試用期間中に「合わない」と気づいてしまったとき。耐えるべきか、動くべきか
「試用期間中は立場が弱いから、こちらからは何も言えない」
そう思っている方が、とても多いのです。試されている側なのだから、文句を言う資格はない。とりあえず本採用までは黙って耐えるしかない。
これは違います。
試用期間中でも、あなたと会社の間には労働契約が成立しています。給料が出て、社会保険に入り、有給の権利も発生していく。「まだ正式ではない期間」ではありません。そして期間の定めのない雇用契約なら、退職を申し入れてから2週間が経てば契約は終了します(民法第627条第1項)。辞める権利は、入社初日から普通にあるのです。
そのうえで、辞めるべきかどうかは別の話です。ここを一緒くたにすると判断を誤ります。
まずは、しんどいときに頼れるキャリアサービスをまとめた記事も置いておきます。動くと決めたときに開いてみてください。
入って数週間で分かってしまうもの
入社して2週間。まだ仕事も覚えきっていないのに、体のほうが先に答えを出していることがあります。
朝、駅の階段を上るのが重い。フロアのドアを開ける前に一度息を吸う。誰かが誰かを呼ぶ声がするたびに、肩に力が入る。
頭では「まだ何も分かっていないのに」と思っています。でも、体は違う速度で判断しているのです。
これは気のせいでも、甘えでもありません。前に合わない環境で消耗した経験がある方ほど、危険信号を早く拾えるようになっています。感度が上がっているとも言えます。厄介なのは、その感度が「本当に危ない場所」と「単に慣れていないだけの場所」を区別してくれないところです。
だから、体の反応を無視してもいけないし、体の反応だけで決めてもいけません。
今すぐ動くもの、3か月待つもの
切り分けの基準は、時間で解決するかどうかです。
待っても変わらないもの
・怒鳴る、人格を否定する人がいる
・求人票や面接で聞いた条件と、実際が違う(給与・勤務地・職種・残業)
・残業や休日出勤が常態化していて、就業規則の運用が怪しい
・体調に明確な変化が出ている(眠れない、食べられない、朝起き上がれない)
これらは、慣れの問題ではありません。3か月経っても同じで、たいていは悪化します。とくに条件が違う場合は、こちらが我慢する筋合いのない話です。
もう少し様子を見ていいもの
・仕事が覚えられず、迷惑をかけている気がする
・雑談の輪に入れない、まだ名前を覚えられていない
・質問するタイミングが分からない
・思っていたより地味な仕事だった
この辺りは、3か月後にはかなり景色が変わります。新しい環境で最初の1か月がしんどいのは、あなたの適性の問題ではありません。手順も人の名前も分からない状態なのだから、当たり前です。
判断に迷ったら、こう考えてみてください。「この会社の誰かが変われば解決するのか、それとも自分が慣れれば解決するのか」。
前者なら、待っても意味はありません。
もうひとつ、判断を助ける見方があります。今つらいことを、5年後の自分が笑って話せるかどうか。
最初の3か月で泣きそうになりながら手順を覚えた話は、あとから笑い話になります。一方で、毎朝フロアに入るのが怖かった話は、何年経っても笑い話にはなりません。前者は成長の途中で、後者は環境の問題だからです。
辞めると決めたら、言い方より順番
短期間で辞めると伝えるのは、気が重いものです。「まだ1か月なのに」と言われる場面を想像するだけで、切り出せなくなります。
それでも、伝え方に凝る必要はありません。理由を細かく説明するほど、引き止める材料を渡すことになります。「一身上の都合で退職させていただきたい」で足りるのです。
大事なのは順番のほうです。直属の上司に先に伝える、口頭のあとに書面を出す、私物と貸与品を整理しておく。ここを外さなければ、揉める余地はかなり減ります。
ただ、それができない相手もいます。
話を聞いてもらえない、辞めると言った瞬間に態度が変わる、損害賠償をちらつかせてくる。こういう相手には、こちらだけが消耗します。
弁護士法人ガイア法律事務所の退職代行は、弁護士が直接対応します。有給の消化や未払い給与、残業代の請求まで交渉できるのが、労働組合運営のサービスとの違いです。面談は不要で、電話やLINEで無料相談ができます。料金は基本55,000円、意思を伝えるだけなら25,300円。有給取得や残業代請求は成功報酬20%という形です。
費用は安くありません。それでも、法的な話が絡みそうな相手と自分で向き合い続けるより、結果的に短く済むことがあります。
料金や対応範囲は、こちらの記事で詳しくまとめています。
この短さは、次でどう扱われるのか
いちばん怖いのはここだと思います。数週間で辞めた経歴を、次の面接官はどう見るのか。
