7月の食習慣を整える|魚・卵・きのこでセレンをおいしくとる夏ごはん
暑さが続く7月。
「なるべく栄養のあるものを食べたいけれど、毎日の献立を考えるだけで精いっぱい」
そんな日もありますよね。
忙しいときの食事は、特別な食材をたくさんそろえるよりも、身近な食材から少しずつ栄養を重ねることが大切です。
今月意識したい栄養素のひとつが、微量ミネラルの「セレン」です。
セレンは体内の酵素やたんぱく質の構成成分として働き、酸化ストレスから体を守る仕組みや、甲状腺ホルモンの代謝などに関わっています。
魚、卵、肉類などに含まれており、毎日の食事から取り入れられる栄養素です。
今回は、管理栄養士ゆきなべが、魚・卵・きのこを使った夏の食事の整え方をご紹介します😊
手軽に作れるレシピも詳しくまとめましたので、今週の献立づくりに役立ててくださいね。
◆7月は「魚料理を選ぶ日」をつくってみましょう🐟
セレンは、魚介類や卵などに多く含まれています。
日本人の食事摂取基準2025年版では、成人女性のセレン推奨量はおおむね1日25マイクログラム、耐容上限量は350マイクログラムとされています。
通常の食事で極端に多くなることは考えにくいため、まずは食品を組み合わせてとることを基本にしましょう。サプリメントを利用するときは、含有量を確認することが大切です。
魚料理というと、下処理や後片づけが大変に感じられるかもしれません。
けれど、切り身魚、刺身用の魚、しらす、さば缶、鮭フレークなどを使えば、忙しい日にも無理なく取り入れられます。
毎日魚にする必要はありません。
「週の献立を考えるときに、魚料理の日を先に決める」
これだけでも、食事のバランスを整えやすくなります。
◆セレンを含む身近な食材と栄養の特徴
食品の栄養価は、種類、産地、季節、調理方法によって変わります。
ここでは、文部科学省の食品成分データをもとに、可食部100グラム当たりのおおよその値をご紹介します。
文部科学省の食品成分データベースには、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年までの値が掲載されています。
鮭
エネルギー:約120〜130キロカロリー
たんぱく質:約22グラム
注目したい栄養素:セレン、ビタミンD、ビタミンB12
鮭は、たんぱく質とともにビタミンDをとりやすい魚です。
切り身で購入しやすく、焼く、蒸す、煮ると幅広く使えます。
夏は、レモン、大葉、トマト、きのこなどを合わせると、さっぱり食べやすくなります。
さば水煮缶
エネルギー:約170〜190キロカロリー
たんぱく質:約20グラム
注目したい栄養素:セレン、EPA、DHA、ビタミンD、ビタミンB12
缶を開けるだけで使える、忙しい日の心強い食材です。
汁にも栄養成分が含まれるため、スープや煮物では汁ごと使えます。
商品によって食塩相当量が異なるので、栄養成分表示を確認して選びましょう。
鶏卵
エネルギー:142キロカロリー
たんぱく質:12.2グラム
セレン:24マイクログラム
注目したい栄養素:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンB12、鉄
卵は、料理に加えやすく、朝食、昼食、夕食のどの場面でも活用できます。
文部科学省の食品成分データでは、生の全卵100グラムにセレン24マイクログラム、ビタミンD3.8マイクログラムが含まれています。
卵1個の可食部を約50グラムとすると、セレンはおよそ12マイクログラムが目安です。
きのこ類
エネルギー:約20〜35キロカロリー
たんぱく質:約2〜4グラム
注目したい栄養素:食物繊維、カリウム、ビタミンDなど
きのこ類は、種類によって栄養成分が異なります。
セレンの量は魚や卵ほど多くないものもありますが、低エネルギーでかさを増やしやすく、食物繊維を補える食材です。
魚や卵と組み合わせることで、食べ応えと栄養のバランスを整えやすくなります。
「魚・卵でセレンやたんぱく質をとり、きのこで食物繊維をプラスする」
