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信用を失ったのは誰か?〜元教師が見た職員室不倫の記録〜シーズン4(その16〜エピローグ)

【その16】報告という名の告発

胸に手を当て、深く息を吸う。
教頭に立ち向かう覚悟が、静かに固まっていった。
私は席を立ち、そして歩いた。
恐怖よりも悔しさの方が強かった。
つかつかと、職員室の視線など気にせず、教頭の前へ立つ。
「教頭先生、報告があります」
あえて、「報告」の言葉を強調した。
「今お時間よろしいですか? 保健室前の面談室でお話ししたいのですが」
教頭は驚いたように目を見開き、「わかった」と立ち上がった。
私は先に面談室へ入り、教頭が座るのを確認してから、「失礼します」ときちんと声をかけて座った。
短く間を置き、はっきりと言った。
「どうして旅行に行かせたのですか? もう知らないふりはできませんよ」
教頭はぎょっとした表情で俯いた。
「噂はもう広まっています。私が恐れていたことが起きました」
私は、Gから聞いた内容をそのまま伝えた。
教頭は沈黙したまま、しばらく考え込んでいた。
そしてポツリと口を開いた。
「まだ全員には広まってはいないんだよな……。今日はこのあと明日の高校入試の準備もある。少し時間を欲しい」
苛立ちが込み上げた。
また時間稼ぎ——また逃げるのか。
「どれだけ時間をかけるつもりですか!」
自分でも驚くほど強い声が出た。
「近いうちに対策を考えるから」
「近いうちって、どれくらいですか? わかってますか? E先生も知ってしまったんですよ!」
Eが教頭を同い年という事で、お互いがライバル視していることは職員間では有名な話だった。
だから私はあえて口にした。
教頭は冷静に見せながらも、逃げ腰のまま言った。
「考えてみる。時間は欲しい。だが……今日のうちにはできない」
そう言って教頭は先に面談室を出ていった。
取り残された私は、静かな部屋で一人、息を呑んだ。
胸に押し寄せる虚しさ。
気づけば涙が溢れていた。
私は間違ったことはしていない。
あの二人の人生が壊れないよう、ずっと教頭にだけ訴えてきた。
それなのに——また裏切られた。
拳を握りしめ、深く息を吸った。

