ep.11 クロスの沼には、落ちなかった
インテリアの打ち合わせも、いよいよ終盤に入ってきました。
ここまで何度か対面で話をしてきましたが、実際にはその合間にもメールで細かいやり取りをしています。
「ここはこの色でどうでしょう」
「この照明に変更できますか」
「この位置にコンセントが欲しいです」
といったことを事前にある程度詰めているので、実際に会ったときは確認作業が中心。
家づくりの打ち合わせというと、毎回何時間も悩み続けるイメージがありましたが、我が家は今のところかなりスムーズに進んでいます。
恐ろしき「クロスの沼」
社内でインテリアの話をしていると、何度か耳にした言葉があります。
「クロスの沼」
壁紙のサンプルを見れば見るほど、
「こっちもいいな」
「いや、待てよ」
「最初のやつのほうがよかったかも」
となり、気づけば打ち合わせが長期戦になるらしい。
なるほど。
たしかにカタログを見ると、白だけでも何種類あるんだという世界です。
白っぽい白。
少しグレーの白。
ちょっと黄色い白。
たぶん私には同じ白に見える白。
これはハマる人はハマるだろうなと思いました。
ところが我が家の場合、インテリアコーディネーターから最初に出してもらったプランに、ほとんど違和感がありませんでした。
なので、
「ここはこれで」
「はい」
「こちらは?」
「それでお願いします」
と、驚くほどスイスイ進みます。
夫婦間でもクロスについて意見がぶつかることはほとんどなく、無事に沼の横を素通りできました。
これはたぶん、我々の決断力がものすごく高いというより、最初の提案がかなり的確だったという話だと思います。
照明も、だいたいそのまま
照明についても同じでした。
ペンダントライト、ダウンライト、ブラケットライト。
家を建てる前は、照明なんて「明るければいいでしょう」くらいに思っていました。ところがモデルハウスを撮影する仕事をしていると、照明ひとつで部屋の印象がかなり変わることに気づきます。
とはいえ、自分でゼロから選べと言われると、それはそれで困る。
今回も提案されたものを見て、
「うん、これでいいですね」となりました。
家づくりをしているのに、あまり悩んでいない。
少し申し訳ない気さえしてきます。
ただし、コンセントだけはひとつお願いが
そんな我が家にも、小さなこだわりがありました。
USBコンセントです。
初めて見たのは、昔国外で働いていたとき。
壁のコンセントにUSB端子が直接ついていて、
「えっ、アダプターいらないの?」と驚きました。
たったそれだけのことです。
ものすごく便利だったとか、人生が変わったとか、そんな大げさな話ではありません。
でもなぜか、この小さな発見だけは今でも覚えています。
日本では当時あまり見かけなかったので、
「自分で家を建てることがあったら、ひとつくらい付けたいな」
と、どこかで思っていたのかもしれません。
今回聞いてみると、
「できますよ」とのこと。
ではぜひ。
家のすべてを自分のこだわりで埋め尽くしたいわけではありません。
でも、こういうどうでもよさそうで自分にはちょっと意味があるものを、ひとつ混ぜ込めるのは注文住宅の面白いところだなと思います。
あと少しで、家の中が決まる
今回でクロス、照明、電源やコンセントの位置もほぼ固まりました。
残るのは、ほんの数か所の細かな調整。
ここまで大きく迷うことなく進められているのは、こちらの漠然とした好みを拾い上げて、最初からかなり完成度の高い形にしてくれたインテリアコーディネーターのおかげでしょう。
次はいよいよ最終打ち合わせ。
その前に、土地のほうでも少し動きがあります。
更地に縄を張って、実際に家が建つ位置を確認する「縄張り」です。
図面の中にしかなかった我が家が、初めて土地の上に輪郭を持つ。
そこでようやく、
「本当にここに家が建つんだな」
という実感が少しずつ湧いてきます。
それではまた、ep.12で。