この組み合わせが、忙しい日の献立におすすめです。
◆7月に魚・卵・きのこを取り入れたい理由🌿
7月は、高温多湿の影響で食欲が落ちやすく、冷たい麺類やパンだけで食事を済ませたくなることがあります。
麺類やパンを選ぶ日も、卵、魚、きのこを少し加えると、たんぱく質やミネラルを補いやすくなります。
例えば、
そうめんに錦糸卵とツナをのせる
冷やしうどんに温泉卵を添える
そばにさば缶と大葉を合わせる
トーストに卵ときのこをのせる
このような小さな工夫でも十分です。
主食だけで終わらせず、たんぱく質を含む食材をひとつ添えることを意識してみましょう。
◆おいしい食材の選び方
鮭の切り身
身に透明感があり、色が均一なものを選びます。
パックの中に水分がたくさん出ていないもの、身が崩れていないものが使いやすいでしょう。
購入後は冷蔵庫に入れ、表示されている消費期限内に調理します。
さば缶
水煮、みそ煮、しょうゆ煮などがあります。
料理に応用しやすいのは水煮です。
減塩を意識するときは、食塩相当量を比較して選びましょう。
卵
殻にひびがなく、表示されている賞味期限を確認して購入します。
購入後は冷蔵庫で保存し、パックに書かれた保存方法に従いましょう。
生しいたけ
かさが開きすぎず、肉厚なものがおすすめです。
軸がしっかりしていて、かさの裏側が変色していないものを選びます。
しめじ
全体に弾力があり、かさが締まっているものを選びます。
袋の中に水滴が多くたまっているものは避け、購入後は早めに使いましょう。
えのきたけ
白く、軸にハリがあるものが新鮮です。
袋の中で水っぽくなっていないものを選びましょう。
◆栄養を生かす調理のポイント
魚は加熱しすぎない
魚は加熱時間が長くなると身が締まり、パサつきやすくなります。
蒸し焼きやホイル焼きにすると、水分を保ちやすく、少ない油でもしっとり仕上がります。
缶詰は汁も料理に活用する
さば水煮缶の汁には、魚から溶け出した成分やうま味が含まれています。
スープ、みそ汁、トマト煮などに使うと、だしを多く加えなくても味がまとまりやすくなります。
きのこは水洗いしすぎない
市販のきのこは、目立つ汚れをペーパーなどで軽く取り除けば使えるものが一般的です。
水に長くつけると食感や風味が変わりやすいため、必要な場合も手早く洗い、水気をよく切ります。
油は少量を上手に使う
きのこに少量の油を合わせると、風味が増して食べやすくなります。
魚の脂が多い料理では油を控え、白身魚やきのこ中心の料理では小さじ1程度を使うなど、食材に合わせて調整しましょう。
塩味以外の風味を加える
大葉、しょうが、レモン、酢、こしょう、ごま、カレー粉などを使うと、調味料を増やしすぎずに満足感を高められます。
◆鮭ときのこのレモンしょうゆ蒸し🍋
フライパンひとつで作れる、夏向けの魚料理です。
きのこのうま味とレモンの香りで、暑い日にも食べやすく仕上がります。
材料・2人分
生鮭 2切れ
しめじ 1パック
玉ねぎ 2分の1個
酒 大さじ1
しょうゆ 小さじ2
レモン汁 小さじ2
オリーブ油 小さじ1
こしょう 少々
大葉 4枚
作り方
鮭の表面の水分をキッチンペーパーで押さえます。
しめじは石づきを落としてほぐし、玉ねぎは薄切りにします。
フライパンに玉ねぎ、しめじ、鮭の順にのせ、酒を回しかけます。
ふたをして中火にかけ、蒸気が出たら弱めの中火で7〜9分ほど加熱します。
鮭の中心まで火が通ったら、しょうゆ、レモン汁、オリーブ油を合わせて回しかけます。
器に盛り、こしょうと千切りにした大葉を添えます。
調理のポイント
鮭の厚みによって加熱時間を調整してください。
レモン汁は仕上げに加えると、爽やかな香りが残ります。
きのこは、えのきたけやエリンギに替えてもおいしく作れます。
1人分の栄養価・概算
エネルギー:約230キロカロリー
たんぱく質:約24グラム
脂質:約11グラム
食塩相当量:約0.9グラム
主食と野菜の副菜を組み合わせると、夕食の主菜として使いやすい一品です。
◆さば缶とトマトのカレー卵とじ🍅
