VIVANT・らんまん・最高の教師――ドラマとSDGsをつなぐ視点
物語に没入しているうちに、「あれ、これってSDGsと関係ある?」と気づく瞬間がありました。VIVANT、らんまん、最高の教師――この夏の注目ドラマから見えてきたこととは。
夏ドラマをふりかえって考える、ドラマとSDGsのつながり
ー 10月に入りましたね。今日はどんなお話をしてくれますか?
私はドラマが大好きなのですが、先月は夏ドラマの最終回が続き、心地よい余韻がまだ残っています。
そこで今日は「夏ドラマのふりかえりとSDGs」をテーマにお話ししたいと思います。
ー いいですね。お願いします。
ちょっとお伺いしたいのですけど、この夏はどんな作品をご覧になっていましたか?
ー 朝ドラ、VIVANT、こっち向いてよ向井くん、ばらかもん…あたりは欠かさず見ていましたね。
私も同じ作品を見ていましたし、「最高の教師」「トリリオンゲーム」「ハヤブサ消防団」なども楽しみました。
これらのドラマとSDGsは、大きく二つの関連があると感じています。
一つは、ドラマのテーマがSDGsの目標と重なっていて、理解のヒントになること。
もう一つは、ドラマの展開を追う中で、SDGs達成のための行動のヒントやパワーをもらえることです。
今日は特に「VIVANT」「らんまん」、そして「最高の教師」を取り上げたいと思います。
VIVANTとSDGs
まずは「VIVANT」から。堺雅人さん主演、福澤克雄さん演出。モンゴルでの大規模ロケや迫力あるアクションで、毎回映画のようでした。
物語は、誤送金事件をきっかけに国際テロ組織「テント」と対峙する乃木憂助(堺雅人)。やがてその創設者が生き別れの父・ノゴーンベキ(役所広司)だったと判明し、涙の再会を果たします。
SNSでは「スターウォーズのオマージュ」説も話題になりました。乃木がルーク、薫先生がレイア姫、ベキがダースベイダー、ドラムがチューバッカ…と見立てると、確かにしっくりきます。
ー 確かに。で、この作品とSDGsはどんなつながりが?
ノゴーンベキが掲げた理想は「貧困や格差のない世界」でした。これは
SDGs1 貧困をなくそう
SDGs2 飢餓をゼロに
SDGs10 人や国の不平等をなくそう
に直結します。
また、ベキの名は「緑の魔術師」という意味で、砂漠を農地に変えた人物として尊敬されていた設定。これは「食料の安定供給のための農業改革」というSDGs2のターゲットとも重なります。
一方で、国際協力の難しさも描かれていました。資源をめぐる国家間の交渉や対立、末端の民衆が犠牲になる現実…。そこに「武力以外での国際協力の可能性」を考えさせられる作品でもありました。
らんまんとSDGs
続いて朝ドラ「らんまん」。モデルは植物学者・牧野富太郎さん。主人公の万太郎(神木隆之介さん)が植物研究に人生を捧げる姿を描きました。
ー 私も見ていました。万太郎の自由さが魅力でしたね。SDGsとの関係は?
例えば、万太郎が学歴に関係なく東大に出入りするようになったエピソードは
SDGs4 質の高い教育をみんなに
につながります。
また、姉・綾が「女性だから」と酒蔵に入れなかった場面は
SDGs5 ジェンダー平等を実現しよう
を考えるきっかけになります。
学歴や性別といった社会の壁を超えて、自分の夢にまっすぐ生きる姿勢。これは、SDGsが目指す「多様な学び」や「平等な社会」を体現しているように思いました。
最高の教師とSDGs
最後は「最高の教師、一年後私は生徒に◯された」。松岡茉優さん演じる九条先生が、未来を変えるため過去に戻るサスペンスドラマです。
いじめや貧困といった問題に向き合い、最終回では「自己肯定感の欠如」が生徒を加害者へ追い込んでいたことが明らかになりました。これは現代社会の課題を鋭く描いたものです。
ー なるほど。SDGsとのつながりは?
この作品から想起されるのは
SDGs4 質の高い教育をみんなに
です。
教育とは単に知識を教えることではなく、子どもたちが自分をどう見ているか、どう感じているかに寄り添うこと。幼い頃から「あなたは存在するだけで素晴らしい」と伝えていくことが、自己肯定感を育み、将来の犯罪を未然に防ぐことにもつながるのだと改めて気づかされました。
これは私自身が保育士を目指した原点とも重なります。子どもたちをたくさん褒め、存在そのものを肯定することの大切さを、強く実感しました。
今回ご紹介できなかった作品の中にも、それぞれ制作者の「ありたい未来」や「希望」が込められていて、SDGsの目標と照らし合わせると学びや刺激を受けることがたくさんありました。
ー 本当にそうですね。ドラマから社会を考える視点、とても面白いです。
