7/4 すべては「心」に始まり、「心」に終わる ― 組織の空気はリーダーの心が決める
組織の空気は、どこから生まれているのか。
同じメンバー、同じ業務、同じオフィスでも、日によって空気は違う。重い日もあれば、軽やかな日もある。多くの人はその差を「現場の事情」のせいにする。誰かのミス、誰かの不機嫌、誰かのトラブル。原因はいつも外側にあると考える。
稲盛和夫はそれを、まったく違う角度から見ていた。
『心。』のなかで彼は、人生のすべては自分の心が映し出したものだと書いている。組織の状態も、業績も、人間関係も、その奥には必ずリーダーの心の状態がある。京セラもJALも、技術や戦略の前に、まず経営者の心のありようが土台にあった、と。
これは精神論ではない。極めて実務的な話だ。
JALを再建したとき、稲盛が最初に手をつけたのは、財務でも事業構造でもなく、社員の心だった。彼はフィロソフィを説き、幹部向けの勉強会を何十時間も開き、人の心の基盤から組織を作り直していった。手元にあった一番の経営資源を、彼は「心」だと判断したのだ。
そして実際、再建の流れはそこから動き出した。
なぜ心が組織を動かすのか。理由はシンプルで、心は隠していても漏れるからだ。挨拶への返し方、廊下での目線、会議での沈黙の長さ、メールの行間。そのすべてに、リーダーの心の状態が滲み出る。そしてそれは何倍にもなって、組織のすみずみに伝染していく。
リーダーの心が荒れていれば、組織は荒れる。リーダーの心が整えば、組織は整っていく。順番が決まっている。
組織の課題に直面したとき、私たちはつい外側に答えを探す。新しい制度、新しい仕組み、新しい施策。それも必要だろう。だがその前に、必ず点検すべきものがある。
自分自身の心の状態だ。
朝、職場に向かう道のりで、自分の心はどんな状態だろうか。焦りか、恐れか、疲弊か、それとも穏やかさか。その心が、今日の組織の空気を決める出発点になる。
すべては心に始まる。順番を間違えてはいけない。
あなたは今朝、どんな心で職場に向かいましたか。
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【書いた人】高坂涼介(こーさか)
離職率60.3%の特養を、3年で9.1%にしました。
介護労働安定センター理事長表彰 最優秀賞
内閣総理大臣表彰 厚生労働大臣奨励賞
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