正直に言えば、まったく聞かれないということはありません。ただ、責めるために聞いているわけではないことが多いようです。面接官が確かめたいのは、うちでも同じことが起きないかどうか。それだけです。
だから、答え方は決まってきます。前の会社の悪口ではなく、事実と、次に何を確かめたいかを言う。「求人票の勤務地と実際が違い、通勤が片道2時間になったため」のように、聞いた側が「それは仕方ない」と思える形にしておくのが現実的です。
やってしまいがちなのは、感情のほうを先に出すことです。「上司と合わなくて」で話を終えると、面接官の頭にはこう浮かびます。
「うちにも、合わない上司はいるけどな」
合わない相手はどこにでもいます。だから、相手の話ではなく、こちらが何を確かめずに入ってしまったのかを話すほうが伝わります。同じ失敗を繰り返さない人だと分かれば、期間の短さはそこまで大きな減点になりません。
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面接のあとにフィードバックがもらえるのも、この時期にはありがたい仕組みです。落ちた理由が分からないまま次に進むのは、目隠しで歩くようなものですから。
短い経歴をどう話すかも、担当者と一緒に組み立てられます。一人で考え込むより早いです。
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第二新卒エージェントneoについては、こちらの記事にまとめています。
ほかの相談先も見ておきたい方は、まとめ記事のほうもどうぞ。
社会人経験そのものが浅い方へ
前職も短く、今回も短い。そうなると「もう受け入れてもらえないのでは」と思えてきます。
そこを前提にしているサービスもあります。ハタラクティブはレバレジーズ株式会社が運営していて、対象はフリーター・既卒・第二新卒・大学中退など、社会人経験が浅い、あるいは無い方です。累計の支援実績は18万人、内定率は80.4%。求人の約8割が未経験歓迎で、内定先の86.5%が大企業という数字も出ています。
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今の職場に在籍したままでも相談できます。辞めてから探す、と決めてしまわなくていいのです。
踏み切る前に、よく出てくる疑問
Q. 試用期間中に辞めると、履歴書に書かなくてもいいのでしょうか?
社会保険に加入していれば記録は残ります。書かずに進めて後から発覚すると、経歴詐称の扱いになりかねません。短くても書いて、理由を説明できるようにしておくほうが安全です。
Q. 引き継ぎもしていないのに辞めるのは、非常識ですか?
数週間の在籍で引き継ぐ業務は、そもそも多くありません。会社側も、その前提で受け入れています。もらった資料や貸与品を返し、やりかけの作業を書き置きしておけば十分です。
Q. 本採用を断られる前に、自分から辞めたほうがいいですか?
そこを気にしなくて大丈夫です。会社が試用期間中に本採用を見送るのも、実際にはそう簡単ではありません。先回りして自分を追い込むより、続けるかどうかを自分の基準で決めてください。
Q. まだ2週間なのに疲れ果てています。おかしいでしょうか?
おかしくありません。新しい職場は、覚えることも気を張る場面も一度に来ます。もともと人の空気を拾いやすい方なら、消耗が早いのは当然です。ただ、眠れない・食べられないが続いているなら、それは疲れではなく体からの警告なので、先に医療機関にかかってください。
Q. 有給が無いので、面接に行く時間が作れません。
入社から半年経つまでは有給が発生しないので、ここは多くの方が詰まるところです。現実的なのは、土曜日の面接に対応してくれる会社を探すことと、オンライン面接を選ぶこと。エージェントを使うなら、日程調整はまとめて任せられます。自分で何社にも連絡して時間を合わせる作業がなくなるだけで、負担はかなり変わります。
早く気づけたことを、責めないでください
数週間で違和感に気づけたのは、鈍かったからではありません。むしろ逆で、見る目が育っている証拠です。
3年我慢してから同じ結論にたどり着く人もいます。あなたはそれを数週間でやってしまっただけなのです。失ったものより、まだ失っていないもののほうが大きいはずです。
もちろん、続けるという選択もあります。慣れの問題だと判断したなら、3か月後にもう一度考えればいい。どちらを選んでも、あなたが決めたことなら間違いではありません。
ほかの選択肢も含めて、頼れるサービスはこちらにまとめてあります。
辞める・辞めないを決める前でも、話を聞いてもらうだけで整理はつきます。一人で抱えている時間がいちばんしんどいので、そこだけは短くしてください。
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