだった。
でも、これでは少しもったいない。
なぜなら、仕事が終わった直後には「次の自分を助けるヒント」が大量に落ちているからだ。
長く仕事をしてきて思う。
成長する人は、経験が多い人とは限らない。
経験から何を残したかが多い人だ。
そのために役立ったのが、「記録する習慣」だった。
仕事の直後には「答え」が落ちている
プレゼンが終わった直後。
「あの説明、少し長かったな」
「3枚目の資料で反応が変わった」
交渉の後。
「最初に条件を出さない方がよかった」
「相手が言った○○という言葉は使えそうだ」
電話を切った後。
「先に結論を言った方が伝わった」
社内会議の後。
「あの質問を先にしておけば、10分短くできた」
こうした気づきは、一日に何度も生まれる。
ところが記録しないと、ほとんど消えていく。
「これは覚えておこう」
と思った瞬間は、本当に覚えていられる気がする。
翌朝には、
「昨日、何か大事なことに気づいた気がする」
になっている。
自分の記憶力への信頼が強すぎる。
パーフェクトな仕事なんてない
どれだけ経験を積んでも、
「完璧だった」
という仕事はほとんどない。
うまくいったプレゼンにも改善点はある。
失敗した商談にも、うまくできた部分はある。
だから仕事が終わったら、
できるだけ小さく記録する。
「もっとこうしておけば」
「次はこうしよう」
「相手の言った○○がよかった」
長い反省文はいらない。
スマホでもいい。
手帳でもいい。
ノートでもいい。
一行で十分だ。
大切なのは、美しくまとめることではなく、
気づきが消える前に捕まえることだ。
記録すると「経験」が資産になる
同じ1年間働いていても、成長の差は生まれる。
Aさんは100回仕事をして、100回「終わった」で次へ進む。
Bさんは100回仕事をして、そのたびに一つ気づきを残す。
1回では大きな差はない。
でも100回なら、100個の改善材料が残る。
1年続けば、かなりの量になる。
だから私は、
経験しただけでは、経験値にならない
と思っている。
経験する。
気づく。
記録する。
次に試す。
また記録する……。
この循環が回って、初めて経験が自分の武器になる。
「反省」だけを記録しない
もう一つ大切にしていることがある。
失敗だけを記録しないことだ。
振り返りというと、
「何がダメだった?」
ばかり考えがちだ。
でも、
「何がうまくいった?」
も同じくらい大切だ。
偶然うまくいった行動を言葉にできれば、次も再現できる。
質問の順番。
資料の見せ方。
電話した時間。
相手が反応した一言。
小さな成功を記録しておくと、
それが少しずつ「自分の型」になっていく。
未来の自分に、一行だけ残す
20代・30代のうちは、仕事で初めて経験することが多い。
だからこそ、記録する価値が大きい。
今日から、すべての仕事を振り返る必要はない。
一日の中で一つだけでいい。
プレゼンの後。
商談の後。
会議の後。
電話の後。
仕事が一区切りした瞬間に、30秒だけ止まる。
そして、
「次の自分に一つだけ伝えるなら?」
と考える。
その答えを一行残す。
「次は最初に結論を言う」
それだけでもいい。
数か月後、その一行に助けられる日が来る。
記録とは、過去を保存するためだけのものではない。
未来の自分に、今日の経験を引き継ぐためのものだ。
今日のあなたが気づいたことを、未来のあなたはまだ知らない。
だから一行だけ、置いておく。
未来の自分に喜ばれる仕事を、今日の自分がしておきたい。