【その17】臨界点──崩れゆく沈黙の終わりに

その夜も、そして次の夜も眠れなかった。
考えても答えは出ない。
――私はどうするべきなのか。
――どこへ向かうべきなのか。
高校入試の発表までは、動いたところで何も変わらない。管理職も神経を注ぐとわかっていたからだ。
私はただ、時間が過ぎるのを待つしかなかった。
やがて、高校入試の発表の翌日。
学年末考査が始まった。
一校時目の試験監督に向かおうと職員室を出た瞬間、Bと鉢合わせる。
「お疲れ様です!」
明るすぎる声。
何も知らないふりをする、その笑顔。
胸の奥で、何かがプツンと切れた。
「――もう、いい加減にして!」
自分でも驚くほど鋭く、冷たい声だった。
Bは直立したまま震え、か細い声で言う。
「な、何を……ですか」
「自分でやっていること、わかっているわよね?」
目をそらさずに告げ、そのまま試験監督へ向かった。
声が響きすぎたのではないか。
誰かに聞かれてはいないか。
そんな不安が一瞬よぎるが、すぐに振り払う。
今は考査。不正はあってはならない。
少し目を離せば、生徒の誰かが悪事をする。
それを未然に防ぐのが監督の務めだ。
――未然に。
その言葉が胸に刺さる。
私がずっとやろうとしてきたこと。
自分の手で止めなければ、取り返しがつかなくなる。
私は、ついに臨界点を超えていた。
翌日の朝。
偶然、Bの車が私の隣に停まった。
すぐに歩み寄る。
「今日の午後、空いてるわよね? 考査中だもの」
Bは肩を震わせる。
「昨日、先生に怒鳴られて……何のことかわからなくて。メールしようかとも思ったのですが……」
そこへ別の教師が駐車場に入ってきたので、私は短く告げた。
「午後一時半、面談室に来て。考査後だから時間はあるはずよね。すべて明らかにするから」
考査後だから、時間はあるはず、と念を押した。
玄関へ向かいながら、自分でも驚いた。
どこにこんなエネルギーが残っていたのか、と。
職員室でも、いつも笑い声の大きいBは沈み込んだように教材を眺め、怯えた子どものようだった。
午後一時半。
面談室にはすでにBが座っていた。
ドアに「面談中」の札をかけ、向かい合う。
Bの指先は、わずかに震えていた。
私は静かに口を開いた。
「あれだけ『別れなさい』と言ったのに、どうして続けていたの? どういうつもりなの?」
「つ、続けているって……何を……?」
まだとぼけようとする声に、怒りが喉元までせり上がる。
「もう、みんな知っているのよ」
「みんな? 何が……ですか」
しらばっくれる薄笑い。
どこまで自分を守りたいのか。
「C先生との関係。解散旅行で酔って──」
と言いかけた瞬間、Bは声を荒げた。
「どうしてそんなことを……!」
「そんなことじゃない。大変なことよ」
私はGから聞いた内容、そして噂が広がっている現状を淡々と伝えた。
するとBは、震えながら吐き出した。
「私……寂しかったんです。先生が私と話してくれなくなって……ずっと孤独で……」
子どもだ。
いや、ガキだ。
私は、こんな幼い依存に巻き込まれていたのか。
怒りと虚しさが同時にこみ上げる。
だが、まだ言わねばならないことがある。
「あなたは自分のクラスの生徒を置いて旅行に行ったのよ。それをどう説明するの?」
その言葉に、Bの涙が堰を切った。
ポロポロと音を立てるように落ちていく。
「推薦会議のことも、共通テスト明けの面談のことも忠告した。でも全部、無駄だった」
「それは……C先生が……」
「違う。Cを言い訳にしないで。夜遅くまで仕事をしていたのも、Cがアパートに来てくれないからだって、あなたメールしてきたよね」
Bは唇を噛みしめ、泣き続けた。
私は深く息を吸う。
「私はね、九月の時点で教頭先生に全部相談していた。あなた達と、Cの奥さん、そしてあなた自身を守るために」
Bは驚いたように顔を上げた。
「教頭先生は見て見ぬふりをしてきたわけじゃない。でも、きっともう呼ばれる。罪悪感が少しでもあるなら……まずあなたは謝るべきよ」
そう告げて私は席を立った。
――これでいい。
言うべきことは言った。
あとはB自身の良心に委ねるしかない。
それでも。
胸の重みは、まだ消えなかった。

