8/11 梨を刺すフォーク
お皿に盛り付けられた艶のある梨。
種を取り除く為に切られた中央の部分はほんの少し黄色がかっていた。
蛍光灯の光を跳ね返す銀色のフォークを私は握って、その黄色の部分に突き刺す。
その瞬間、中に凝縮していた水分が弾け、指先に当たった。
フォークは実の中にゆっくりと沈み込み、その縁には小さな滴が付着している。
「パリッ」
張り巡らされていた細かな繊維が分かれ目で切断されたような食感の心地よさ。
噛むほどに口の中に水分が染み出していき、乾いていた口の中が潤っていく。
咀嚼し終わった梨は、塊だけを残して舌の裏で小さくなっていた。
