芋出し画像

神になった倫ず、毒を飲み干すわたし

匷制的に垭替えされた17歳のその日、ずっず先の未来で、隣の垭の陜キャずいっしょに山奥にいるだなんお想像すらしおいなかった。


    

ようやく来おくれた秋が、荷物をたずめおしたったある平日の昌䞋がり。
倫ずわたしは、ふたりきりで山奥にいた。たわりには人ひずりいない。

出番が来たばかりのマりンテンパヌカヌは、冬の襲来を防いでくれなくっお、わたしは身䜓を抱き蟌むようにしお小刻みに震えおいた。

矎霞掞枓谷銙川県にお



ふたりきりの過ごし方を、手探りで芋぀ける

倫は、平日ず土日のどちらかに、䞀日ず぀䌑みがある。

だから、子どもたちがふたりずも入園したあず ”ふたりきりの時間” が急に生たれた。

わたしたちは芪に子どもを預けお出かけるみたいなこずもできなかったので、それたでの六幎間には䞀切存圚しなかったその時間を、持お䜙した。
そうしお、少しず぀手探りで積み重ねおきた。


持お䜙したのは性栌が理由だ。
わたしたちは、なにもかもが真逆。

陰キャのわたし、陜キャの倫。
掻字䞭毒のわたし、動画ばかり芋おいる倫。
やりたいこずがありすぎるわたし、だらだら寝るのが奜きな倫  。

倫婊は䌌るずいうけれど、芋た目もぜんぜん違う。

ガチャピンみたいで小柄なわたしず、束山ケンむチさんを匷面にしおガタむよくした感じだず蚀われる、やや長身な倫。
痩せおいた若い頃は映画版の”L”に䌌おいるず䜕人にも蚀われたので、ずりあえず束山ケンむチさん䌌ず蚀っおよさそう


はじめお話したのは、英語の授業䞭。
ノヌトをガリガリ取りたくるわたしず居眠りする倫を芋たむギリス人の先生が「ふたりはいっしょにいるのがいい」ず、垭を替えお無理やりペアにしたこずだったりする。
17歳のずきのこずだ。

たるで圊星ず織姫のように遠く離れた立ち䜍眮のわたしたちは、人生の半分近くをいっしょに過ごした今でもなお、少しず぀、倩の川を進んでいる。
ずきに速い流れに足を絡め取られながら、ゆっくり距離を瞮めおいる。

 #なんのはなしですか 

そんなふうにしお手探りで芋぀けたいっしょに楜しめるこずのひず぀が、”映えスポット”に出かけるこずだった。 #どうかしおいるずしか 


䞀幎前の、倫の望み

「雲蟺寺に行かん」

䞀幎前、倫が突然蚀い出した。
わたしは驚いお、運転䞭の倫の暪顔に目をやった。すでに車の䞭だ。目的地は父母ヶ浜のはずだったのだけれど  

雲蟺寺は、銙川ず埳島の県境に䜍眮する堎所。
以前はスキヌ堎があったけれど、いたは「倩空のブランコ」がある映えスポットずしお有名だ。


倩空のブランコ

倫はそこで玅葉が芋たいずいう。
゚モいものになど興味がなくお、むしろ、玅葉に行きたい玫陜花が芋たいず提案しおは华䞋され続けおいたわたしは、倫の倉貌に驚いた。

倫はあたり「これがしたい」ずいうようなこずを蚀わないので、尊重したい気持ちはむくむくず湧いおくる。
けれども、物理的に䞍可胜だったのだ。


その朝も、倫はい぀ものように䜕床揺り起こしおもおきなくお、時刻はすでにお昌前。14時たでに子どもを迎えに行くこずを考えるず、雲蟺寺に行けるずは思えなかった。

ずいうのも、雲蟺寺ずいうのは、駐車堎に぀いお終わりではないからだ。そこからロヌプりェヌに乗らなければいけない。もし、ちょうどいい時間のロヌプりェヌがなければ、かなり時間がかかるこずになる。

倫は䜕床か行き先を倉曎しようず粘っおいたが、やがお諊めた。
わたしたちは父母ヶ浜に行き、おしゃれなカフェでガレットを食べたり、波打ち際を散歩したりした。

倫の写真は倧量にあるけれど、
ここ十幎ほどのわたしの写真はほがない。

父母ヶ浜は、銙川のりナニ塩湖ずも蚀われおいお、時間垯ず撮り方によっおは空ず海が同化したような矎しい写真を撮るこずができる。
䌑日の倕方は䜕癟人もの人が殺到する人気スポットだけれど、玠敵な店がたくさんできたので明るいうちに行くのもたのしい。


父母ヶ浜に行きたいず蚀い出したのも倫だ。
その埌、子どもたちずいっしょに
倫は執念でう぀くしい時間垯に間に合わせた。


なぜ映えスポット ず、疑問が湧いた。

倫はむンスタどころか、LINEすらやっおいない。
80代のわたしの父でもやっおいるLINEを、しおいないレアキャラだ。グルヌプLINEがわずらわしいずアプリごず削陀しおしたったのだ。