【その18】校長室 ― 孤立の刃

高校入試が終わり、学年末考査中の職員室は異様な静けさに包まれていた。
三校時。
一年生の学年末考査の採点をしていると、教頭が私を呼びにきた。
手にしたバインダーの陰に、小さく折られたメモが挟まれている。
――5分後、校長室へ。
胸の奥で、何かが鈍く鳴った。
ついに、その時が来たのだ。
秒針とともに鼓動が速まり、私は校長室の扉をノックした。
すでに教頭が座っていた。
校長はにこやかに私を迎える。
「考査の採点、ご苦労さん。どう? 今年の一年生は」
その薄い笑顔の奥に潜む“本音”が、こちらを探っているのがわかった。
柔らかい表情とは裏腹に、目だけが笑っていない。
「私は、まだなんとも申し上げられません。採点の途中ですから」
そう答えた瞬間、校長の目元がわずかに鋭くなった。
「教頭先生から聞いたんだけどね……少し詳しく話してくれないかな」
――ずるい。
教頭は、またしても自分だけ逃げようとしている。
私は、抑えた声で言い切った。
「教頭先生には、すべてをお伝えしています。私からこれ以上お話しすることはありません」
校長は笑みを浮かべたまま、声だけを冷たく落とす。
「これは“人権”に関わることだからね。もし間違っていたら……君が罪に問われることもある。慎重にね」
まるで私の人権など最初から存在しないような言い方だった。
校長は“不倫”という言葉を避けながら、しかし確かに二人を庇おうとしていた。
――県教委への報告が、自分の“円満退職”に響くから。
その目に、保身の色がはっきり浮かんでいた。
喉が震え、言葉がうまく出ない。
「校長先生……私は九月にすべてを教頭先生にご相談しています。それなのに二人は、解散旅行にまで行ったんです。証拠もあります」
言い終えるやいなや、校長はすぐさま言い返した。
「じゃあ、その携帯を持ってきてもらえる? “証拠”とやらを見せてくれないかな」
――消させるつもりだ。
証拠を握りつぶし、すべてなかったことにするために。
三月末には定年。
荒立てずに静かに去りたい。
そのためなら何でもする――そんな顔だった。
涙が一気にこぼれた。
見かねたように、教頭が小さな声で言った。
「今日は……ここまでにしましょう。携帯の事は後日に。採点も残っているようですし」
その言葉にすがるように私は席を立った。
「……失礼します」
廊下に出た瞬間、視界が歪んだ。
養護教諭と目が合ったが、小さく頭を下げて立ち去った。
悔しい。
情けない。
哀れだ。
それでも――泣いている暇はなかった。
この学校では、弱い者は簡単に切り捨てられる。
私はその現実を、校長室の空気で思い知らされた。
そして、内示の日を迎えることになる。


【その19】内示の日 ― 動き出す人事と裏切りの影

あの日、校長室で浴びせられた言葉の刺が、まだ胸の奥で鈍く疼いていた。
その痛みを抱えたまま、私は内示の日を迎えた。
内示は正午から始まる。
一年で最も緊張し、そして最も憂鬱な日でもある。
学校によって内示のやり方は異なるが、この学校では教頭が名前を呼び、呼ばれた者がそのまま校長室へ向かう。
全職員が固唾を呑んで見守る中、自分の名が呼ばれるかどうかに怯える時間。
立ち上がる瞬間の注目とざわめき。
私はいつも、見る側だとしても、それが何よりも苦痛だった。
ここでは職員名簿順に呼ばれる方式だった。
職員名簿を机に置き、「次は誰だ」と指で追いかけようと準備している先生さえいる。
そして、いよいよ始まった。
最初に呼ばれたのは――E。
老醜と呼ばれていた人だ。だから「良かったね」と職員室の空気がどっと揺れた。
続いて、Cのすぐ上の先生が呼ばれた。
視線が一斉にCへ集まる。
……だが、Cは呼ばれなかった。
何故? 異動しないのか。
また一年、あいつを見て働くのはうんざりだと思った。
Bは二年目。
初任者は原則三年以上の勤務が必要なため、本来なら動かない。
「今年はもういないよな」
そんな雰囲気が漂った次の瞬間――
教頭が、Bの名を呼んだ。
職員室の空気が凍りついた。
息を呑む音、交わされるヒソヒソ話。
例の一件が噂として広まっているのは、誰の目にも明らかだった。
私は、Bは実家のある県北地区へ飛ばされると思っていた。
いや、そうであってほしいと願っていた。
だが告げられたのは――隣市の学校への転勤。
「良かったです、すぐ隣の市ですよ!」
戻ってきたBは弾んだ声で言った。
校長の裁量が大きく働く内示。
“不倫”という最も重い倫理違反があっても、この程度の処遇なのか――
落胆が胸に沈んだ。
さらに追い打ちがあった。
事務室へ向かう廊下で、F先生と談笑しながら歩くBと鉢合わせた。
私を見るなり、二人の表情が一瞬で曇った。
――あぁ。
私は“悪者”にされたのだ。
胸の奥に、どうしようもない虚しさが滲んだ。
そして、さらなる衝撃が待っていた。
校長は予定通り円満退職し、教頭が別の高校の新校長へ昇格する――と発表されたのだ。
頭が真っ白になった。
「人権がどうの」「慎重に」
あの言葉はすべて建前。
本心はただひとつ。
自分の保身と出世のため。
だから県教委には報告しなかったのだ。
だから私の訴えを無視した。
だから、旅行も止めなかった。
私が今、県の教育委員会に電話したところでどうにもならない。
むしろ“問題を暴露した面倒な教員”として扱われるだろう。
悔しさで胸が焼けるようだった。
***
内示が終わって3日後、学年末の成績会議と定例の職員会議後、転勤者の紹介と挨拶が続いた。
一番年下のBが最後に挨拶をした。
彼女は涙声で、「先生方には、たくさん迷惑をかけて……」
そこから先は、何も耳に入らなかった。
会議後、隣席の先生と成績会議に上がった生徒について短く話していたとき
教頭が、私の名を呼んだ。
昇格したばかりの男が、私を呼ぶ。
Bは転勤する。
もう関係ないはずなのに。
私は無言で立ち上がり、教頭の後をついて行った。
面談室のドアが静かに閉まった。
新しい校長となる男は、息をひとつ置いて、ゆっくりと、重く語り始めた――。

