のらねこチップ 【フォトエッセイ】
かなり以前から、うちの町内に居ついているメス猫がいる。彼女は成猫とはおもえないほど、からだがちいさい。だからわたしは勝手にChip(チップ:おちびちゃん)と名づけている。

いまは保護活動の手によって「さくら耳」になっていて、ご近所さんが庭先においてくれるごはんをもらって生きている。
暑い日も寒い日も
いつもそのお宅の前に小さくたたずんで、ごはんが出てくるのを静かに待つのが彼女の日課だ。

そんな彼女だが、じつは過去に二度もたくさんの子どもを産んだビッグマミィなのだ。子猫をくわえ必死に逃げまどう姿を目撃したことがある。小さいからだで、女手ひとつで(あたりまえか)いくつもの試練を超えてきたからだろうか。彼女はどこかさめざめとわかりきったような眼差しをしている。見かけるといつも「チップ!」と呼びかける私に、逃げもせずしょうがなくつきあってくれている、そんな愛しみをおぼえる猫なのである。

どいてくれるまで待っていよう。
(お耳のシルエットが猫好きにはたまらん)
今は秋の長雨。今日は雨音が激しい。
いまごろどこで雨をよけているんだろう。
今度会ったらきいてみよう。
返事はしてくれないけれど。
