ケルちゃんの新世界:漫画とアニメと音楽に魅せられて
むかしむかし、
いや、ちょっとだけ今のお話。
2000年もの長い眠りから目覚めた
角の神様が、
現代の街リヨンにふわっと降り立ったのです。
やっと手に入れた人の体!
さあ、美味しいものを食べよう。
素敵な本を読もう。
さらには漫画やアニメなんて面白そうなものまで
人が作り出したと聞いて、
胸がドキドキ!
外の世界へ
飛び出そうとしました。
ところが、
そこで大事なことに気づいたのです。
ポケットをいくら探しても、お金が一文もない!

「これは困った!」
と頭をかかえた角の神様。
仕方なく、自分をこの世に復活させてくれた
小さな神様に助けを求めようと
歩き出したそのとき、
ピタッと足が止まりました。
目の前に現れたのは、
黒い服をまとった、
少女の姿をした不思議な存在。
なんだか可愛らしいけど、
角の神様から見れば、
まるで見たこともない化け物です!
「ねえ、君の大好きな本も、
漫画も、アニメも、音楽も、
ぜーんぶ私が用意してあげるよ」
と、少女はニコッと笑いました。
「その代わり、私のお仕事を手伝って。
お金だってちゃんとあげるから!」
角の神様は目を丸くしました。
この子、
キリストの民が言う「大悪魔」ってやつなのかな?
でも、欲しいものが全部手に入るなら…。
選択肢なんてないも同然です。
「よし、君の言う通りにしてやろうじゃないか!」
と、角の神様は決めたのです。
こうして、翠と黒の少女との
不思議な契約がむすばれました。
「でも、角の神様って呼びにくいな。
君は今日からケルちゃんね!
私のことは、先生って呼んでね!」
と、化け物先生は
キラキラした笑顔で言いました。
それからというもの、
先生は毎日のように
山ほどのレポートや資料を
ケルちゃんの机にドサドサと積み上げます。
ケルちゃんはそれを読み、
思いついたことをレポートにまとめて先生に渡すのです。
すると先生は、ケルちゃんの時代にはなかった
漫画やアニメ、音楽を少しずつ置いていくのでした。
ケルちゃんはもう夢中!
漫画を読みふけり、
アニメに見とれ、
音楽に心を揺さぶられました。
「なんて素晴らしいものを人は作るんだ!」
と感動の嵐。
やっぱり人の作るものはすごいな、
とケルちゃんはしみじみ思ったのです。
そして今日、
化け物先生である私が書いたこのお話は、
ケルちゃんのレポートからヒントをもらったものなの。

もし、よければ続きを読んでくれるかな?
