滾る感情を吐き出す(ポートレート撮影 作例の紹介)その31@某繁華街
■ 撮影慣れしていない方との初撮影
映像制作会社の代表兼プロデューサーが、2024年4月に自社の設備投資としてシネマラインであるSONY FX3やレンズ、その他周辺機材を購入したところ、なぜか「ポートレート<写真>撮影欲」が滾ってしまい、この「滾る感情」を吐き出すために、ポートレート作例をアップしていくシリーズです。
今回のモデルさんは、このアカウントでは初登場の知人女性(いちおう匿名)です。本人曰く「撮影に慣れていない、笑顔を作るのが苦手」とのこと。
私自身、普段のポートレート撮影では、モデルさんに特別なポーズや表情は求めないため、「まったく問題なし、むしろ好都合」であること、「ただし、顔や身体の角度に対して細かく指示を出します」とだけ伝えてから撮影をスタートさせました。
撮影をはじめてみると、「慣れていない」とはいうものの、「そのまま2歩後ろ、身体の角度はそのまま、顔だけ5度右向き、目線はXXを見て」というような、私の細かな指示に対して的確に動いてくれるので、「もうちょい右」のような微修正指示を出すことが少なく、本当にスムーズに撮影できました。
ひとつのシチュエーションで粘る必要がないため、結果的に雑踏の中を移動しながら多くのシチュエーションで撮影できたので撮れ高が多く、現像前のセレクトに苦労したほどです。
これはモデルさんの「撮影慣れ」の問題ではなく、「身体と空間を把握し、指示の言葉をすぐに咀嚼して、自分の意思通りに身体を動かす能力」の問題のような気がしますが、私自身が全く撮られ慣れていないので本当のところはわかりません。
今回の撮影では、私がNGにしがちな「不自然な笑顔」のカットが全くなく、撮影を通して「イメージ通りに撮れた」という感覚があり、すぐにでもまた撮影したい、と思わせるモデルさんでした。
逆にいえば、私が直近で何度もモデルをお願いしている方は、こちらが笑顔の指示をしなくても、レンズに笑顔を向けてくることが多いのですが(可愛く撮れよ、という無言の圧力です・・・)、「不自然な笑顔」だと感じることが少ないので、シャッターを押し、OKカットにしています。
その結果、この方をモデルにする場合のみ、作例としてあげる写真は「笑顔」のカットを採用する率が高くなっています。この方は技術で「自然に見える笑顔」を作っているのだな、と改めて思いました。
■ 撮影機材紹介
最近のポートレート撮影ではメインレンズとなっている「SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art」は持参せず、「SONY FE 24-105mm F4 G OSS」をメインレンズに、そしてアクセント起用を目的にオールドレンズの「ASAHI Super-Takumar 55mm F1.8」も持参しました(いちおう、「GIZMON Utulens」も持参してしましたが使用せず)。
前回の「滾る感情を吐き出す その30」では、あまりにも晴天だったので「どうせ絞るなら」という理由で、「SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art」を持参しなかったのですが、今回は街中雑踏での撮影が目的でしたので、ある程度の引きじりが必要な85mmは不便だと判断し、メインレンズをズームレンズにした次第です。
そして、街中での撮影ではトップとサイドのハンドルや外部モニターは大袈裟すぎると判断し、iPhoneを外部モニターにしたシンプルなセッティングで撮影しました(アプリは「Monitor+」を使っています)。それでも「大袈裟じゃない?」と言われましたが。これでもシンプルなセッティングのつもりなんですよ。
少し前の記事で「必需品」とまで言っていた、送受信機能のある外部モニター「Hollyland Mars M1 Enhanced」は、最近の撮影では使っていません。モニター専用のバッテリーも必要で、かなりの重量になるので、街歩きロケには不向きなのです。
<使用機材>
Camera:SONY FX3
Lens: SONY FE 24-105mm F4 G OSS
ASAHI Super-Takumar 55mm F1.8(前期型)
Filter:TOKYO GRAPHER OPF 480-L
NiSi TRUE COLOR ND VARIO
NiSi SWIFT BLACKMIST 1/4
Mount Adapter:K&F CONCEPT M42-E Ⅳ PRO
CFExpressA:NEXTORAGE NX-A1PRO 160GB
SDXC:SONY UHS-II TOUGH SF 560GB
Cage:SmallRig 4184
Top Handle:SmallRig 3766
Strap:Peak Design SLIDE LITE
Camera Bag:Manfrotto Advanced Active Backpack III

