感謝が大事。
精神論っぽい。
ありがちなスローガンっぽい。
だから多くの経営者は、感謝という言葉を経営の場で使うのを避けます。
でも、稲盛和夫さんは違いました。
半世紀以上、感謝を経営哲学の中心に置き続けた人でした。
『心。』のなかで、稲盛さんはこう書いています。
感謝こそが心を浄化し、運命を変えていく、と。
一見、精神世界の話に聞こえるかもしれません。
でも稲盛さんの言葉は、そこから出てきたものではないのです。
京セラとJAL。
ふたつの具体的な組織で、感謝が実際にどう働くのかを、ずっと観察し続けた末に出てきた言葉でした。
感謝は「気分」ではなく「技術」です
ここが、いちばん大事なところだと思うのです。
感謝は、気分ではありません。
仕組みとして、組織に実装できる技術です。
たとえば、朝礼で誰か一人への感謝を口にします。
「昨日、◯◯さんがこう動いてくれて、本当に助かった」。
行動と、その影響を、セットで語ります。
これを毎日続けると、組織の空気が変わっていきます。
たとえば、メンバー同士が感謝を伝え合う仕組みをつくります。
匿名でも記名でも、カードでもデジタルでも、形式はなんでもいい。
大切なのは、感謝が流れるチャネルを組織のなかに用意することです。
たとえば、辞めていくメンバーに、その人が残してくれたものを具体的に伝えます。
送り出すところまでを、感謝の範囲だと考えるのです。
どれも仕組みです。
仕組みだから、再現できます。
誰かの気分に左右されないのです。
人間関係が、滑らかに回りはじめます
仕組みで感謝が流れると、何が起きるか。
メンバーの表情が変わります。
お客様への声かけが、やわらかくなります。
社内のやりとりに余裕が出ます。
トラブルが減ります。
人が辞めなくなります。
ぜんぶ、つながっているのです。
稲盛さんが言いたかったのは、たぶん、こういう実務の話だったのではないでしょうか。
感謝は、組織のあらゆる歯車を滑らかにする潤滑油です。
それを精神論で終わらせず、仕組みに変えた組織が、長い目で見て強くなっていきます。
あなたの組織には、感謝が流れる仕組みが、ありますか。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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