魚を焼く時間がない日に便利な、さば缶レシピです。
トマトの酸味とカレーの香りで、さばの風味がやわらぎます。
材料・2人分
さば水煮缶 1缶
卵 2個
トマト 1個
玉ねぎ 4分の1個
水 50ミリリットル
カレー粉 小さじ1
しょうゆ 小さじ1
おろししょうが 小さじ2分の1
小ねぎ 適量
作り方
トマトは食べやすい大きさに切り、玉ねぎは薄切りにします。
フライパンに玉ねぎ、水、さば缶の汁を入れ、中火で2〜3分煮ます。
さばの身、トマト、カレー粉、しょうゆ、しょうがを加えます。
さばの身を大きめにほぐしながら、2分ほど煮ます。
溶いた卵を回し入れ、ふたをして弱火で加熱します。
卵が好みの固さになったら火を止め、小ねぎを散らします。
調理のポイント
さばの身は細かく崩しすぎないほうが、食べ応えが残ります。
卵を加えた後は、混ぜすぎずにふんわり仕上げましょう。
ごはんにのせて丼にするのもおすすめです。
1人分の栄養価・概算
エネルギー:約270キロカロリー
たんぱく質:約24グラム
脂質:約17グラム
食塩相当量:約1.0〜1.4グラム
さば缶の種類によって食塩相当量が変わるため、商品の栄養成分表示をご確認ください。
◆卵ときのこの具だくさんスープ🥚
朝食にも夕食にも使える、やさしい味のスープです。
卵からセレンとたんぱく質、きのこから食物繊維を補えます。
材料・2人分
卵 2個
えのきたけ 2分の1袋
生しいたけ 2枚
小松菜 2株
水 400ミリリットル
鶏がらスープの素 小さじ1
しょうゆ 小さじ1
ごま油 小さじ1
こしょう 少々
作り方
えのきたけは根元を落として半分に切り、生しいたけは薄切りにします。
小松菜は3センチほどの長さに切ります。
鍋に水、鶏がらスープの素、きのこを入れ、3〜4分煮ます。
小松菜としょうゆを加えます。
再び煮立ったら、溶き卵を細く流し入れます。
卵が浮いてきたら火を止め、ごま油とこしょうを加えます。
調理のポイント
溶き卵は、スープが静かに沸いているところへ細く流します。
加えた直後は触らず、卵が固まり始めてからやさしく混ぜると、ふんわり仕上がります。
1人分の栄養価・概算
エネルギー:約115キロカロリー
たんぱく質:約8グラム
脂質:約7グラム
食塩相当量:約1.0グラム
おにぎりやトーストを添えるだけで、忙しい朝の食事が整いやすくなります。
◆たらとしいたけのしょうがみそ焼き
淡泊なたらに、しょうがとみその風味を合わせた一品です。
魚料理が少し苦手な方にも食べやすい味わいです。
材料・2人分
生たら 2切れ
生しいたけ 4枚
長ねぎ 2分の1本
みそ 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 小さじ2
おろししょうが 小さじ1
ごま油 小さじ1
作り方
たらの表面の水分をキッチンペーパーで押さえます。
しいたけは薄切り、長ねぎは斜め薄切りにします。
みそ、みりん、酒、しょうがを混ぜ合わせます。
アルミホイルにたら、しいたけ、長ねぎをのせ、合わせたみそだれをかけます。
ごま油を少量回しかけ、ホイルを包みます。
オーブントースターまたは魚焼きグリルで、中心までしっかり火が通るように12〜15分ほど加熱します。
調理のポイント
たらは水分をよく拭くと、味がぼやけにくくなります。
焦げやすい場合は、途中でアルミホイルを上から重ねてください。
1人分の栄養価・概算
エネルギー:約180キロカロリー
たんぱく質:約20グラム
脂質:約5グラム
食塩相当量:約1.2グラム
◆作り置きに便利な、きのことゆで卵のさっぱりマリネ
冷蔵庫にあると、副菜や朝食に使いやすい一品です。
材料・2〜3人分
ゆで卵 2個
しめじ 1パック
エリンギ 1本
玉ねぎ 4分の1個
酢 大さじ2
オリーブ油 大さじ1
しょうゆ 小さじ1
砂糖 小さじ1
こしょう 少々
作り方
しめじはほぐし、エリンギは食べやすい大きさに切ります。
玉ねぎは薄切りにします。
耐熱容器にきのこと玉ねぎを入れ、ふんわりラップをして電子レンジで加熱します。
