【第48話】後編:あの日、命より商品を優先してしまった話〜3.11震災前後のリアル〜
※前回の第47話(震災当日の体験談)の続きとなります。
地震が起きた当日の恐怖も冷めやらぬまま、数日後に待っていたのは**「空前の商品不足」**という現場の混乱でした。
被災地にある工場が震災の影響で稼働停止してしまい、センターへ入庫してくる商品が著しく少なくなってしまったのです。
何もかもが足りず、みんなが思うように仕分け作業をできなくなりました。
限られた商品を巡って、センター内はピリピリとした雰囲気に。
「〇〇ちゃんがたくさん持っていってる!」
「私の分が足りないんだけど!」
「商品がないから謝りにお客さん回りするなんて、タダ働きだよ……」
今まで助け合ってきた仲間から、そんな悲痛な声や不満が飛び交うのは本当に辛い光景でした。
私自身もたくさんのお客さまを担当していたため、いつも通りの商品を届けることが全くできなくなってしまいました。
例えば、普段「甘さ控えめ」のヤクルトをご愛飲いただいているお客さまに、「申し訳ありません、これしか入荷しなくて……」と甘みのあるタイプのヤクルトをご提案して買ってもらうしかない状況。
かと思いきや、次は甘みのあるタイプが未入荷になったり…。
一軒一軒、事情をしぶしぶ説明して回りながら、「こんなお届けしかできなくて申し訳ない」と心が折れそうでした。
商品にも心にも余裕がなく、毎日が本当に大変だったこの時期。
スーパーではヨーグルトが手に入りにくくなり、「ヤクルトセンターに行けば買えるかも!」と、普段購入しない方がセンターに来店し、まとめ買いを希望する方もいました。
(お届けを待っている方の分が、減ってしまう…しかし、売れません、とは言えない…)
もどかしい思いもたくさんしました。
でも、こんな非常事態だからこそ、お届けできるありがたみや、商品を待ってくれているお客さまの存在を痛感した期間でもありました。
災害や予期せぬトラブルで思うようにお届けできない日は、現役のレディさんにもいつか訪れるかもしれません。
自分を責めすぎず、仲間とお客さまに対してできることを一つずつ積み重ねて乗り切っていってほしいなと思います。
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