6/25 誰もいない後ろを振り返って
走った時のような下腹部の痛みを抱えて、私は通学路を歩いていた。
灰色のコンクリートに落ちていく一滴の滴。
コマ送りに脳内再生されて、肩にかざした傘は私を閉ざしていく。
妙に自らの輪郭が鋭くて、悲壮感が積もる。
足音は重々しく、響いて。
世界は虚ろで、遠く強い。
欠伸を噛み殺しながら、私はゆっくりと歩道橋に上り始めた。
その時、視界が反転して暗くなる。
「パッシャン」
我に返ると、下半身に冷たい感覚が走った。
痛みよりも、コケるんだなっていう冷静な驚き。
立ち上がった身体には変な恥ずかしさとスカートの僅かな湿り気。
後ろを見回して、誰もいなかったことにそっと息を吐く。
ああ。
早く終われ、生理痛。
