6/10 信号待ちのスケッチ
赤信号に並んだ車はブレーキランプの赤の連続だった。
その赤は、周りの空気にまで染み出していく。
空を見上げると、あちこちに白の塗り残しがあった。
画用紙の地の色である青から、ゆらりと薄く、透明のカーテンが伸びていく。
掠れた筆で無理矢理、色付けたような、彩度の高い紫陽花。
一羽の鴉は、羽を一枚の布のように広げて、低空を飛行していく。
蜻蛉は、機械音を鳴らして、遥か高くへ飛び立っていった。
青信号になると同時に、そのランプは淡くなる。
線路は、輪っかのマジックのように、変幻自在に数を変えていった。
