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雨漏りでドリフターズになった実家

ポタッ…

ポタッ…


「ん?なんかたれてる…?」


天井を見上げた。天井の木目にシミが出来ている。



「ちょ、ちょっと!雨漏りじゃない?」



うちの実家は古い平屋の一戸建て。
もう還暦なんて、とうに越している。


台風ではないが、
雨が強く降っている日に、まさかの雨漏り。



ポタ、ポタ…

染みてきた雨が落ちてくる。




「どうしよう、どうしよう」



雨漏りなんて想像したことがない。


(あ、桶!)



とりあえず、お風呂場から洗面桶を持ってきた。


ボタッ…

ボタタッ…



落ちる雨水は、鈍い音。



「とりあえず、雨やむまでこれしかないねー」
と、家族で話していた。



最初はこれで良かった。



テレビからは
『ファイナルアンサー?』の声。
クイズ番組を見て、みんなで笑っていた。




_____しばらくたった頃。



ピシャッ!

「冷たっ!」

少し水がたまると、水がはねる。




「洗面おけじゃだめだ、
 水がはねるから違う入れ物!」


「バケツは?
 高さがあれば、いけるんじゃない?」


雨水を受けるものは、
風呂桶からバケツに昇格した。




ふぅー

と、一息ついたときだった。



「こっちもかも…」


その声に天井を見る。
違う場所からも漏れている。


「マジか…」

また風呂桶の出番だ。

「桶持ってきて!もう一回!」



ピンポイントで
落ちてくる場所を探して下に置く。



「ビニールシートないとだめじゃない?」



さっきの教訓を生かし
ビニールシートも準備する。



ここは人数が多い、ろくねこ家だけに
チーム連携が素晴らしい。


猫は、素知らぬ顔だけど。


たまに歩いていて水がはねると
嫌そうな顔をして
身体をぶるっと震わせる。


猫はのん気だ。
周りが騒いでいても、いつもと同じ。



そのあと、もう1か所水がたれてきた。
合計「3か所」の雨漏り。


ポタ…

ポタポタ‥‥

ピシャッ…

ボタン…

入れ物によって音が違う。


たまに早くなったりする
雨漏りの合奏。



この頃は、みんな成長して
身体が大きくなっていた。


別の部屋に避難したくても
テレビにパソコンがあるのはここだけ。
必然的に人が集まる。




狭いリビングに、
雨もり対策のバケツとビニールシート。
そして6匹の猫は、好き勝手に通りすぎる。




(せ、せまい…狭すぎる)




「なー、まるでドリフターズだな」
「こんなコントあったなー」


父の一言に、みんな大爆笑。
狭いリビングにバケツ、ビニールシート、6匹の猫。

その晩、実写版ドリフターズが開幕した。

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