外部モニターとしてiPhoneを利用
我ながらシンプルなセッティング

ASAHI Super-Takumar 55mm F1.8(前期型)
K&F CONCEPT M42-E Ⅳ PROを介して装着
MFレンズは外部モニターがないと
フォーカスを合わせられる気がしません
・Camera:SONY FX3
・Lens:SONY FE 24-105mm F4 G OSS
・ASAHI Super-Takumar 55mm F1.8(前期型)
・Mount Adapter:K&F CONCEPT M42-E Ⅳ PRO
・CFExpressA:NEXTORAGE NX-A1PRO 160GB
・SDXC:SONY UHS-II TOUGH SF 560GB
・Filter:NiSi TRUE COLOR ND VARIO
・Filter:NiSi SWIFT BLACKMIST 1/4
・Monitor Mount:SmallRig 2905B
・Cage:SmallRig 4184
・Strap:Peak Design SLIDE LITE
・Camera Bag:Manfrotto Advanced Active Backpack III
■ 作例紹介
笑顔を作るのが苦手ということでしたので、笑顔を要求したのは一度だけでしたが、結果的にOKカットにはしませんでした(ごめん)。
NGにしたのは、私自身の最近のポートレート撮影の傾向として、「自然な表情やポーズを撮りたい=物語を感じさせる表情を撮りたい」という方向に傾いているせいだと自覚しています。現時点では、写真を見ていただいている方に「物語性」のようなものを感じてもらているかはわかりませんが、最低限、私自身だけでもたった1枚の写真から「物語を紡げる」カットを撮影し、選んでいるつもりなのです。
ただし、自然な表情というのは、「日常生活の一部を切り取りたい」わけではなく、モデルの方が一番素敵に映る角度や表情を模索して、かなり細かな指示を出しなら何枚も撮ったうえで厳選した表情です。アングルはもちろん、シャッタースピードや絞りで、写真は大きく変化するので、ほんの少しの差異を感じ取り、それを写真に収める努力をしています。

※まずはカメラに慣れてもらうために
視線を落として撮影開始

※少しづつレンズに意識を向けていく

※最近、上からのアングルを撮りがち

※私的にはこれが今回のベストショット
OKカットの中で唯一の微笑カット

※肌の質感表現がオールドレンズならではのやさしさ

※フォーカスは奥の瞳の睫毛にいってしまったけど、
表情が良いので採用

※肌の描写だけでなく、ボケもやさしい

※休憩中もシャッターチャンスは逃さない
(カップのロゴが見えないように、持ち方は指示している)

※カメラボディとレンズ、
両方の手振れ防止機能を信じて
手持ちでスローシャッターに挑戦

※普段は積極的には選ばない、
「雑踏」というロケーションでの撮影なので、
あまり撮らないアングルにも挑戦してみる
次のカット以降を撮影したタイミングはすでに日が落ちており、このロケーションにはほとんど街灯などの光源がなかったのですが、人通りはそれなりにあったので、ライトを炊くのは憚れると判断し、ISOをあげて撮影しています。
元のRAWデータの見た目はほぼ真っ黒ですが、これまでの暗所性能テストのおかげで、ここまで持ち上げて調整できることを確信していたので、ノーライトで撮影しました。

※このカット以降、ほとんど光源がない場所で撮影
全身カットも抑えておく

※少しだけ顎があがっているのがいい感じ
(普段は「顎を引いて」という指示を出すことが多いけど)

※身体と顔の角度、そして目線がまさに指示通り
身体を意識通りに操る能力な気がする

※背景だけに角度を付けて、
ボケ具合を左右グラデーションに

※背景の壁に当たるライトのグラデを使わせてもらう
どこにモデルを立たせるか、
ライトをどこまで顔に当てるべきか試行錯誤した結果の1枚
この写真は第三者に評価される気がする、
と自画自賛してみる
■ 最後に
ポートレート作例紹介第31弾をご覧いただき、ありがとうございます。
このアカウントでは、映像・デジタルコンテンツ制作会社の代表兼プロデューサー/プランナーが、自らポートレート撮影のカメラマンとしてクライアントワークを受注することを初期目標に設定し、新規事業化を目指すべく、ポートレート撮影の作例をあげていきますので、よろしくお願い致します。
そして、こちらのnoteと同じく、ポートレート撮影の作例をあげていくInstagram アカウントも開設しました。是非ご覧になってください。
https://www.instagram.com/resonance_portrait/
よろしくお願い致します。
