あずきが教えてくれたこと
私は、人間関係で心掛けていることがあります。
人間関係にgiveとtakeがあるなら、6:4くらいの割合で、自分が少し多めに与える側でいることです。仕事でも家事でも、最初から少し自分が多めにやるつもりでいると、不思議と人間関係がうまくいくように思います。
完全な50:50を求めると、人はどうしても心の中で計算を始めます。
今回は自分の方が多かった。相手はあまり返してくれていない。そんな思いが積み重なると、関係は少しずつ息苦しくなっていきます。でも、最初から6:4くらいのつもりでいると、心に余白ができます。
7:3や8:2になれば、搾取されているという感覚が生まれ、怒りや疲労が溜まる場合があります。だからこそ、私にとっては6:4くらいがちょうどいいのです。
妻や同僚との関係でも、少しだけ自分が与える側に回る。それだけで、穏やかな関係は築きやすくなる気がしています。
ただ、あずきに対しては、この感覚が少し違います。あずきには、見返りを求めていません。
人間同士だと、どうしても理解してほしい、気遣ってほしいという期待が生まれます。でも、あずきに対しては、そういう感覚がありません。むしろ、弱い存在を守りたいという気持ちの方が先にあります。
そして不思議なのは、見返りを求めていないはずなのに、あずきが元気でいてくれるだけで、こちらの心が満たされることです。言葉や成果ではなく、存在そのものが返礼になっている。
そう考えると、これは女性でいう母性本能に近い感覚なのかもしれません。
私たち夫婦は、子どもを授かることはできませんでした。それでも、こういう気持ちを教えてくれたあずきという存在には、感謝しています。
猫のいる暮らしとは、ただ一緒に生活することではなく、見返りを求めない愛情を教えてもらうことでもあるかもしれません。そして、その積み重ねが、猫のいるしあわせなのだと思っています。