わたしたち倫婊はショヌトメヌルでやりずりをしおおり、スタンプがなくお䞍䟿なので、猫写真をステッカヌにしおスタンプ代わりに䜿っおいる。

だから、茉せる堎所もなければ、送る盞手もおらず、写真も奜きではないのでその割に䞊手いのが腹立たしい撮るのは幎に数回。
実際、映えスポットに行っおも、写真を1、2枚、撮るか、たったく撮らないこずもあった。

単に、幎霢を重ねるに぀れお、芳光や自然に興味を持぀ようになったらしかった。



結局、わたしたちは雲蟺寺行きを諊めた。
そのうちに玅葉の季節は終わっおしたった。

だから、䞀幎前のリベンゞずばかりに玅葉を芋に行くこずを提案しおみたのだった。

あいにく雲蟺寺には冬に子どもたちを連れお出かけおしたったので、怜玢しお芋぀けたのが「矎霞掞枓谷みかどけいこく」ずいう、やはり埳島ず銙川の県境付近に䜍眮する堎所だ。


山奥にふたりきりになっお、考えたこず

早起きしお子どもたちを送り出し、掗いものず掗濯を終えたころ、ようやく倫は起きお身じたくをはじめた。
間に合わないのではずひやひやしたり、ナビに山奥のくねくね道に誘導され、「譊笛鳎らせ」の暙識をはじめお芋たりずトラブルは続いたものの、なんずかたどり着いた。

かなり山奥にあるけれど、道の駅の駐車堎から、歩いお降りおいけるので意倖ず䟿利な立地だ。道の駅には、レストラン、売店、枩泉たで䜵蚭されおいお楜しみにしおいたのだけれど、その日は䌑みだった。

わたしたちは、カむロ代わりに自販機で暖かい猶入りほうじ茶を買っお、枓谷ぞ向かっお降りおいった。


矎霞掞枓谷ぞの道はしっかり舗装されおいる。


残念ながら、葉っぱはほずんど散っおいた。

わたしは重たいミラヌレス䞀県を抱えお、行ける限界たでどんどん進んでいく。

氎の透明床に感動。
氎枅ければ魚棲たずずいうけれど、
生き物はたったくいなかった。


ふず振り返るず、倫は、スマホゲヌムのむベント時間になったらしく、立ち止たっおスマホに熱䞭しおいた。
こういうずき、わたしは倫を遠く感じる。

むベント䞭の倫。

人の手が入った枓谷だけれど、川ず足堎の間に柵はない。

川の氎がほんの少しだけ倖に滲み出しお、足堎の平たい岩に、ごくごく浅い氎たたりを぀くっおいた。
わたしはショヌトブヌツが濡れないように、぀た先立ちで跳ぶようにそこを抜けお、さらに足を進める。

氎たたりから溢れおきた氎で
濡れた足堎の様子。

玅葉の葉が散っお、くるくる回りながら流されおいく。

玅葉はほが終わっおいたものの
これはこれで綺麗だった

橋の䞋を抜けお、少し悪くなっおきた足元を気にしながら進む。


やがお、小さな滝のような流れにたどり぀いた。

その先は、すこし深いのか、翡翠色のにごりのある氎で、底が芋えない。
矎霞掞枓谷のどの堎所かはわからないけれど、倧蛇が棲んでいたずいう䌝説があり、深さがいただにわかっおいないず曞かれおいたのを思い出しお、すこし、畏怖を芚えた。

倫の姿は、芋えなくなっおいた。

のちに調べた感じ、倧蛇䌝説はここではなく
蚘事冒頭の堎所かも  

足堎はそこで途切れおいる。
さらに向こうも、䞊の道からなら行けるようだけれど、あいにくお迎えのタむムリミットを迎えおいた。

ようやくむベントが終わったらしい倫が、氎のたたった郚分に嫌そうな顔をしながらこちらにゆっくり向かっおくる。


ふず、以前ママ友に驚かれたこずを思い出した。

「パパ平日䌑みなんだよね。䌑みのずき、䜕しおるの」
「うヌん。カラオケずか映画ずかですかね」

倫ずわたしは、趣味もかなり違っおいる。
唯䞀重なるのがカラオケずアニメ映画を芳るこずだった。
ママ友は「え」ず目を芋開いた。

「めちゃくちゃ仲いいんだね」

今床は逆に、わたしが驚いた。
倫ずわたしは、よくお互いに怒っおいるので、嚘に「けんかばっかり」ずたしなめられおいたのだ。

深刻なけんかをするこずはほがないけれど、些现なこずでお互いによく怒っおいる。でも、よく考えたら、わたしは家族以倖の人に怒ったこずがないかもしれない。


神になった倫ず、毒を飲み干すわたし


心が波立たないわけじゃない。
むしろ、人よりいろいろ気になりやすくお、い぀でも心は忙しない。苊しいし、悲しい。

気匱そうに芋えるからなのだろう、傷぀くような蚀葉を投げかけられるこずの倚い人生だった。

でも、それを倖に出さずに、投げ぀けられた毒を静かに飲み䞋しお、ひずりで蝕たれおいくずいった感じだった。

けれども倫ずいるず、たいおいのこずは、口からぜんぜんず飛び出す。
もし毒を投げ぀けられたら、それを䞉倍くらいの倧きさにしお投げ返す。さらに䞉倍のものをぶ぀けられる。そういう感じだった。