【その20】沈黙のあと

話の内容はこうだった。
私を呼んだあの日、校長はその後でCとBを問い詰めたらしい。
しかし二人は関係を完全に否定した。
特にCは「証拠はあるのか」と強い口調で食い下がり、最後まで態度を崩さなかったという。
──あぁ、Cならそう言うだろう。
聞いた瞬間、妙に納得してしまった。
だが、それ以上に私が驚いたことがあった。
その日の夕方、ほとんどの先生が帰ったあと、Bに呼ばれて教頭は面談室へ行ったという。
「その時にな、B先生がこう言ったんだ。『教頭先生、私はいけないことをしていました。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした』って。深々と頭を下げたんだよ」
意外だった。
私が最後にBへ伝えた言葉を、彼女はきちんと受け止めていたのだ。
しかし、それで全てが帳消しになるわけではない。
二人の関係が消えるわけでも、私の胸の重さが晴れるわけでもなかった。
むしろ、肩透かしにあったような、どうしようもない疲労だけが静かに残った。
勝手なのは分かっていたが、私は離任式にも送別会にも出なかった。
その日が近づくたび、胸の奥がざわつき、どうしても行く気になれなかった。
三月三十一日も学校には行かず、休日返上で出勤した日を代休として充てた。
そのまま年度は、静かに終わっていった。

【その21】四月一日の手紙

そして――四月一日。
新しい年度の始まりの日だった。
出勤すると、私の机の上に小さなプレゼントと手紙が置かれていた。
差出人の名前は書かれていない。
だが、誰からのものなのかはすぐに分かった。
封を開き、静かに手紙を読む。
そこには、謝罪とも告白ともつかない、不器用な文字が並んでいた。
最後に、こう書かれていた。
「先生の忠告を何度も拒絶してしまい、申し訳ありませんでした。もう無理だったかもしれませんが、私は先生とは一生つながっていたい。そう思っていました」
その一文を読み終えた瞬間、堪えていたものが決壊した。
溢れた涙が、何の涙なのか、自分でも判別がつかなかった。
悲しみなのか。
悔しさなのか。
それとも、安堵なのか。
ただ――
胸のどこか深いところで、固く絡まっていた何かが、静かにほどけていくのを感じていた。
私は手紙をそっと閉じ、小さな包みと一緒に引き出しへしまった。
柔らかな光が校舎の窓を抜けて、静かな職員室を満たしていた。
新しい年度が始まり、空気もどこか少しだけ変わっている。
それでも、生徒たちの一年がまた始まることに変わりはない。
私が悩んでいたのは、不倫という私的な問題だけではなかった。
教師は公務員として、「信用失墜行為の禁止」を厳しく求められている。
その行為は、生徒や地域からの信頼にも関わる問題だった。
だからこそ、私は見て見ぬふりができなかった。
けれど現実には、事実は曖昧にされ、私は“空気を乱した人”のように扱われた。
――あの時の行動は、正しかったのだろうか。
その問いは、今も胸の奥に残っている。
それでも――生徒たちの一年は始まる。
私は静かに立ち上がった。
「……それでも、進むしかない」
そう胸の中でつぶやき、私は新しい年度へと歩き出した。

