【エッセイ】気付いてあげられなくてごめん
題:気付いてあげられなくてごめん
長女がまだ小さかったころ。
工作が好きだった。
ある日何やら書いてテープで止め合わせてある紙をみせてきて、
「うさぎ!」といった。
私は「?」と思った。
「うさぎ?うさぎを書いて欲しいの?」
何だか泣きそうな顔をしている。
「やばい!」と思ってうさぎをその紙に書いた。
そうすると泣きなら「違う」といってきた。
「?」と思った。でも分からない。
下手だったのかな?と思って私はまたうさぎの絵を書いて、
「これうさぎだよ。」といった。
娘は泣いている。
悲しそうだった。
最初は眠くてぼんやり答えていたけど次第に真剣に考えた。けれども分からない。分からないままお風呂に入って寝た。娘が寝た後に気づいた。
遠くから見たら、紙が貼り合わせてあってうさぎの形に見えた。
よく見てみたらうさぎの目もペンで書いてあった。
テープで切り絵のように、紙を貼り合わせてうさぎの形を作ったんだと分かった。
私は泣いた。泣いた。泣いた。なんでか分からない。泣くのはまだ分かるが、こんなに悲しいのはなぜなのか。
今でも娘の悲しそうな顔が浮かんでくる。
こんなことがたくさんある気がした。娘が思ってることが伝わらず分からないまま通り過ぎていったことがたくさんあった気がした。
これからもたくさんある気がした。
あまりにもったいなくて、あまりに申し訳なくて、「ごめんね。」と言いながら泣いた。
一生懸命に作ったうさぎに、うさぎの絵を書いてしまった。
なんてことをしてしまったんだ。
このことを泣きながら夫に話すと引き気味に
「......え...あ...うん...
そ.....そうなんだ......」
と言われた。
夫にはピンとこなかったかもしれない。
けれども私はこのことを覚えておくことを決めた。
