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『ホット・ショット』(1991年アメリカ)〜『トップガン』をリスペクト!!賞味期限切れのネタのオンパレード!!それがどうした!?〜

「父の罪、息子の筋肉、そして無駄に高いテンション⋯『ホットショット』という名の航空事故」

あらすじ

20年前、空はまだ真面目だった。少なくとも、バズが操縦桿を握るまでは。

無謀な操縦の果てに戦闘機はあえなく故障、相棒メイルマンは脱出装置に裏切られ、バズは「ごめん、先行くわ」と言わんばかりに単独脱出。

友情よりも重力に従ったその選択は、後に息子の人生にしっかりと影を落とすことになる。

そして現代。

その息子、ショーン・“トッパー”・ハーレーは、腕は一流、素行は三流という、いかにも映画向きの海軍パイロット。

父への負い目と軍規違反のコンボで見事に除隊され、なぜかネイティブアメリカンの部族のもとで静かに暮らしている(この時点でだいぶ映画として正しい)

しかし平穏は長く続かない。

海軍が「やっぱりお前が必要だ」と言い出し、トッパーは半ば流されるように現場復帰。

集められた仲間たちはというと、まともな人材はどこへやら、クセの強さだけで編成されたような面々ばかり。

作戦の成功よりも、まず人間関係が事故を起こしそうな空気である。

真面目な軍事作戦が始まるかと思えば、数秒後には意味不明なギャグが飛び出し、感動的なシーンになったかと思えば即座に台無しになる。

物語の整合性やリアリティなど、この映画の前では紙飛行機ほどの価値しかない。

■パロディの洪水

本作最大の魅力は、とにかくギャグの密度が異常なことだ。

ギャグはとにかく密度重視。

知的な笑いというよりは、思いついたことを全部入れましたという勢い型で、下ネタも幼稚ネタも遠慮なく乱射される。

観客は笑うか、呆れるか、その両方か。

少なくとも退屈する暇はない。

ただし注意点もある。

まず、パロディの元ネタが90年代初頭のヒット作中心なので、「それ何のネタ?」となる可能性はそれなりに高い。

映画知識があるほど楽しめる構造だが、知らなくても勢いで笑わせに来るのがこの作品の強みでもある。

また、笑いの質はかなり低空飛行(いい意味でも悪い意味でも)。

洗練されたコメディを求める人や、品の良さを重視する人には、正直おすすめしづらい。

「どうしてこれで笑ってしまうのか」という自分との戦いになる。

『トップガン』はもちろん、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』、『9週半』、『ロッキー』、『ランボー』など、当時の人気映画が次々と標的になる。

しかも一つのネタで笑わせるのではなく、背景、小道具、セリフ、効果音まで使って同時多発的にボケ続ける。

笑いの質も実に幅広い。

●クスリと笑える言葉遊び

●ベタなドタバタ

●お下品な下ネタ

●アニメみたいな物理法則無視ギャグ

●「なんでそうなるんだ!」というシュールネタ

●不謹慎なネタ

が数秒おきに襲ってくる。

もはや映画というより90分続くコント番組であり、ストーリーはギャグを運ぶための輸送機に過ぎない。

■チャーリー・シーンの才能が炸裂

特筆すべきはチャーリー・シーン。

『トップガン』のトム・クルーズを意識しながらも、妙に真顔でバカなことをやる才能が抜群。

周囲がどれだけ狂った状況でも本人だけは真剣というコメディの基本を完璧に体現している。

また、父親役として登場するマーティン・シーンとの洒落の効いた場面など、映画ファンなら思わずニヤリとする小ネタも見逃せない。

■旬のネタゆえの弱点

ただし本作には現在観る上での弱点もある。

パロディ元の多くが1980年代のヒット作であるため、元ネタを知らない世代には笑いどころが伝わりにくい。

ある意味、賞味期限切れのネタばかりである。

特に『トップガン』未見だと面白さはかなり目減りする。

またギャグの方向性も現代の洗練されたコメディというより、「とりあえずパイを顔面にぶつけろ!」的な力技が多い。

そのため、緻密な脚本や知的なユーモアを求める人には少々厳しいかもしれない。

■こういう人にはオススメできない

●ストーリーの整合性を重視する人

●リアルな軍事描写を期待する人

●下ネタが苦手な人

●映画は静かに鑑賞したい人

●『トップガン』を観たことがない人

●「そんなバカな!」と言う回数を節約したい人

■総評

『ホット・ショット』は映画史に残る名作というより、「全力でふざけ続けた結果、奇跡的に傑作(?)になってしまった映画」である。

ネタの鮮度はさすがに落ちているし、ギャグの多くは時代を感じさせる。

しかし、その勢いとバカバカしさは30年以上経った今でも破壊力十分。

理屈で笑わせるのではなく、笑いの絨毯爆撃で観客を制圧するタイプの作品だ。

『トップガン』を観た直後に鑑賞すれば効果は倍増。

真面目な戦闘機映画への敬意と悪意を絶妙な割合で混ぜ合わせた、まさに「空飛ぶ悪ふざけ」の金字塔である。

観終わる頃には、ミサイルよりギャグの方が命中率が高いことを思い知らされるだろう。

スタッフ

監督 ⋯ジム・エイブラハムズ(『フライングハイ』『裸の銃を持つ男』シリーズを監督したパロディ映画の名手)

製作 ⋯ビル・バダラート

製作総指揮 ⋯パット・プロフト

脚本 ⋯ジム・エイブラハムズ、パット・プロフト

撮影 ⋯ビル・バトラー

音楽 ⋯シルヴェスター・リヴェイ

キャスト

トッパー・ハーレー⋯チャーリー・シーン

ケント・グレゴリー⋯ケイリー・エルウィス

ラマダ・トンプソン⋯ヴァレリア・ゴリノ

タッグ・ベンソン提督⋯ロイド・ブリッジス

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

また読みに来てもらえたら光栄です😊

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