消化器外科学会に行かないと、時代に取り残される
今週、パシフィコ横浜で日本消化器外科学会総会が開催される。
当院からも約10名の演者が参加する予定だ。
若手医師の初めての発表から、ベテラン医師によるシンポジウムまで、内容は実に多彩である。
毎年、この時期になると感じる。
この学会は、消化器外科医なら参加必須の学会だと。
もちろん、すべての演題が画期的というわけではない。
毎年似たようなテーマもある。
「あ、このデータは昨年も見たな。」
そう思う発表も少なくない。
それでも参加する価値は揺るがない。
なぜなら、この学会に来れば、今の消化器外科の「現在地」が見えるからだ。
今、何が注目されているのか。
どの術式が広がっているのか。
ロボット手術はどこまで進化しているのか。
AIはどのように臨床へ入り始めているのか。
新しいデバイスは現場で受け入れられているのか。
どんな臨床試験が走り、何が次の標準治療になろうとしているのか。
教科書にはまだ載っていない「今」が、そこにはある。
そして、学会で本当に価値があるのは、発表だけではない。
廊下での立ち話。
企業展示での何気ない会話。
久しぶりに再会した仲間との情報交換。
「うちはこうやっているよ。」
「その方法、うまくいった?」
そんな数分の会話が、自施設を変えるきっかけになることも少なくない。
学会は、知識だけではなく、空気を感じる場所でもある。
一方で、この学会はある意味「戦いの場」でもある。
全国の施設が、自分たちのデータを持ち寄る。
より良い成績を目指し、より新しい知見を発信する。
厳しい質問が飛ぶこともある。
想定外の指摘を受けることもある。
だからこそ、発表する側は磨かれる。
そして、聴く側もまた鍛えられる。
「この施設はここまで進んでいるのか。」
「自分たちはまだ改善できる。」
そんな危機感を持つことも、この学会の大切な役割だと思う。
医療は、現状維持では後退である。
技術も、知識も、エビデンスも、毎年のように更新される。
昨日まで正しかったことが、今日には最適解ではなくなることもある。
だから学び続けるしかない。
学会は、そのための最高の場所だ。
今年も、多くの刺激を受けるだろう。
新しい知識。
新しい技術。
新しい出会い。
そのすべてを持ち帰り、患者さんへ還元する。
それが学会に参加する最大の目的である。
発表して終わりではない。
聴いて満足でもない。
一つでも多くの学びを自施設へ持ち帰り、明日からの診療を少しでも良くする。
その積み重ねが、病院を変え、地域医療を変え、そして日本の消化器外科を前へ進めていくのだと思う。
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