恐竜博2027、ポポサウルスとは何者なのか?偽鰐類の不思議を探る

2027年に開催される恐竜博の情報が今日、出てきました。
東京の国立科学博物館で実施される予定で、今回の目玉は「ポポサウルス」だそう。
公式アカウントで公開されたビジュアルでは、このポポサウルスの全身骨格とともに、
君は、恐竜なのか?
というキャッチコピー。
実は、このポポサウルス、恐竜じゃないんです。
そんな恐竜に見えて恐竜じゃない生き物が今回の目玉という事で、注目が集まっています。
ではポポサウルスとは何者なのか?
詳しく見ていきます。
ポポサウルスとは?
ポポサウルスは三畳紀後期の北アメリカに生息していた「偽鰐類」と呼ばれるグループの一種。
偽鰐類というのは、ざっくり言うと「ワニの仲間」です。
現在でいうワニ類がこれに属しており、二足歩行で歩く陸生のワニだったとされています。
ここがポイントですが、恐竜とワニは実は同じ「主竜類」というグループから枝分かれした親戚同士です。
約2億5000万年前の三畳紀初頭に、恐竜や翼竜を含む系統と、現生ワニ類を含む系統が分岐したと言われています。
つまりポポサウルスは、恐竜と分かれた後の「ワニ側」の生き物という事。
見た目は完全に恐竜っぽいんですけどね。
二足歩行だし、姿勢も恐竜そのものなので、パッと見で判断できる人はほとんどいないと思います。
ワニなのに二足歩行?そのギャップが面白い
普通、ワニと聞くと地面をベタッと這いながら歩くイメージがあるのではないでしょうか?
でも三畳紀に生息していた偽鰐類というのは、実はめちゃめちゃ多様性に富んでいたグループなんです。
今生き残っているワニたちは地面を這う種類ですが、直立歩行をするものもたくさんいたそうで、三畳紀には恐竜よりもワニの系統の方が形態的に多様化していたのではないか?という研究結果もあるんです。
これはあまり知りませんでした。
そんなにたくさんの種類がいただなんて…
私たちが今知っているワニって、ナイル川とかにいる、あの姿がずっと変わりません。
実際ワニは古代から姿形を変えない生きた化石と呼ばれています。
でも三畳紀の時点では、ワニの祖先たちはもっといろんな自由な姿をしていたという事なんです。
歩き方をイメージするなら、現代のワニは膝がほぼ90度に曲がって足を横に広げていますが、恐竜(例えばティラノサウルス)は脚を体の下にまっすぐ伸ばして立っています。
ポポサウルスのような直立歩行の偽鰐類は、この恐竜的な立ち方を独自に獲得していたという事なんですね。
進化の世界では、系統が違っても似たような環境に適応すると似た姿になる現象があります。
ポポサウルスのケースも、まさにそれかと思います。
なぜ偽鰐類はマイナーなのか
ここでちょっと疑問ですが、恐竜より多様性があったはずの偽鰐類、なぜ今ではこんなにマイナーな存在なんでしょうか?
理由の一つはシンプルで、恐竜や翼竜は巨大な体や派手な装飾を持つ種類が多い一方、偽鰐類は大きくても全長10mほどで装飾を持つ種が非常に少ないからだそうです。
地味、という事みたいです…
そしてもう一つ、決定的な出来事がありました。
当時恐竜を超える多様性を持っていた偽鰐類ですが、実は三畳紀末にワニ形類を除いてほぼ絶滅してしまいました。
原因は火山の噴火とも隕石の衝突ともいわれていますが、はっきりしていません。
そしてこの絶滅で生まれた生態系の空白を、恐竜たちが一気に埋めていきました。
これがジュラ紀以降、恐竜が急激に進化していくきっかけになったのかも?とも考えられているんです。
つまりポポサウルスたち偽鰐類は、恐竜時代の前にたくさんいたけれど、三畳紀の絶滅を経て恐竜たちに立場を取られてしまったという事みたいですね。
残念ながら。
発見の経緯もちょっと不遇
ポポサウルスという生き物、実は発見された経緯もなかなか波乱含みです。
1904年に腸骨の一部が発見されたことでその存在が知られるようになったのですが、当時はワニ類ではなく草食恐竜だと考えられていました。
その後別の部位が発見されて肉食性の獣脚類(恐竜)ではないかという説が浮上し、1977年になってようやく現在の偽鰐類への分類が確定したそうです。
発見から70年以上、なんとずっと「恐竜」だと誤解され続けていたという事なんですね。
まさに、「君は、恐竜なのか?」のキャッチコピー通りです。
前回の恐竜博はどうだったか
ちなみに、前回の「恐竜博2023」では国内初展示となった鎧竜類「ズール・クルリヴァスタトル」の全身実物化石が公開され、開催最終週には来場者数40万人を突破したそうです。かなりの盛況ぶりだったんですね。
今回の発表でも投稿からわずか数時間で4.6万件以上の「いいね」が集まったとのことで、注目度の高さがうかがえます。
こういう大型の特別展の集客力というのは、コンテンツの見せ方次第でここまで伸びるのかと、毎回感心させられます。
ポポサウルスという、決してメジャーとは言えない生き物を主役に据えてこれだけ話題になっているのは、「恐竜なのか?」という問いかけ一本でストーリーを作った内容になっていそうです。
東京は遠いですが、ちょっと見に行ってみたいなと思うところもあります。
まとめ
調べてみて分かったのは、ポポサウルスは恐竜ではなくワニの仲間、ただし見た目も歩き方も恐竜にそっくりという存在だったという事です。
それが今度の恐竜博の顔になります。
三畳紀にはワニ側の方が多様性で勝っていたという話は、正直このニュースを見るまで知りませんでした。
2027年春の開催との事なので、まだ時間はありますが、上野に行く機会があればぜひ実物の復元骨格を見てみたいと思います!
