自民党の「日本国憲法改正草案」(第10章 改正 §100)を読む (本文995文字)
第100条 この憲法の改正は、衆議院の議員の発議により、両議院のそれぞれの総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を得なければならない。この承認には、法律の定めるところにより行われる国民の投票において有効投票の過半数の賛成を必要とする。
現行憲法第96条の改正案である。
現行憲法と草案とで異なっている点は、(1)「発議」の定義と、(2)「両議院の賛成数」それに(3)「国民の投票」である。
(1)現行憲法第96条の「発議」は、国会が行う。
草案第100条の「発議」は、衆議院か参議院の議員が行う。
(2)現行憲法第96条では「各議員の総議員の三分の二以上」の賛成が必要である。
草案第100条では「両議院のそれぞれの総議員の過半数」の賛成が必要となる。
(3)現行憲法第96条では「特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票」で「過半数の賛成」が必要となる。
草案第100条では「法律の定めによるところにより行われる国民の投票」で「有効投票の過半数の賛成」が必要になる。
(1)については、「まぁ、そうだよなぁ。」と思う。
(2)及び(3)については、憲法改正の要件が草案では緩和されている。つまり、憲法改正しやすくなるのである。
なお、現行憲法第96条に基づき、憲法改正に必要な手続きである国民投票に関する法律として、日本国憲法の改正手続に関する法律(平成19年5月18日法律第51号)がある。
私は、憲法は国内的にも国際的にも周囲の環境変化に応じた改正が必要だと思う反面、無思慮な憲法改正(時の総理大臣等が人気取りのために憲法改正を働きかけるということは有り得ると思う。)は害があると思っているので、草案の改正内容には賛成である。
② 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、直ちに憲法改正を公布する。
文言が整理されているが、現行憲法第96条②とほとんど同じである。
憲法の改正は、関係する全法令の見直しが必要となるので、一大仕事になる。
私は、「本改正法交付後は、これに抵触する法令はすべて無効とし、又は必要に応じて変更されたものとみなす。」という条文を改正法の附則に付けることにすればいいのに、と思っている。
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