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よくもまぁ、そんな長い時間、愚痴を言えたもんだ

同じ部署の同僚が、転勤することになった。

仲が良かったので、個人的に送別会をすることになった。

二人きりの送別会。

同僚は快く同意してくれた。

思い返せば、二人でお酒を飲んだことがなかった。

飲み会となればいつも誰かがいて、快くまで話をしたことがなかった。


当日は深酒をしないように、早く開催して早く帰る、そのためにぼくらは就業時間より一時間早く早退することにした。

開始時刻は午後5時30分。

二時間飲んだとしても、7時30分には解散できる。

さすがにおじさん二人で、2時間も話をすれば十分だろう。

これでお互い体に負担なく、帰宅できるはずだった。

それなのに・・・

お開きになったのは、午後9時を過ぎていた。

ぼくらは一体何のために、時間を早めたんだろうか。



ぼくが飲んだお酒は、生ビール二杯とハイボール三杯。

たくさんいただいたが、3時間半もあれば十分飲める量だ。

と言うことは、ぼくたちはその時間のほとんどを、会話に費やしたことになる。

何を話していたのだろうか。

おそらく、おそらくだが、会話の98%が会社の話。

それも愚痴。

サラリーマンにありがちな光景だが、3時間半もよく愚痴れるネタがあったもんだ。

会社の批判、上司の批判、他の同僚の批判・・・

ここで二人の社員が語り尽くしたところで、状況は何も変わらない。

それなのに、話さずにはいられない。

互いにストレスを抱えていたんだろう。



しかし、言い換えれば、ぼくたちの不満は同じ方向を向いていたってことだ。

意見が異なれば、それはそれで議論になるが、それ程長くは話せないはずだ。

同じ根源のストレス。

それは何だろうか?

自分たちの仕事を快適に進めるために障害となるもの。

それは"嫉み"

確かに部下に対する愚痴はない。

あいつら少し働きが悪い、と話したくらいだ。

やはり愚痴のほとんどは上司への批判だった。

責務を果たしていない、人望がない、身勝手すぎる、部下と気持ちをわかっていない・・・

どれもこれも、そんな人によく上司の仕事が務まるよなぁ、って嫉みが招いた発言だ。

言っても仕方がない、それはわかっている。

しかし、同じストレスの根源を分かち合える人がいるとわかったことで、人は強烈なストレスから救われるのかも知れない。

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鈴々堂 / 昭真 小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。