【エピローグ】

Bは隣市の高校へ転勤となりました。
しかし噂はすでにそちらにも広まっていたようで、居心地が悪かったのか、程なくして退職しました。
その後アメリカへ渡り、現地で知り合った日本人の方と結婚し、女の子を授かったと風の便りで聞きました。
異国の地で、新しい生活を築いている彼女。
あの時、職員室を密かに揺るがした騒動などなかったかのような幸せを掴んだという報せを聞いたとき、私の中に言葉はありませんでした。
Cは残留し、一年生の担任となりました。そして私は、その副担任に任命されました。教頭の意図だったと思います。まるでお目付け役のようでした。
Cは別人のように低姿勢になっていました。以前のような自信に満ちた物言いは影を潜め、私に対して妙に気を遣うようになりました。
Bから私がすべてを知っていると聞いていたのでしょう。私に不倫を知られているという恐怖が、彼の背中を小さくさせているのが分かりました。
しかし、本当の「罰」は別のところにありました。
一番驚いたのは、教え子がすべてを知っていたということでした。
私が国立大学の二次試験対策のために、熱心に添削指導をしていた男子生徒がいました。
数年後、彼が教育実習生として母校にやってきたのです。
実習最終日の放課後、誰もいなくなった教室で、彼は改まった表情で「先生、お話があります」と切り出しました。
私は実習の感想とお礼を言われるものと思って彼と向き合いました。
すると、彼は静かにこう言ったのです。
「俺の自宅、実はB先生のアパートのすぐ近くにあるんです。だから、C先生が夜、時々訪ねているのをずっと見ていました」
彼の口から出たのは、重い告白でした。
「最初は独身同士だからいいんじゃない、って親も言ってました。でも、C先生が結婚してからも当たり前のように出入りしているのを知ってからは、親も『教師のモラルとは一体どうなっているんだ』と憤っていました。もし俺が入試に失敗していたら、親はきっと学校に怒鳴り込んでいたと思います」
さらに、彼は当時の不信感を吐露しました。面談がどこか上の空でいい加減だったこと。添削指導をお願いしても、Bに冷たく断られたこと。
「先生……俺たちが大学に合格したとき、B先生もC先生も学校にいなかったですよね。本当に出張だったんですか?」
その問いに、私の心拍が速くなるのを感じました。
あの時、BとCは「解散旅行」に出かけていました。それを「出張」だと偽って生徒たちに説明したのは、他ならぬ私でした。
私はその嘘を自らの口で語り、生徒たちを欺いたのです。
「……想像に任せる」
私は、それだけを答えるのが精一杯でした。
一番守らなければならなかった生徒たちが、すべてを見抜き、不誠実な指導に傷つきながら、それでも私たちを「先生」と呼び続けてくれていた。
生徒の沈黙と優しさに守られていたのは、私たち大人の方だったのです。
その情けなさと申し訳なさが、長い年月を経た今も、刺さった棘のように私の胸に残っています。

※本連載は、学校現場での実体験に基づく物語です。登場人物の尊厳とプライバシーを守るため、設定の一部に改変を加えています。

【完結のご挨拶】
本作をもちまして、『信用を失ったのは、誰か?〜元教師が見た職員室不倫の記録〜』は完結となります。
一度は誤って投稿を削除してしまい、タイトルと中身を一新して、改めて投稿いたしました。
職員室という密室で起きた出来事を、実話をもとに再構成しました。学校という組織の中で、誰の信用が、なぜ、どのように失われていったのか。読みながら考えていただけた部分があれば、それだけで書いた意味があったと思います。
拙い文章ではありましたが、最後までお付き合いくださり、心より感謝申し上げます。
本当に、ありがとうございました。
今泉理加子


※こちらの物語もあわせて読んで頂けたら幸いです。

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