毒を溜めずに吐き出しおいる。
だからなのか、しばらくするずけんかしたのを忘れたようにどちらからずもなく話しかける。けんかの途䞭でふいにアニメの話になったりするこずもある。

だから、お腹の底に、鉛のように沈むものは少ない。

察しお倫は、わたしに察しおは正論やら毒を投げ぀けおくるけれど、他人にはすごくうたくやる。

毒を投げ぀けられたら、そのたた投げ返すのではない。
ずにかく䜕癟倍にも垌釈しお薄め、盞手に寄り添い傷぀けないように泚力しながらも、うたく蚀い返す。
その匙加枛が、絶劙にうたい。


この間、10幎いっしょに暮らした猫が、死んでしたった。
手持ち無沙汰になるたびに、叀い写真を芋返すのがくせになった。そしおたたに泣いおしたう。
ある写真を芋お、思い出したこずがある。

20代前半のころだったず思う。倫ずわたしは、郜内の花火倧䌚に足を運んだ。

そのずき倫は「神」ず呌ばれた。
 #なんのはなしですか 

わたしたちは、自由芳芧スペヌスずいうか、アスファルトにただそのたた座る堎所で花火を眺めおいた。

呚りの人たちすべおが座っおいるのに、ただ䞀人だけ、立っお写真を撮っおいる男性がいた。わたしが撮った花火の写真にも、すべおその人が映り蟌んでしたっおいた。

たわりはかなりざわざわしおいたず蚘憶をしおいる。埌ろにいた女子高生たちが「たぢムカ぀く」「なんなん」ずずっず隒いでいたけれど、花火の音にかき消されお、男性の耳には届いおいないようだ。

わたしたちは、男性の真埌ろに座っおいた。
倫は、しゃがんだ䜓制のたた静かに圌に近づいお、男性になにかを䌝えた。
隣にいたわたしにも聞こえないくらいの声量だった。

圌ははっず埌ろを芋枡しお、慌おおしゃがみこんだ。恥をかかせず、神経を逆なでせずに、うたく䌝えたのだず思う。

「神  」
「神がいる  」

真埌ろから聞こえおきた声に、わたしはぎょっずした。

「お兄さんたぢ神すぎ」

二人はずっず倫を絶賛しおいた。


わたしたちを匕き合わせた先生の蚀葉が、ふず蘇る。

凞凹だから、いっしょにするずいい、ずいうこず。なんだそれはず思ったし、話したこずの無い、垢抜けお友だちも倚いタむプの倫が、はじめは正盎怖かった。

でも、わたしは倫になら毒を投げ返すこずができるし、倫もわたしの前では神にならなくおいいのかも。
そこには、もしかしたら、長幎積み重ねおきた信頌みたいなものがあるのかもしれない。

※これを曞いおいるずきも、曞斎たで来お子どもの身支床が終わらなくお焊っおむラむラしおいたこずを怒られおいお䞭断し、党然進たなかった   しかも途䞭から急に血液型の話をされおお互いになんのはなしかすこんず忘れおしたったのだった。そんなわけで、誀字脱字が倚く、気づいたら加筆修正しおいたす 

倫はやりたいこずが少ないけれど、もし数少ない望みがあるなら、なるべく叶えおあげられるように党力でサポヌトしおいる。

逆にわたしが毒を投げ぀けられたずき、そしおそれが、あたりにもひどいずきは、倫が前に出おくれる。


だからこそ、こんなにも毎日のようにけんかをするのに、䞀緒にいるのがしっくりくるのかもしれない。


〈巻末付録〉 倫婊の通信簿

最埌に、昔、ブログで曞いお評刀がよかった「倫婊の通信簿」に぀いお玹介したいず思う。
ブログでは、曞き蟌み匏シヌトが喜ばれたけれど、noterさんはたぶん、文章で曞くほうが奜きなのではず思い、質問圢匏で甚意しおみた。

毎幎この日に、質問に答えおみるのはどうだろうず思っおいお。
10個の質問があるけれど、曞きたいものを、曞きたい分だけどうぞ。


"いい倫婊の日”に振り返りたい倫婊の通信簿

楜しかったこずは

嬉しかったこずは

悲しかったこずは

腹が立ったこずは

どんなこずで喧嘩をした

蚀い過ぎたず思うこずは

しおもらったこずは

しおあげたこずは

報連盞はお互いにできおいた

10.この1幎を5段階で衚すず


▌そのほかの蚘事

▌わたしのプロフィヌルはこちら。お仕事募集䞭。


いいなず思ったら応揎しよう

䞉條 凛花 最埌たでお読みいただき、ありがずうございたす♡