600ワットで3〜4分を目安に、しっかり火を通します。
酢、オリーブ油、しょうゆ、砂糖、こしょうを混ぜ、熱いうちにきのこと合わせます。
粗熱が取れたら、食べやすく切ったゆで卵を加えます。
1人分・3等分した場合の栄養価概算
エネルギー:約130キロカロリー
たんぱく質:約5グラム
脂質:約9グラム
食塩相当量:約0.4グラム
◆忙しい日に役立つ組み合わせ例
朝食
きのこ入り卵スープ
おにぎり
ヨーグルト
卵ときのこをスープにすると、朝から無理なく食べやすくなります。
昼食
冷やしそば
さば水煮缶
大葉
トマト
温泉卵
そばだけで済ませず、さば缶や卵を加えることで、たんぱく質を補えます。
夕食
鮭ときのこのレモンしょうゆ蒸し
ごはん
冷ややっこ
夏野菜の副菜
主菜に魚、きのこを使い、副菜に豆腐や野菜を添えると、一食の栄養バランスが整いやすくなります。
◆魚・卵・きのこの保存方法
魚の切り身
購入後はすぐに冷蔵庫へ入れます。
翌日までに使わない場合は、表面の水分を拭き取り、1切れずつラップで包んで冷凍用保存袋へ入れます。
家庭で冷凍した魚は、品質を保つため2〜3週間を目安に使い切りましょう。
解凍は冷蔵庫で行うと、ドリップが出にくくなります。
さば缶
開封前は、商品に表示されている方法で保存します。
開封後は缶のまま保存せず、清潔な保存容器へ移して冷蔵し、できるだけ早く食べ切ります。
卵
購入後は冷蔵庫で保存します。
賞味期限は、生で食べられる期限の目安として表示されている商品が一般的です。
期限を過ぎた卵を使用する場合は、中心まで十分に加熱し、殻にひびがある卵は生食を避けましょう。
きのこ
パックのまま、またはキッチンペーパーで包んで保存袋に入れ、冷蔵庫で保存します。
水分がつくと傷みやすいため、保存前には洗わないほうが扱いやすいでしょう。
使いやすい大きさにほぐして冷凍することもできます。
冷凍したきのこは解凍せず、凍ったまま炒め物やスープに加えます。
家庭で冷凍したものは、3〜4週間を目安に使い切りましょう。
作り置き料理
調理後は室温に長く置かず、粗熱を手早く取り、清潔な容器に入れて冷蔵します。
夏場の作り置きは少量ずつ作り、2日程度を目安に食べ切ると安心です。
食べるときは、料理に応じて中心まで十分に再加熱しましょう。
◆管理栄養士ゆきなべの一言コラム
セレンは、名前だけを見ると少し難しい栄養素に感じるかもしれません。
けれど、毎日の食卓では、
鮭を焼く
卵をスープに入れる
さば缶をそばにのせる
魚料理にきのこを添える
こんな身近な食べ方で取り入れられます。
栄養は、ひとつの食品だけで整えるものではありません。
魚や卵からセレンとたんぱく質をとり、きのこや野菜から食物繊維、ビタミン、ミネラルを重ねることで、食事全体のバランスが整っていきます。
また、セレンは必要量が微量である一方、サプリメントなどからの過剰摂取には注意が必要な栄養素です。
まずは普段の食事を基本にし、特定の食品やサプリメントへ偏らず、いろいろな食品を組み合わせていきましょう。
◆7月の小さな目標
今週は、魚料理を1品選んでみる。
朝食に卵を加えてみる。
いつもの魚料理に、きのこを一緒に入れてみる。
全部を一度に変えなくても大丈夫です😊
続けやすい方法をひとつ選び、夏の食卓を少しずつ整えていきましょう。
この記事が、明日の献立づくりのお役に立てたらうれしいです。
「作ってみたい」と思ったレシピや、よく使う魚料理がありましたら、ぜひコメントで教えてくださいね。
忙しい女性の毎日に役立つ、季節の食事と栄養の情報をこれからも発信していきます。
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管理栄養士 ゆきなべ
※掲載した栄養価は、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参考に、一般的な食品と調味料から算出した概算値です。使用する食材、商品、調理方法、分量によって変わります。
